校長室
排撃! 美衣弛馬鈴!(びいちばれい)
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第5章 開幕、夏の美衣弛馬鈴 「皆さんお待たせしましたぁ! いよいよ夏の美衣弛馬鈴大会、開幕です。実況はあたし、ルーシー・トランブル(るーしー・とらんぶる)です。厳正な抽選の結果、次のように対戦表が決まりましたよぉ」 Aブロック あーる華野 筐子(あーるはなの・こばこ)&アイリス・ウォーカー(あいりす・うぉーかー)ペア対巫丞 伊月(ふじょう・いつき)&エレノア・レイロード(えれのあ・れいろーど)ペア Bブロック メイベル・ポーター(めいべる・ぽーたー)&セシリア・ライト(せしりあ・らいと)ペア対ナガン ウェルロッド(ながん・うぇるろっど)&ヴェルチェ・クライウォルフ(う゛ぇるちぇ・くらいうぉるふ)ペア(チーム・刃流斬伊(ばるきりー)) Cブロック 支倉 遥(はせくら・はるか)&ベアトリクス・シュヴァルツバルト(べあとりくす・しゅう゛ぁるつばると)ペア対レロシャン・カプティアティ(れろしゃん・かぷてぃあてぃ)&ネノノ・ケルキック(ねのの・けるきっく)ペア(チーム・ニンニクスタミナーズ) Dブロック ガートルード・ハーレック(がーとるーど・はーれっく)&シルヴェスター・ウィッカー(しるう゛ぇすたー・うぃっかー)ペア対遠野 歌菜(とおの・かな)&カリン・シェフィールド(かりん・しぇふぃーるど)ペア、交代要員晃月 蒼(あきつき・あお)(チーム・デリケートドラゴン) Eブロック ペネローペ・桜城(ぺねろーぺ・さくらぎ)&秘密の国の ウサリーナ(ひみつのくにの・うさりーな)ペア対弁天屋 菊(べんてんや・きく)&ガガ・ギギ(がが・ぎぎ)ペア Fブロック 神楽坂 有栖(かぐらざか・ありす)&ミルフィ・ガレット(みるふぃ・がれっと)ペア(チーム・うみうさぎ♪)対ナナ・ノルデン(なな・のるでん)&ズィーベン・ズューデン(ずぃーべん・ずゅーでん)ペア Gブロック レティシア・トワイニング(れてぃしあ・とわいにんぐ)&シー・イー(しー・いー)ペア対小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)&ベアトリーチェ・アイブリンガー(べあとりーちぇ・あいぶりんがー)ペア 「大会はトーナメント形式で行われます。Aブロックの勝利チームはシードとし、BとC、DとE、FとGブロックで対戦、以後は準決勝となりますね」 組み合わせが発表されて選手たちの反応はさまざま。優勝目指し奮起するもの、他チームを出し抜いてやろうとするもの、周囲の選手を見回しているもの。 大会入り口ではまた新しい火種が生まれているとも知らずに…… 第6章 男だらけの美衣弛馬鈴 男達は大会運営本部になだれ込んだ。 入り口付近には受付があり、(自称)風紀委員長の田中君が座っている。 「ど、どうしたのですか皆さん!? なにか事件でもあったのですか?」 「うるせえ!」 田中君、一瞬にして野郎どもにぶっ飛ばされる。 「どうしたのですか、騒々しい」 そういいながら二階からひとりの男が降りてきた。彼こそが5人のしもべのひとり、狼虞(ろうぐ)拳の使い手ケンである。 「俺たちは! 健康的な戦う女性の破れたビキニ姿を拝むためにここまで来た! 」 普段は眠そうにしている赤月 速人(あかつき・はやと)が、いつになく殺気立った調子でケンに詰め寄る。 「どうせ『ここを通りたければ我々を倒してみろ』とかいう奴らがでてくると思ってたぜ! ヒャッハー!!!」 当たらなくていい予想が当たったせいか、高崎 悠司(たかさき・ゆうじ)のテンションも高い。 この一触即発の場面で、グレン・ラングレン(ぐれん・らんぐれん)が両者のあいだに割って入った。 「待ちな! 美衣弛馬鈴のことは美衣弛馬鈴で決着をつけようぜ! 幸いここは大会本部、ここで美衣弛馬鈴をやっても構うまいよ!」 「フフフ、面白い。おい、愛一郎(あいいちろう)ちょっと来い」 ケンの呼びかけに答えて、憂挫道(うぃざどう)の達人、愛一郎がやってきた。 「なるほどねぇ。ボクとキミのコンビで美衣弛馬鈴か。悪くないねぇ」 ふたりは仲良しのようだ。この未知のペアと闘う男は誰だ!? 「やあ久しぶり、半年前に学舎から出て行ったケンくんと愛一郎くん」 「おい樹、何を親しげにしている」 薔薇の学舎からやってきた麻野 樹(まの・いつき)とそのパートナー、雷堂 光司(らいどう・こうじ)であった。ケンは半年前の屈辱を思い出してわなわなと震える。 こうして男同士の美衣弛馬鈴がはじまった。 美男子たちの体に激しくぶつかる革製品(註:ボールです)。男たちの汗を吸い込み、じっとりと濡れる革製品。荒々しい息づかい。時折漏れるあえぎ声、そして短い悲鳴。革製品を通じて相手の体に触れる汗。相手の発射する白いそれ(註:ボールです)を、みずからの肉体で受け止めようとする美男子たち。 最後には4人ともが床に倒れ伏した。勝者がどちらだったのかはわからないが、ケンと愛一郎が怒れるパラ実生たちを阻めないのは明らかであった。 「まさか美衣弛馬鈴がこんなものだとは思わなかったぜ」 グレンが感想を漏らす。一行は同意し、早々に上の階を目指すのだった。