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リアクション
「ふぅ……さて、衛様へ合図を出さないとね」
ヤンの部下の屍の山を通り越してルドウィクは、ファイアストームで派手にノノンがいた部屋を燃やしつくす。
「え、な、何で部屋なんて燃やすのよ?」
「これが合図なんですわ。……傭兵としてここにいる衛様の為に」
「そうなんだ…ずいぶん派手な合図だね」
「合図は伝わらないと意味がないですから。さ、早く逃げなさい。また敵が来ては逃げ難くなりますわ」
内側の鍵を開け、ドアを開けたルドウィクにレギオン・ヴァルザード(れぎおん・う゛ぁるざーど)が仕掛けていたトラップ、機晶爆弾が落ちてくる。
それを避けるルドウィク。
「……契約者は撃退させる」
光条兵器の銃を持ったレギオンが姿を現す。
「ここはわたくしに任せて早く行きなさい」
「でも!」
「ここで全員が戦ってしまっては、誰が妹様をお兄様方へ届けるのですか?」
「……行くぞ!」
「アンタルお兄ちゃん!?」
ルドウィクの言葉を受けアンタルは灌の背を押す。
「早く行きなさい!」
ノノンを連れて出ていくことを決心した郁乃たち。
そこへノノンにお菓子を持ってくる為に席を外していた桐咲 ジャック(きりさき・じゃっく)が戻ってくる。
「ただいま、レディ。早速お茶にしようか!」
「遅かったようね」
前方をジャック、後方をレギオンに挟まれたルドウィクと郁乃たち。
「どうにかしてノノンを連れてこの場を脱出しないと」
「ですが、こう挟まれてしまっては……」
ノノンをいかにこの場から安全に逃がそうか思案していると、ジャックの背後からアルティマ・トゥーレが飛んでくる。
「うぉっと!? あっぶねーなー」
殺気看破で感じ取ったジャックはアルティマ・トゥーレを回避する。
ジャックが避けた事で攻撃してきた者が室内からでも見えるようになる。
「ノノンさんはいますか?」
「はい。あたしです」
長原 淳二(ながはら・じゅんじ)がノノンがいるか聞いてきたので手をあげるノノン。
「どうやら無事のようでしたね。良かったです」
取り合えず生きている事に安心するミーナ・ナナティア(みーな・ななてぃあ)。
「あなたたちもこの子の救助に?」
「はい。ひとつ確認しますが、今しがた淳二が攻撃した方と前方のあの方は貴女方の仲間ですか?」
「違うわ。多分ヤンに雇われた傭兵ね」
「そうですか」
「ならばノノンさんを連れて早く言って下さい。この場は俺たちが引き留めます」
「レディ、俺様とお茶でも…と言いたいところだが、こればっかは行かせる訳にはいかないんだよねー」
ノノンを連れて出ていこうとした郁乃へジャックが攻撃を仕掛ける。
それを受け止めるミーナの手には光条兵器のバルディッシュがあった。
「早く行って下さい」
レギオンの方はルドウィクが食い止めている。
「ありがと! 行くよ、みんな」
郁乃たちは部屋を出ていく。
「あちゃ〜逃げられちゃった。でも、ここにいるレディたちと青年を倒してから捕まえればいいか! 行くぜ、レギオン」
「……あぁ」
レギオンは銃を、ジャックは機関銃をこの場に残ったルドウィク、淳二、ミーナに向ける。
同じようにそれぞれの持ち前の武器を持って構える三人。