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空京放送局復旧作業・ダークサイズ新キャラの巻

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空京放送局復旧作業・ダークサイズ新キャラの巻

リアクション



 空京の外れから、ダイソウトウたちを乗せて休まず疾走するエメリヤン。それを追って休まず走り続ける長門。
 ようやく、ほどなく空京放送局ビルというところまでたどり着いた時、ダイソウが通りの隅に何かを見つけ、

「むっ! 止まれい、コクオウゴウ!」

 と、エメリヤンに急ブレーキ。

「僕、バーニーセーター号がいいな……」

 とつぶやくのに気付かず、ダイソウはエメリヤンから降り、小さな窓口にダッシュする。

「空京たからくじ一枚」

 ダイソウは窓口のおばちゃんにたからくじ券を一枚注文。

「はい、300Gね」

 しかしダイソウは、懐に手を当て、ハタと気付く。

「しまった。さっきお前たちにジュースを買ってあげたから、手持ちがない」
「え……ダイソウトウ、300Gしか持ってなかったの……」

 円は所持金ゼロの主に、呆然とする。
 ダイソウはたからくじ売り場の隣にあるATMに駆け込んで、伽羅が微妙に振り込んでいた300Gを早速下ろしてくる。

「てっきり0Gかと思っていたら、300G入っていたぞ」
「ダイソウトウ……絶対ギャンブルやっちゃいけないタイプだね」
「日頃から善い行いはしておくものだな」
「いや、ボクたち悪だよね……」

 円は突っ込みながら悲しくなってくる。
 そんなことはお構いなしに、ダイソウは空京たからくじを一枚ゲット。
 おばちゃんはダイソウにたからくじを渡しながら、

「お客さん、ラッキーだね。最後の一枚だよ」
「くじが売り切れるなどということがあるのか」
「何かさっき、大量に買い込んだ色っぽいチャイナ服の女の人がいてね。酔狂な人もいたもんだよ」

(チャイナ服……? ふふ、まさかね……)

 いつの間にかタクシーで追いついていた翡翠は、思い直す。
 ダイソウたち一団のすぐそばから、男性の大きな声が聞こえる。

「申し訳ありません、お嬢!」
「どうするの? これじゃあ作戦が台無しだわ」

 見ると、若い女性に頭を下げる、やたらガタイのいい執事服の男。
 そのそばには、ボンネットから煙が出ている高価そうな車が一台。
 まず結和が、女性の顔を見て驚く。

「わあ! 御神楽 環菜(みかぐら・かんな)さん!」

 見ると、彼女はシャンバラの有名人、御神楽環菜、に完璧に変装しているニセカンナ、リカイン・フェルマータ(りかいん・ふぇるまーた)

「そういうそちらは、ニャークDSのダイソウトウではないか」

 リカインと行動を共にしていた夜薙 綾香(やなぎ・あやか)メーガス・オブ・ナイトメア(めーがす・ないとめあ)が、意外なところでダイソウトウの姿を見つけて、驚く。

「いかにも、私はダークサイズのリーダー、ダイソ……」
「こんなところで何してるんですかー?」

 結和はダイソウの名乗りを食って、ニセカンナに聞く。

「実は、空京放送局に向かう途中、車がエンコしてしまって」

 ニセカンナ(リカイン)は答えながら運転手のヴィゼント・ショートホーン(びぜんと・しょーとほーん)を見る。

「申し訳ありません、お嬢!」

 ヴィンセントはまた頭を下げる。

「空京放送局か。御神楽環菜が何の用なのだ?」

 ダイソウの問いに、空京稲荷 狐樹廊(くうきょういなり・こじゅろう)が、目に怒りをたたえて答える。

「どうやら空京たからくじで不正が行われていると聞きつけましてね。しかも内部の犯行で。従って、下手人にはきついお仕置きをしてあげようと思うのですよ。空くじなど、冒涜もいいところです。そもそもたからくじとは富くじの発展したもので、富くじは神社仏閣の補修資金を集めるために行われていた神聖なもの。それを一人の私腹を肥やすためなど、これは神へ唾する行為……」

