リアクション
最終章
「遂に集まった」
インヴィジブルポーズは屋上でも特に目立たない場所にいた。
そこには、今まで集めたパンツが大量に隠されている。
「今こそ我が願いの成就……」
そのパンツが詰め込まれた大風呂敷に手を伸ばす。
同時刻。
一葉は今までの情報から一つの可能性を見つけた。
「もしかして、インヴィジブルポーズって……」
その可能性をラッセに、他の人に知らせるように言う。
ラッセは予め聞いていたアドレスに片っ端から送信した。その内容は。
『インヴィジブルポーズの正体』
インヴィジブルポーズが今回現れた時、最初は更衣室だった。その時は女子だったが、次に現れた時には男子だった。そして、次々に記憶が無い生徒が現れた。彼女、彼らはインヴィジブルポーズの特徴に似ていた。では全員とも犯人かと言うと、そうではない。
インヴィジブルポーズは必ずパンツを被っていた。縞模様のパンツは今までに盗まれたモノの特徴と一致しない、自前かつ一枚しか無いと思われる。次々に渡して行けば一枚でも可能だが、そんな事をする理由が無い。考えられる理由それは……。
インヴィジブルポーズは人間では無く、一種のマジックアイテム。いや、呪いのアイテムだった。
あまりにもモテない男子、思春期の思い、様々な情念が渦巻き、魔力と意志を持った存在、それがインヴィジブルポーズ。
不安定な存在はパンツに宿るという執念で存在を確定させ、それを持った者の意識を乗っ取るという、正に呪いのアイテム。
オマケに、持ち主を透明化する事が出来る能力を持っていた。これは、様々な渦巻く情念が発言させた力だった。透明人間になりたいと、誰でも一度は思うのではないだろうか。
パンツを盗んでいたのは、存在するようになった時からの使命のようなモノだった。覗き、痴漢はその延長線上のものだ。
インヴィジブルポーズが風呂敷を手に、誰にともなく語りだす。
「私の存在はこれで消えてしまうだろう。だが、必ず第二、第三のインヴィジブルポーズが現れるだろう」
これは、恐らく永遠に続くであろう人間の業だった。
「さあ、私からのプレゼントだ!!」
風呂敷を開き、空へ投げ捨てる。
すると、大量のパンツが舞い落ちてくるではないか。
「こ、これはパンツ!?」「空からパンツが!?」「ブフッ! これはエロい」「あれ、このガーターベルトはつくヨガハァッ!」「宝や、宝の地図や!」「ヒィィィィヤァッッホォォォォォォ!!」「パンツッ! パンツッ!」「うまいっ!」「あれ、なんでだろう……涙がっ!」
正に狂喜乱舞。
一体どれだけムッツリ野郎がいたのだろうか。辺り一面は祭りが開催されていた。
この偉業を成し遂げたのはインヴィジブルポーズだというのは、みんなスグにわかった。
そして、口々にこう言う。ありがとう。ありがとう、ボクらのヒーロー。
こうして、怒涛の一日が終わった。
次の日、顔を腫らした人多く見られた。
あの後、パンツは全て回収され、抵抗した者は刑に処された。
刑の名を『フルボッコ』と言い、鬱憤が溜まっていた女子生徒によるラッシュの嵐。
インヴィジブルポーズはそれ以来、完全に現れなくなり。
名の通り、『見えざる姿』となった。
皆さんお疲れさまでした。如何でしたでしょうか? 中には出番が少ない等、ご不満があるかと思いますが、それは私の力量不足です。日々精進させて頂きますので、今後もどうかよろしくお願いします。(訳:見捨てないで下さい)さて、本シナリオは今回で終わりとなりますが、続編、またはシリーズ化して、同ジャンルのシナリオを創って行こうかと画策しております。話に繋がりは持たせない様にする予定ですが、今回のシナリオが楽しかった、また参加したいという方はパソコンの前で正座でお待ちください。それでは、そろそろ眠いのでこの辺で失礼します。またお会いしましょう。これを見ているあなたに、極上の笑いがあらんことを。