リアクション
ロケットおっぱい鉄道神輿 「ここにおけばよろしいですか?」 重攻機 リュウライザー(じゅうこうき・りゅうらいざー)くんが、武神 牙竜(たけがみ・がりゅう)くんに言われて持ってきた御神体を、ドスンと広場におきました。みごとなちっぱい女神様の御神体です。それはそれはすばらしい鏡のように静かな水面のごときちっぱいでした。 「俺たちも、パーツを持ってきましたよ」 大剣トライアンフを担いできた樹月 刀真(きづき・とうま)くんが、地面に剣を突き立ててました。その後ろからは、漆髪 月夜(うるしがみ・つくよ)さんが何やら箱の載った台車を押してきています。 「みんな、ありがとうございます。パーツも無事集まったみたいですね……。あれ、その箱は……?」 今回の『ロケットおっぱい鉄道神輿』の代表である御神楽 陽太(みかぐら・ようた)くんが、みんなをねぎらいました。神輿の名前からして、究極合体寄せ集め御神輿です。 ところで、漆髪月夜さんの部品はいったい何なのでしょうか。 「この中には、男のロマン……詰まってる」 「なんと、男のロマンですか。でしたら、OKです。そうですよね、マスター」 男のロマンと聞いて、重攻機リュウライザーくんがちょっと興奮気味に言いました。まだ、このときはその中身がなんであるか知らなかったのです。ああ、知らないということは、なんて幸せなことなのでしょう。 「これで、設計図通りに強い喧嘩神輿が作れますか?」 最近、家族の影響からか、細かい経費などを計算してコストパフォーマンスなんかをだしながら、御神楽陽太くんが如月 正悟(きさらぎ・しょうご)くんに訊ねました。今回、御神輿の設計と組み立て指導は如月正悟くんのお仕事です。 「いいや、これじゃだめだね」 バンバンと、御神体の女神像のちっぱいを叩きながら如月正悟くんが言いました。セクハラです。 「正悟、神聖なるちっぱいに対して何をする!」 許せんとばかりに、武神牙竜くんが、如月正悟くんを止めようとしました。 「ちょっと待ってくれ。俺たちの神輿のテーマはなんだよ?」 「それはもちろん、ちっぱいな御神体だ」 如月正悟くんに聞かれて、武神牙竜くんがきっぱりと答えました。漆髪月夜さんが、陰でうんうんとうなずきます。 「ロケットおっぱいだよ! よって、この胸は却下だね」 きっぱりと言いつつ、如月正悟くんが持っていた剣ですぱーっとちっぱいを切り落とす……には無茶苦茶無理がありましたので、ぶすっと突き刺してぐりぐりと穴を開けます。セクハラです。 「ああっ! 貴重なちっぱいが……!」 武神牙竜くんが叫びましたが、すでに手遅れでした。 「ここには、こうですよ!」 如月正悟くんが、ぽっかりと空いた穴にツインロケットをセットします。文字通りのみごとなロケットおっぱいが完成しました。 「だ、台無しだ……」 がっくりと、武神牙竜くんが地面に両手をつきました。これでは、某ちっぱいな人に申し訳がたちません。最悪……ああ、考えたくもないことです。 「勝つためです。我慢してください」 ポンと武神牙竜くんの肩を叩いて、御神楽陽太くんがビジネスライクに言いました。 「勝つため……だな。ようし、勝利のために、あえてこの屈辱を耐えよう。頼んだぞ、ライザー!」 「任せてください、マスター……って、なんで私を台車の上に……」 なぜか、重攻機リュウライザーくんが、漆髪月夜さんの台車の上に載せられてしまいました。足許には、しっかりと男のロマンもあります。 「ライザーには、FCS(FIRE CONTROL SYSTEM)として働いてもらう」 「そ、それは……、私にしか出来ませんね」 マスターである武神牙竜くんの言葉に、重攻機リュウライザーくんがあっけなく納得しました。そのまま、パカッと後ろが開いた御神体の中にピッタリとセットされてしまいました。ちょうど、ツインロケットを両手で胸の前にかかえる形になります。御神体が結構大きいので高さが若干足りませんが、ちょうど漆髪月夜さんの男のロマンがあったので踏み台として利用しました。 「よし、密閉してディティールの修正だね」 如月正悟くんが、後ろ半分をくっつけて、重攻機リュウライザーくんを完全に御神体の中に隠しました。その上からシリコンを吹きつけて、表面をなめらかにします。最後に女神ふうのドレスやらマントやらの衣装を着せてできあがりです。遠目には、結構リアルな人の姿に見えるでしょう。 「さあ、これを台座の上に固定だ」 如月正悟くんの指示で、巨大な女神像が担ぎ棒のついた台の上に載せられて固定されました。隠しギミックとして、台にはトライアンフをセットしてあります。接近戦のときは、この大剣がせり上がって、神輿の中央、ちょうど女神像の股間あたりに衝角としてそそり立つという仕掛けです。セクハラですね。 御神体が固定されたので、正面からは御神体がのぞけるようにして御神輿の胴の部分をしつらえます。後は、屋根を載せれば終わりです。 かくして、ロケットおっぱい神輿は完成したのでした。めでたし、めでたし。 担ぎ手は、武神牙竜くん、樹月刀真くん、御神楽陽太くん、如月正悟くんです。漆髪月夜さんは応援役として、後ろの方でスタンバっています。 「ようし、スタート地点に移動しますよ。おっぱい! おっぱい!」 担ぎ棒を肩に載せて、如月正悟くんが叫びました。 「ちょっと待てえ! そのかけ声はなんとかならないのか」 さすがに恥ずかしいと、樹月刀真くんが非難の声をあげました。 「この御神輿にして、このかけ声です。これしかありません」 「仕方ないですね。もうスタート時間です、これでいきましょう」 力説する如月正悟くん(19歳)に、御神楽陽太くんが同意しました。 |
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