 いつの間にか狐樹廊の富くじ講釈が始まる。
 狐樹廊の話にさっそく飽きた円は、

「どうしてキミがお仕置きに行くんだい?」

 と、ニセカンナ(リカイン)に聞く。

「私は空京放送局の出資者の一人(たぶん)だからね。経営者を糾弾するのは当然の仕事だわ。その模様は放送電波に乗っけて、空京中に生放送よ」
「ふっふふふふ。そしてそれを根回しして斡旋するのは私。ニャークDSのマジカル★ナハトだ」

 と綾香が自慢げにダイソウの前に出る。

(おぉ……魔女っ子……)

 円と結和が、珍しそうに綾香の服装を眺める。

「当たりくじを狙いつつも、放送局浄化のために手はずを整える。さすれば、我らニャークDSは、ものすごくおいしい立ち位置が獲得できると思わんか?」
「さらにそれを確実なものにする工作も整えておる。このメイガス★マスカレイドがな……」

 メーガスが綾香の隣で胸を張る。

「ちょっとちょっと、あたしもちゃんと手伝ってるんだから、空京たからくじ監視委員会の件も忘れないでよね。それできなかったら、今日ここに来てる意味ないんだから」

 茅野 菫(ちの・すみれ)が、自分を忘れられないように念を押す。

「なるほど。それで空京放送局に向かっていたところ……」
「ええ。車がこんなことになって」
「申し訳ありません、お嬢!」

 中原 鞆絵(なかはら・ともえ)は一連のやり取りを見て、

(それにしても毎度毎度、よくばれませんね、リカさん……不正の告発とはいえ、何をしてもいいというわけではないのですが……はたして通用するのでしょうか……)

 ダイソウはエメリヤンを見て、ニセカンナ(リカイン)に提案する。

「では、私のコクオウゴウに乗せてやろう。我々も放送局に向かっていたのだ」
「ええー! いつの間に『私のコクオウゴウ』にー!?」
「バーニーセーター号……」

 思いっきり驚く結和に、いまだに幹部名にこだわりたいエメリヤン。

「いや、お待ちください! 山羊にお嬢を任せるより、責任を取って自分が!」

 と、獣人のヴィンセントは、これまた見事な野牛に変身して見せる。

「さあお嬢! 自分の背中に!」
「う〜ん……」

 ヴィンセント以外の全員が、彼とエメリヤンを見比べ、

「……牛じゃちょっと……」
「ええー! う、牛ですいませんー!」

 全員に拒否されて、逆にヴィンセントが謝罪する。

「よし、では行くぞ」

 へこむヴィンセントをよそに、エメリヤンに乗ろうとするダイソウ。

「あ、でも大総統殿―。エメリヤンにそんなにたくさん乗れませんー」

 結和がエメリヤンへの過剰積載を指摘する。

「む。そうか」

 ダイソウは少し考え、


ぽいっ


 まずニセカンナ(リカイン)をエメリヤンに乗せ、


ぽいっ


 鞆絵と狐樹廊をヴィンセントに乗せる。


ぽいっ


 続いて菫と綾香とメーガスを翡翠のタクシーに放り込み、最後に円と結和を……


ぽいっ


 長門に乗せた。

「ええー! エメリヤン取られたー!」
「うおお! ちゅーか、オレは走る前提にされとるけんー! 乗り物扱いじゃけんー!」

 ダイソウの配分に、一部から不満も漏れている。

「男性なのですから、牛にはダイソウさんが乗られてらどうですか……」

 鞆絵もたくましい牛より、毛の柔らかい山羊に乗りたがる。
 さっきから牛扱いされているヴィンセントは、心なしか目が潤む。

「エメリヤンは私のパートナーですよー」
「オレも乗馬、いや、乗山羊してみたいけん!」
「ボク、いくらなんでもこれは……ダイソウトウが牛に乗りなよ」

 ダイソウは円の言葉に目を閉じて思案し、エメリヤンの毛並みを撫でて再び目を開く。

「……こっちがいい!」
「わ、わがままー……」


☆★☆★☆


 一方、由宇の「怒りの歌」でテンションマックスとなった放送局は、大量のくじとUSBデータの中から当たりを獲得する、一大争奪戦が始まっていた。
 取締役のボディガードの、北門、くだりを囲む、透乃、陽子、芽美、郁乃、灌。

