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リアクション
「メリークリスマス、素敵な占い師さん」
サンタコスプレをした明智 珠輝(あけち・たまき)が香鈴にフランキンセンスの香りの赤いキャンドルをプレゼントした。
「わあ、ありがとうですアル!」
「ふふふ、あなたにも、どうぞ」
「これはありがとうございます」
九条 風天(くじょう・ふうてん)もキャンドルを受け取り、小さな笑みを浮かべる。
「サンタの服も……良かったかも」
坂崎 今宵(さかざき・こよい)に見つめられ、リア・ヴェリー(りあ・べりー)は顔を赤らめる。
そして、恥ずかしさを隠すように、リアは珠輝に空中飛び膝蹴りを食らわせた。
「パーティーに参加している皆がサンタ服じゃないじゃないか!」
珠輝に200のダメージ。
珠輝は気絶してしまった。
「だ、誰かリザレクションをー!」
香鈴が叫ぶ。
だが。
「ヒャッハー! リザレクションはまだ未実装だぜー!」
南 鮪(みなみ・まぐろ)が飛び込んできて、リアに種もみ袋を渡す。
「この間、種もみ袋がラッキーアイテムって言ったろ? 種もみ袋に祈れば、こいつが息を吹き返すかもしれないぜ」
「え、いや、種もみ袋にそんな機能ついてないから!」
「ブルルルルル(それじゃ、キスで目覚めさせるとか)」
「もっとありえないからー! それにキッスを装備してるの、僕じゃないから!!」
リアがなんでハーリーの言葉が分かるの?
砂上楼閣では……とかいうツッコミはクリスマスなので無しにしてもらって。
「でも、なんでクリスマスに種もみ袋……」
うっかりと鮪から種もみ袋のプレゼント(ハーリーが気を使ったシャンペン付き)をもらってしまった今宵が呟くと、鮪がジッと今宵に顔を近づけて解説した。
「無学なお前らは知らないのかも知れねえから、インテリの俺が教えてやるぜ。『何故ならば本来波羅蜜多に置ける袋は全て種モミを収穫する為に存在する。よって酸蛇九賂守が担ぐ袋が種モミ袋なのは言うまでもあるまい』by波羅蜜多実業高等学校農学科教本【驚きの農業史世界の記念日は全て種モミに通ず】三章28行目からの引用だぜ!」
ちなみにこの農学科教本は、習って実行しても全く稲が収穫できず廃刊している。
一部では、種モミ強奪横行の原因になったとも噂されるが、明らかではない。
教本といっても、只の同人誌という話があるが、割と同人誌で見ていた人が10年後とかに表舞台にいたりするので世の中侮れない。
「兄者、オヤスミ? でも、まだ、はやい」
へそ出しショートパンツ姿のポポガ・バビ(ぽぽが・ばび)が気絶してしまった珠輝をつつく。
リアと同じ姿だが、ポポガの方は気にしていないらしい。
「もういいじゃない。踏めば治るんじゃないの?」
パートナーを敬う気0で藤咲 ハニー(ふじさき・はにー)は珠輝を一瞥し、鮪の方を見る。
「袋ありがとう。今日、枕元にかけておくわ」
「おう、これで真の酸蛇九賂守が来るぜ」
「そうだといいわね。でも、あたしはあんたからの連絡の方が欲しいわ」
ハニーはウインクをすると、鮪にメモを渡した。
「これはあたしからのクリスマスプレゼント。あたしのケータイ番号よ」
くすっと笑うと、ハニーはドレスを翻し、香鈴の方を向いた。
「あら、あなたが香鈴ちゃんね。ね、あたしの金運と男運占ってくれないっ? 駄目っ?」
「いいですアルヨ〜」
香鈴は求めに応じ、持っていた占い道具を使って占いをした。
「他校の人がいいみたいですアルネ」
「他校、他校ね! よし、来年は他校まで足を伸ばして、他校の男を捕まえるわよ!」
張り切るハニーを見ながら、リアは香鈴にお礼を言った。
「あ、香鈴さん、こないだはどうもありがとう!」
「いえいえ、こちらこそ」
にっこり笑うリアに香鈴も笑顔を見せる。
「そういえば珠輝は2020年の運勢を……とか言って……」
「はい、わかりましたアル」
リアが言い終わる前に香鈴は占いを始めた。
「絆の高い人たちと遊びに行ってみてくださいアル」
「へえ〜それはまた面白い結果だね」
リアがそんなことを着ている間に、いつの間にかポポガがキャンドルに火をつけて、珠輝に蝋を落とし、起こしていた。
「あ、い、いい……。おや、鮪さん」
もっとと言いかけた言葉を止め、珠輝は鮪に挨拶をする。
珠輝と鮪はキャンドルと種もみ袋を交換し合い、互いのクリスマスを祝ったのだった。
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