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虹色巨大卵救出作戦

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虹色巨大卵救出作戦

リアクション


epilogue


 キマク郊外の見世物小屋跡地で、王 大鋸たちは虹色の巨大な卵から孵化した見上げるほどの巨大イモムシ「ツァンヨン」と、小さな妖精の双子姉妹を前にしていた。
「ありがとうございます、みなさんのおかげです」
「山に帰っても、みなさんのことは決して忘れません」
 双子の妖精は皆に向かい、ふかぶか〜と頭をさげる。
 人間のために酷い目にあったけれど、力を貸し協力をしてくれたのも人間だった。人間も捨てたものではないと思う。
「ね、ツァンヨンってなに?」
「ツァンヨンは、私たち崑崙山にすむものたちの守護者です」
「成虫になれば、現在よりもっ大きくなって強くなるの」
 神和 綺人の問いに妖精たちは口々に答えた。
 コンロンの地にある崑崙山麓の樹海には、まだ誰も知らない秘境や、そこに棲むものたちがあるのだろう。
「本当にありがとう」
 妖精たちはもう一度礼を言うと、薄い羽根を広げて飛び立つ。
 小さな光の珠になった少女たちを見送る大鋸たち。
 そして、ツァンヨンがゆっくりと動き出す。
 生まれて間もないにもかかわらず、コンロンの山奥の生まれ故郷を目指して、うぞうぞと動きだした。
「結局、コンロンのお宝ってなんだったんじゃん?」
「そりゃ……あのツァンヨンだろ」
 イーディ・エタニティが首をかしげ、葛葉 翔が動き出したツァンヨンを見上げて言う。
 双子の妖精たちは、ツァンヨンが守護者だと言った。
 人跡未踏の秘境に眠る宝は多くあるかもしれないが、このツァンヨン自体が崑崙山の守護者であると同時に秘宝中の秘宝なのだと翔は思う。
「また、会えるかな?」
「会えますよ、きっと」
 見送りながらふと口にするフィーニ・レウィシアに、リチェル・フィアレットが答える。
「ふたりともー手伝って! みんなでお疲れさま会するよ」
 みんなに自慢の料理をふるまおうと準備する七瀬 瑠菜が「手伝って」とリチェルとフィーにのふたりを呼んだ。


 そこへ―――ー
 砂煙と派手な爆音をあげてスパイクバイクがやって来た。
「巨大卵はオレがもらう!」
「はい?」
 【E級四天王】でもある吉永 竜司(よしなが・りゅうじ)だ。
 腹が減っては戦ができぬとばかりに、あの巨大卵なら相当な精がつくだろうと考えた竜司は、虹色巨大卵を奪い食うつもりだったのだ。
 そのために、彼らが帰る途中に通るであろう山道に罠などしかけてみたが、あまりに遅いので来てみたらしい。
 ところで、食うって言っても鳥とかではなく虫の卵でしたが、大丈夫ですか?
「こまけぇ事は気にするな! そんなことより、卵はどこだ?」
「卵は、なイ。孵化したからナ、強いて言えば“あれ”ガそうダ」
 と、シー・イーの指し示す方に、巨大な白い幼虫がうねうねと蠢いている。
「ほう……食いでがありそうじゃねぇか」
 舌なめずりをする竜司。
 そういう食文化は地球上にもあるので、食って食えないことはないだろうけど……

ピキィー

 身の危険を感じたのかツァンヨンは甲高い鳴声をあげ、その口から白い糸を勢いよく吐き出した。
「うわぁぁっぁぁぁぁっ!!?」

 みるみる粘着質の糸に覆われて身動きができなくなる竜司。
 そして、王 大鋸たち見送りの面々。

「だーっ! 助けてやった恩を仇で返しやがって!!」
 大鋸の怒鳴り声がこだました。
 いや、悪いの竜司だから……


「お取り込み中のところ失礼する……」
 ねばねばの糸に絡まれている大鋸たちの前に、見世物小屋の興行主ネルソンとその仲間たちがやって来た。
「いまさら何のようだ!」
「そう噛み付かないでくれたまえ」
 とか言いつつ、ネルソンは大鋸の目の前になにやら紙切れを広げてみせた。
「……?」
「どーしたの?」
「なんだこれは?」
「請求書」
「はぁ? どういう意味だ?!」
「巨大卵、妖精の件を差し引いても、我々が受けた損害のほうが大きいと思うが?」
 聞き返す大鋸にネルソンはしれっと答えた。
 巨大卵略奪と妖精誘拐の件に関しては非を認めるが、どんな理由があれ大鋸たち学生が興行中の見世物小屋を襲い、その結果一般の客に多大な迷惑をかけ、見世の破壊、さらに興行自体を中止させた損害のほうが大きいというのだ。
「ま、君達が学生だということを差し引いて、この金額で手を打とうじゃないか」
 言われて、大鋸たちはネルソンの差し出す請求書をもう一度見た。

 請求金額:1000万G 也

「払えるか馬鹿野郎!」
 再度、大鋸の怒声が鳴り響く……
 踏んだり蹴ったりとは、このことかもしれない。

担当マスターより

▼担当マスター

澤井小雪

▼マスターコメント

 はじめましてこんにちは、澤井小雪です。
 ご参加いただきましてありがとうございます。
 この度は、予定していたリアクション公開よりも大幅に遅れてしまい、ご参加くださいましたみなさまには大変ご迷惑をおかけいたしましたことを心よりお詫び申し上げます。
 機会がございましたら、ご参加いただければ幸いです。

 また、称号の付与など、システム的なお問い合わせがございましたら、蒼空のフロンティア 公式ホームページ サポートのお問い合わせフォームにてお知らせいただければと思います。
 よろしくお願いいたします。