リアクション
◇ ◇ ◇ あちこちで騒動がある中、ノノンを連れて逃げていた郁乃たちは館に隠密潜入していた、レティシア・ブルーウォーター(れてぃしあ・ぶるーうぉーたー)とミスティ・シューティス(みすてぃ・しゅーてぃす)と出会う。 「ねぇ!」 「誰!?」 「敵か!?」 「ま、待ってくださいですぅ」 「私たちは味方です」 「味方? ではお二方に聞きます。桃花たちの中には人質の弟はいますか?」 桃花は郁乃に危害が出ないよう味方かどうか判断する為にそう聞く。 「あれ、人質は妹ではなかったですかぁ?」 「そうです。弟さんはお兄さんと一緒に酒場に居ましたし、人質はノノンさんという妹さんのハズです」 レティシアとミスティが顔を見合わせていると、質問してきた桃花はほっとしたような表情を浮かべる。 「どうやら本当に味方のようですね。すみません…敵か判断する為にわざとこう聞きました」 「あ、そうでしたか」 「良かったぁ。あちき、聞き間違えたかと不安になっちゃたですぅ」 ティシアはノノンを見ると自分と体型がそう変わらない事に気が付く。 「ねぇ、あちきと服を交換してほしいんだけど良いかなぁ?」 「え、服を? どうしてですか」 「あちきがノノンさんの身代りになる為だよぉ」 レティシアの身代り作戦を受け、誰も居ない部屋で服の交換をしたノノンとレティシア。 「ごめんね。周りに敵は出なかったぁ?」 「あぁ。だいじょう…ぶじゃねぇな」 アンタルがいち早く敵の気配に気が付き構える。 「ようやく見つけタヨ」 「大人しク、部屋に戻ってクレヨ」 ヤンの部下たちが大勢で郁乃たちを囲む。 「……部屋なんて焼け尽きて閉じ込められる状況じゃないじゃ」 「まぁまぁ、郁乃様」 「捕まらなければ良いだけですよ。……ノノンは下がっててくださいです」 「あ、はい」 「…今はレティシア、よ。ノノンさんは私が守ります!」 思わずノノンがそう言ってしまうが、ミスティがうまくごまかしてレティシアをノンンとして守りに入る。 ミスティの神の目で撹乱させ、灌の抜刀術とソニックブレードで部下を倒したり、桃花のライトニングランスや拳で沈めていくアンタルによって大勢いた部下が倒されていく。 しかし、数が多い。 「後から後から湧いてくるねぇ。ノノン、あちきから離れちゃだめだよぉ?」 「はい」 ノノンがレティシアを庇っているような風を装って小さくノノンに言う。 そこへヤンの部下が連れてきた猛獣がノノンに襲いかかってくる。 とっさにレティシアがノノンを抱きしめて庇う。 |
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