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友達が欲しいメデューサ

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友達が欲しいメデューサ

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 先行メンバーが美緒を救出した頃、パッフェル達は遺跡の前へと到着した。
「……ここ、ね」
「美緒さん達大丈夫かなぁ……」
 ユーリ・ユリン(ゆーり・ゆりん)の心配そうな声に冬山 小夜子(ふゆやま・さよこ)が頷く。
「そうですね、ちょっと時間がかかってしまいましたし……、モンスター達もいるようですし。それをどうにかしないといけませんわね……」
「……その、モンスターの……こと、なんだけど」
「どうしましたか?」
「多分……だけれど、そのモンスターに、悪意や敵意は、ないと、思うの」
「どうしてそう思うの?」
 パッフェルの言葉に首を傾げるユーリ。
「もし、敵意が、あったりしたら……美緒は、もう無事じゃないと思う、から……」
「そういえばパートナーさんの方にはまだ何も起きてなかったんだっけ?」
「そう、だから、美緒はまだ無事、だろうから。なるべく、攻撃とか、しないで欲しい、の」
「なるほど……そういうことでしたら攻撃はいたしませんわ。でも、襲ってくる方がいれば実力行使させていただきます」
「……分かった、ユーリも、お願い、ね」
「もちろん! 友好的なモンスターならぜひ友達になりたいしね♪」
 ユーリの言葉に微笑むパッフェル。
「……そう、ね。それも、良いかも……しれないわ」
「それよりも、まずはそのモンスターを探さなくてはなりませんね」
「あ、そうだね。それに話的には特殊な能力を持ってるんだよね?」
「……それも、どうにか、しないと……いけない、わね」
「そうですね。とりあえずここにいても始まりません。そろそろ行きませんか?」
 小夜子の言葉に頷く。
「そうだねー。でも、どうするパッフェルさん。美緒さん達とモンスター探すなら手分けして探した方が早いんじゃないかなぁ?」
「そうですわね。人数的にもその方が良いかもしれません」
「……手分けして、いきましょう。なるべく、攻撃は、避けて欲しい、けど、悪意のある、モンスターも、いるかも、知れないから……」
「油断しないで行こう! ってことだね!」
「そうですね。気をつけていきましょう」
「……じゃあ、みんな、行きましょう……」
 パッフェル達は遺跡へと入り手分けして美緒達とモンスター達を探しに向かった。

「だれかいないですかー、おはなしたいですよー」
 声をかけながら歩くヴァーナー・ヴォネガット(う゛ぁーなー・う゛ぉねがっと)。その後ろを橘 舞(たちばな・まい)ブリジット・パウエル(ぶりじっと・ぱうえる)達が続く。
「話し合いが出来れば良いのですが……」
「それは構わないけど無茶はしないでよ?」
「分かってますよ」
「だが、舞殿。モンスターなど敵意のあるものばかりであろう? 話し合いなど出来るのであろうかの?」
 草薙 武尊(くさなぎ・たける)が舞達の話に入ってくる。
「そうだよね。友好なモンスターなんて聞いたことないし……」
 武尊の言葉に賛同する芦原 郁乃(あはら・いくの)
「でも、穏便に済ませられることに越した事はありませんよ」
「そうですわね」
 蒼天の書 マビノギオン(そうてんのしょ・まびのぎおん)の言葉に頷く中願寺 綾瀬(ちゅうがんじ・あやせ)
「しかし、噂によれば貴族が愛し育てたモンスターが徘徊していると言いますが、その様に育てられたモンスターが、果たして人間を襲うのでしょうか?」
「確かに……。その噂が真実なら話し合いは出来そうかの」
「そうですよね! 希望がでてきました!」
「でも、それだけなら美緒達が帰ってこなくなるってことはないわよね」
「ぅ……ですね。でも諦めません!」
 ブリジットの言葉にしょんぼりする舞だったがすぐさま復活。
「だれかー……お? 見つけましたー」
 先を歩いていたヴァーナーが何かを見つけ、みんなに声をかけた。
「モンスターであるか!?」
「いえ、石化した人が……」
 ヴァーナーが指差した方向には石化した武尊とミルディア、イシュタンの姿があった。
「完全に石になっちゃってますね……」
「しかし、この状態だけを見ると……」
 武尊の格好に振り上げられている血煙爪。目の前で固まっているミルディア。まさに武尊がミルディアを襲っているような図にしか見えなかった。
「どうすればこの状態で石にさせられるのでしょうか……?」
 マビノギオンの言葉に全員で考えるが、誰一人として分かるものはいなかった。
「とりあえずどうにかして差し上げれなければいけませんね」
「じゃあ、治しちゃいますねー」
 綾瀬が言うと待ってましたとヴァーナーが『石化解除薬』を取り出し三人に使う。
「……お、治った。君達が治してくれたのか。サンキューな」
「とりあえずその血煙爪をしまってくれると助かるのだがの」
「おぉ、すまない」
「うぅ……」
 解除されたミルディアはその場に座りこんでしまった。そして、目には涙。
「ふぇぇぇぇ……! たすかったぁぁぁ! ありがとぉー! 指一本動かせないし、怖い考えがぐるぐるしてすごかったんだよぉ!」
 そのまま泣き出してしまった。
「ぅー、可愛いですー!」
 そしてそんなミルディアをハグするヴァーナー。
「ふぅ。助けてくれてありがと。何もできないのって結構辛いね」
「詳しい話を聞いても良いかしら?」
「そうね」
 郁乃の言葉にイシュタンは起こった事を話始めた。