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友達が欲しいメデューサ

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友達が欲しいメデューサ

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 遺跡の安全を確保するためパッフェル達より先に遺跡へと向かったメンバー達。
「さぁ、皆様! 頑張っていきましょう!」
 やる気満々の天寺 御守(あまでら・みもり)を先頭に遺跡内を探索する。
「あの方が先頭で大丈夫でしょうか……?」
 意気揚々と進んでいく御守を見て心配そうに呟く和泉 絵梨奈(いずみ・えりな)
「まぁ、大丈夫だろう。別に一人って訳ではないし」
「うんうん」
 如月 正悟(きさらぎ・しょうご)の言葉に『ブラックコート』で姿を消していたシオン・エヴァンジェリウス(しおん・えう゛ぁんじぇりうす)が姿を現した。
「それに何かあった時はツカサが頑張ってくれるわ♪」
「私が!?」
 姿は見えないけれど月詠 司(つくよみ・つかさ)がびっくりした声を上げる。
「あなたは姿を現さないのですか?」
「え゛っ……! 断固拒否します!」
「そこまで出れない理由があるのかな?」
「フフフ……」
 首を傾げる七瀬 歩(ななせ・あゆむ)にシオンが黒い笑みを浮かべる。
「いや……その、ちょっと」
「ツカサはねぇ、何かあったときの対策のために女装してるのよ♪」
「シオン君!?」
「ぁー……ごめんなさい」
 歩はそれを聞いて頭を下げた。
「まぁまぁ、それよりも遺跡の調査が先なんじゃないかな?」
「そうだね。姿を現せないとしてもしっかりと手伝ってはくれるんだね?」
「もちろんですよ」
 エース・ラグランツ(えーす・らぐらんつ)メシエ・ヒューヴェリアル(めしえ・ひゅーう゛ぇりある)が言いづらそうにしている司に助け舟をだす。
「そうですわ。でないと先を越されてしまいますわ!」
 ずんずん進んでいく御守。
「……御守さんは何を言っているんだ?」
「あの方だけ何か別の目的で来ている感じがしますね……」
「まぁ、やる気があることだけは良いと思うね」
「大丈夫……かな?」
「フフフ……。大丈夫よ♪」
 正悟達の疑問に再び黒い笑みを浮かべるシオン。
「それよりもこんなところで油を売ってないで先へ行きましょう」
 葛葉 明(くずのは・めい)が促し再び歩き出したメンバー。

「結構奥まで来たが……あってもこんなものか」
 弥涼 総司(いすず・そうじ)が身近にあった小さい剣を拾う。
「先に来たはずの美緒ちゃん達は何処にいるのかしら……」
「子供用の服等がたくさんあるだけで他には何もありませんね……」
 しばらく進んだものの、子供達の肖像画が飾られていたり、高価な子供服や子供用の武具があるだけ他には何もなかった。
「シオン様……何処にも同人誌なんて……」 
「同人誌? 一体なにを……?」
「……まさか」
 明の言葉に何か気づいた御守。
「シオン様! また騙しましたのっ!? 伝説の同人誌がある遺跡という事で参りましたのに……!」
 どうやら御守はシオンに騙されてこの遺跡へとついてきたようだった。
「いやぁ、あ、ほら、向こう側にいる人がいたわ。あの人が持っているわ。友達になれば読ませてもらえるわよ」
 再度姿を消していたシオンが現れ、向こう側の道を指差す。
「まぁまぁ、そうでしたの。では早速……♪」
 それに騙された御守は一人そちらへと行ってしまう。
「あ、おい! 一人で行ったら危ないぞ!」
「そうですよ! まだちゃんと安全か分からないのに……!」
 総司と絵梨奈の静止も聞かず行ってしまう。
「あ、あたしが行ってきます!」
 歩が御守を追いかけて行った。
「追いかけるか?」
「素敵なお嬢さん達だけでは心配だ。行こう!」
「私としてはどうでも良いが、エースに何かあると私が困るからね。私も行こう」
「こ、こっちに何かいそうですー!」
 っと、エース達が御守達を追いかけようとしたとき、御守を追いかけていた歩の声が聞こえてきた。
「皆さん! 行きましょう!」
 全員で急いで歩の声の方へと向かう。