「さあっ! まずは諸悪の根源を叩かなきゃね!」

 透乃が拳に炎を纏わせる。

「こいつは多勢に無勢だぜ! だがボーナスがもらえるとあっちゃ、後には引けねえっ!」

 不利な状況に気合いを入れる北門。くだりは早速セコンドに回り、

「けつぱれ、北門! 敵は全員レベルがめちゃめちゃ上だが、気にするな。気合いでカバーだ!」
「すでに結果が見えてる気がするぜ!」
「気のせいだ!」
「了解!」

 くだりは北門に訳のわからない励ましをし、ゴングを鳴らす。

「うおおお! 行くぜっ、ビクトリー……」
「ていっ!」
「ぐはあっ!」

 透乃と陽子と芽美が、容赦なく北門に一撃。北門はあえなくダウンする。
 続けざまに郁乃が、北門を足で踏みつけてフォール。

「ぎゃん!」
「あの、郁乃さん、そんなフォール、ありなんですか……?」

 と灌が指摘するが、

「当り前でしょ。普通のフォールしたら喜んじゃうじゃない」

 くだりが素早くカウントの体制に入り、セコンドとレフェリーの二役を同時にこなす。

「北門立て! ワンッ! 北門―! 北門ツゥ〜北門―! ツゥ〜〜……スゥ〜〜〜〜リ、北門―! ……ツゥ〜〜」
「カウント長いー!」

 と、決着が着きそうで着かない。
一方、カレンはジュレールと共に、巽・ヴァーナーコンビと向かい合う。

「ふっふっふ。悪に与する者は、この仮面ツァンダーソークー1が許さん!」
「許さんです!」

 巽とヴァーナーはカレンたちを指さす。

「ふう、取締役側はもう限界だね」

 と、カレンとジュレールはさっと戦闘服(猫マスクと黒マント)を身につけ、

「待ちなさい。ボクたちは実は取締役の味方じゃない」
「つまりおぬしらの敵ではないのだ」
「何っ、どういうことだ」
「ボクたちは実は、謎の闇の悪の秘密の結社ダークサイズの幹部なのだ!」
「……」
「どの道敵だー!」
「あ、そっかー」

 ヴァーナーは相手がダークサイズと分かると、なおさら気合いが入る。

「ダークサイズの人たち! わるいことしちゃぁ、メ〜なんですっ」

 以前ダイソウを説教した功績があるヴァーナーは、胸を張ってカレンを叱る。
 しかしカレンは、

「じゃあダークサイズらしく、正義の味方には攻撃だ! そーれ、高い高いアタックー」
「わーい」

 と、ヴァーナーを手なずける。
 二人のなれ合いに我慢ならない巽。

「こらー! 貴公ら戦えー! おのれ、謎の闇の悪の秘密の結社ダークサイズ、ニャクしてリャークDSめ!」
「あ、噛んだ」
「噛んだです」
「ちくしょーっ!!」


☆★☆★☆


 窓ガラスが割れた取締役室には強い風が吹き込み、さらに怒りの歌で冷静さを失ったせいで、くじはビルの外に舞い散るわ、USBカードは蹴られたり投げられたりで、どんどんビルの外に飛んでいく。

