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【相方たずねて三千里】旅の果て(第3歩/全3歩)

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【相方たずねて三千里】旅の果て(第3歩/全3歩)

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7.空京の自宅にて

 ドキドキしながら屋敷の扉を開けると、侍女の一人が出迎えた。
「まあ、おかえりなさいませ、お嬢様!」
 その声をきっかけにわらわらと顔を出してくる侍女たち。
「た、ただいまです」
 と、トレルは返し、後ろを向いて扉を開けた。外に控えさせていたマヤーを手招きして、屋敷の中へと入れさせる。
 初めて見る猫型の機晶姫に、侍女たちが驚きの目を向けた。
「園井は?」
 尋ねたトレルへ、一人の侍女が言う。
「居間で旦那様のお相手をしてらっしゃいますわ」
「え?」
 今度はトレルが驚く番だった。
「父さん、来てるの?」
「ええ、昨日到着されたばかりです。お嬢様の帰りを、心待ちにしていらっしゃいますよ」
「……そっか。ありがとう」
 きっと、父親は自分を地球へ連れ戻す気でいるのだろう。パートナーが見つからなかったと勝手に思い込んで、地球で年を越させる気だ。
 トレルはマヤーを連れて居間へと向かった。

 姿を現すなり、トレルは話をしている二人へ声をかける。
「ただいま」
 振り向いた父親と園井が、トレルの隣に立つ猫型機晶姫を見て目を丸くする。
「お帰りなさいませ、お嬢様」
「遅かったな、獲(とれる)! 心配したんだぞ」
 と、椅子を立つ父親。
 トレルは二人の元へ向かうと、はっきり告げた。
「私のパートナーの、マヤー・マヤーです。獣人みたいだけど、猫型の機晶姫です」
「ですにゃん」
 と、トレルに促されて頭を下げるマヤー。
 複雑な気持ちになる父親を差し置いて、園井が嬉しそうに口を開く。
「パートナー契約が結べたのですね。おめでとうございます、お嬢様」
「うん」
 頭を上げたマヤーは、父親の視線にちょっとだけびくついた。
 父親は息を一つついて、言う。
「そうか……本当に契約が出来たんだな」
「うん」
 父親は静かに椅子へ座ると、マヤーへ言った。
「マヤーさん、うちの娘をよろしく頼むよ」
 ぱっと顔を輝かせるマヤー。
「……はいにゃん!」
 安心した様子でマヤーはトレルへ抱きつく。トレルがすぐに「ちょっと、重いんだからやめてって」と、嫌がれば、マヤーは嬉しそうに頬を寄せる。
 そんな二人を微笑ましく眺めながら、父親は言った。
「空京大学のことだが、試験はちゃんと受けてもらうからな」
「うん、分かってるよ」
「時間は残り少ないが、しっかり勉強するんだぞ」
 と、微笑む。
 トレルはマヤーに抱きつかれたまま、にこっと笑みを返した。
「うん」

担当マスターより

▼担当マスター

瀬海緒つなぐ

▼マスターコメント

みなさん、お疲れ様でした。
どうやら、相方をたずねて三千里歩いていたのは猫娘の方だったようです。
これにてトレルのパートナー探しは終わりになりますが、これからはマヤーとの共同生活が待っています。
空京大学にも入らなきゃいけませんしね。

猫娘の名前を考えて下さった皆様、ありがとうございました。
全てをリアクション内に登場させることが出来ず、申し訳ありません。本当にありがとうございました。

悪漢について、なんとなくレベル40くらいかなと考えておりましたが、結局はアクション重視で書かせていただきました。
人数が多かった、というのもレベルを無視した理由の一つではありますが。
勇気ある協力者のみなさん、本当にありがとうございました。

本年はどうもお世話になりました。こうしてGMを続けられるのも皆様のおかげです。
というわけで、これからも瀬海緒つなぐおよび、トレルとマヤーをよろしくお願いいたします。
それでは、良いお年を。