「や、やばいぞ!」

 取締役は夢中になって部屋を出、ビルの外へ走っていく。

「あっ、取締役が逃げた!」

 向日葵は取締役を見咎める。

「逃げるついでに、本物のくじを追っかけに行ったなーっ」

 向日葵が追おうとするが、ネネは不思議そうな顔をして、

「おかしいですわ。部屋にはたくさんくじが残っているのに……なぜ本物は外に出たと分かったのでしょう?」
「もしかしてお姉さま、取締役は見分け方を知っているのでは?」
「……追いますわよ、モモさん」
「はい、お姉さま」
「あっ、こら!」

 向日葵、ネネ、モモの三人が同時に走り出す。
 走りながらネネは向日葵に、

「秋野さん、状況は大きく変わりましたわ。とりあえず当たり券を見つけ出すまで、一時同盟を参りましょう」
「く……仕方ないわね……でもその前に」
「その前に?」
「もうちょっと離れて走ってくんない?」

 向日葵は、豪勢に揺れるネネの胸を悔しそうに見る。

「おっぱいぷるんぷるんなう!」

 ミヒャエルのつぶやきと共に、アマーリエのカメラはネネをとらえる。
 向日葵たちが角を曲がると、取締役はエレベーターに乗り込んでいる。

「待てーっ!」
「はーっはっはっは! お前たちに私の老後は渡さん!」

 と、惜しいところでエレベーターの扉が閉まる。

「く、こっちのエレベーターを」

 向日葵がもう一つのエレベーターに乗ろうとすると、

「おーっほっほっほ! そうはいきませんわ!」

 と、すでにジュリエットと、いつの間に同盟を組んだのか、茜、エミリーが、すでにエレベーターに乗りこんでいる。

「ダイソウ閣下の側近の座は、わたくしのものよー!」
「ごめんねー、向日葵ちゃん。あたしもひと山当てたいのー」
「大丈夫であります。当たりは貧しい人に配っておくでありますから」

 茜に続いて、エミリーが余計なひと言を言う。茜は驚いた顔で、

「え、うそ! ダメよダメよ、そんなの!」
「そうしたほうが、沢山の人に喜んでもらえるであります」
「そんなの苦労してるかいがないじゃない! あくまであたしたちが大金持ちに……」

 とか言ってる間に、容赦なくエレベーターが閉じる。
 アサノファクトリーが増設してくれたエレベーター二基とも埋まり、もはや階段で行くしかないのだが、そこにさらに、

「あくのそしきダークサイズ! 『エスパー戦士☆みると』が懲らしめてやるぞっ」

 と、ミルトとペルラが立ちふさがり、先手必勝と、サイコキネシスを放つ。
 しかしテンションが上がってコントロールを失い、

たゆん……

 と、ネネの胸を揺さぶるにとどまる。

「おおっ! 敵ながらあっぱれなう!」

 ミヒャエルは実況するが、それを向日葵がにらみ、

「てゆーか、あんたたちも戦いなさいよ!」
「向日葵に怒られたなう」
「おっと待ちな!」

 さらに、いつの間にかここまで上がってきていた、トライブがまた出てくる。

(今度こそ決めるぜ!)

「妹ちゃん。あんたのような美人が戦うことはない。ここは俺に任せて、行くんだ」
「でもエレベーターは埋まっちゃいましたし……」

 とモモ。しかしトライブはフッと笑い、

「あいつらが使っていた、ゴンドラがあるだろう」
「なるほど!」

 向日葵たちは、取締役室に引き返していく。

「ど、どぉしようぅ〜。演奏に夢中になってたら、大変なことになってるよぉ」

 ギターに没頭しているうちに、どうやら自分のせいで混乱を起こしてしまったと慌てる由宇。

「盗聴器も壊れちゃったみたいだし、みんなをおちつかせるには……あ、そ、そうだ」

 と、由宇は急いで階段を下りていく。

「おい! この中に当たり券が紛れ込んでるらしいぜ!」

 トマスは取締役を追う者たちの競争率を下げて、少しでもキャノン姉妹有利にしようと、嘘の情報をばらまく。

「す、すごいっ! たからくじがこんなに!」

 それを聞きつけてクロセルは、たからくじの山に驚喜する。

「よーし、当たり券探すよ〜」

 氷雨はあてどもなくくじを拾っていく。

「あっ、『俺の』当たり券は渡しません!」

 と、クロセルも負けじとくじを拾う。

「てゆーか、どれが当たり券なんだろうね」

 沙幸も拾いながらつぶやくが、いつの間にか合流していたクロスは、

「とにかくキャノン姉妹に献上するため、たくさん確保しておくのがいいでしょうね」
「そうです! たくさん持っていた方が、当たる確率が上がるのです!」

(よし、俺は一階に向かうぜ)

 トマスは彼らの目を盗んで走り去り、クロセル達は、当たり券を探すという目的を見失いそうになりながら、とにかくくじを拾っていく。


☆★☆★☆


ちーん

 いち早く一階にたどり着いた取締役。

「くそ、こんな大騒ぎになって、私の老後は……そうだ、イクラッちゃんに情報隠ぺいを依頼すれば……」

 と、今後の作戦を練りながら、エレベーターを降りる。しかし一歩踏み出したとたん、

ずるっ! ガン!

 取締役は足を滑らせて、床に後頭部をしこたまぶつける。

「ああー、ごめんねー。ペンキ塗りたてなもんだから、滑るよー」

 と、わざとらしく注意する雅。

「ぐおぉ、さ、先に言え!」

 そこにエメが、洗面所から出てきて、雅の落書きを見る。

「ああああっ! せっかく一日がかりで真っ白にしたのに! 誰ですか! 落書きしたのはー!」

 エメは烈火のごとく怒る。それを見た雅は、

「やっべ、逃げろー」

 と、素早く去っていく。
 取締役はどうにか立ち上がり、外へ向かおうとすると、目の前にラルクと明日香が立っている。

「あっ、この人ですぅ〜」
「こいつか。あんたが取締役さんかい?」
「何だお前は……」
「ちったあダークサイズとして働いとかねえとな。さあ、当たり券はどこだ?」

 ラルクは拳を鳴らして取締役を脅す。

(ひ、ひい〜)

 とおびえる取締役をかばうように、ラルク達の前に立ちふさがる泰輔と小次郎。

「一割や! 細かいことは言わへん。報酬は当たりの一割で手を打とうやないかい」
「取引はシンプルな方がいい。贅沢は言いません。向日葵殿とネネ殿とモモ殿のおっぱい! 私はそれだけあればいい!」

 と、二人はラルクをけん制しながら、取締役に交渉。

「な、何でもいい! 任せる!」

 取締役はその難関もすり抜けて、放送局のドアへダッシュする。

「捕まえ、たーーっ!」

 もう少しで外、というところで、階段を猛ダッシュで下りてきた陽太と永谷が、ついに取締役を取り押さえる。

「さあ、観念してもらおうか。あなたは当たり券と本物のデータの見分け方を知っている。探してもらって結構。しかしそれは、あなたが不正を自供するのも同じだ」

 と、永谷が取締役に警告する。

「まったく、すごい騒ぎね。訳のわからない似顔絵も描かれてるし」

 と、陽太は後ろから聞こえる声に振りかえり、凍りつく。

「か、か……」
「どうした、陽太さん?」

 永谷が、取締役を押さえながら陽太を見る。
 陽太は声の主を指さし、

「か、かか、かかかかっか、かかかかっか、会長お〜!」
「よ、陽太さん、落ち着いて!」

 立っているのはニセカンナ(リカイン)。もちろんダイソウたちもいる。

「あっ、ダイソウトウ!」
「あら、ダイソウちゃん」
「生きてたんですか、トウさん」

 向日葵たちもゴンドラ経由で追いつく。
 気づくと、局内のスピーカーから落ち着いたギターの演奏が聞こえてくる。

「とりあえず話を聞こう」

 と、何故かダイソウがみんなをまとめる。