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〜 episode7 〜 いきなり結末


 こうして、大盛況のうちに、初めてネアルコで行われた『ガッツ de ダッシュ!』のダービーは幕を閉じた。
 盛り上げておいてはしごを外すようで悪いが、決勝のレースシーンはない。もう今更、言葉を交わす必要もないくらいアツく語り合ったからだ、と言っておこう。
 ネアルコの鳥レースには、本格的なカメラも映像機器もなかったため、熱戦の結末は微差で写真判定では判断がつかず、一着が三人になってしまっていた。
 四着以下の人たちも、ギリギリまで迫ったのだが届かなかった。全員が惜しみなくスキルを使い、それぞれのガッツ鳥の能力を限界まで引き出した名勝負だった。ほとんど優劣がつけられないほどの差で、ダービーは決着した。
 ブラックウィドゥはダービーでは敗れたが、それ以降の平地戦ではやはりめっぽう強く、今なお勝ちまくり最強の名をほしいままにしている。案外、大レースに弱いタイプなのかもしれない。

 小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)セレンフィリティ・シャーレット(せれんふぃりてぃ・しゃーれっと)ルカルカ・ルー(るかるか・るー)の三人が表彰台に上がり、プレゼンターの御神楽 舞花(みかぐら・まいか)より賞状とトロフィー、記念品が手渡される。
「おめでとう」
 と舞花。彼女は、最初から最後まで観戦し、騎手一人一人に声をかけていた。
「賞金は町の復興に役立てて」
 ルカルカは言う。
 観客席には、最後まで観客がびっしりだった。そんな彼らから惜しみない拍手が送られる。
 熱狂覚めやらぬまま、このネアルコの町史上最大のお祭りは幕を閉じた。

 フェデリコ・テシオ町長と町の住人たち、そしてたくさんのガッツ鳥たちに見送られて、来訪者たちは町を後にした。
「いつでも遊びにおいで。私たちも鳥たちも待っているから」
 とのこと。
 八百長疑惑は、彼らの手によって完全に解決され、二度と起こらぬよう防犯策がいくつもとられることとなった。
 寺院のテロリストたちは全員捕まり、拠点の金庫に蓄えてあった悪事で作った資金も全て没収された。首謀者だったこの町の金持ちフルベットや、手を貸した関係者たちは財産を失い、町から追放されてふらふらとよろめきながらいずこかへ去っていった。その後の彼らの行方を知るものはいない……。
 ネアルコの町は、またもとののどかな雰囲気に戻り、住人たちは名物の鳥レースを楽しみながらのんびりと暮らしている。
『ガッツ de ダッシュ!』は今なお健在だ。あれからも、たくさんの鳥たちが元気に競い合っている。が……、残念なことに(?)、今回決勝まで進んだ鳥たちははやり圧倒的な能力らしく、レースでは完全に強弱が分かれてしまったとのこと。来訪者たちによって見いだされ熱心に訓練された鳥たち。調教技術と心の込め方の差もあるだろう。これも、試行錯誤しながら底上げし格差を縮めていくそうだ。
 カゲノ鉄道からの提供された資金は、町の振興やガッツ鳥の育成に使わることになった。
 その集大成が、年に一度行われることになったダービーだ。
 これから毎年行われるそうなので、もしよければ来年もネアルコの町を訪れてみてはどうだろうか。今度は八百長騒ぎなしに、純粋に楽しめるに違いない……。
 ガッツ鳥は、君たちの顔を忘れはしまい……。

担当マスターより

▼担当マスター

車 修理

▼マスターコメント

はじめましての方もお久しぶりの方もこんにちは、車 修理です。いつもお世話になっております。

今回は……本当は競馬で『空京ダービー!』をやりたかったのに鳥レースに逃げたチキンな一本でしたがいかがだったでしょうか。
ダービーに間に合いませんでした。ダービーの予想外しました。まさかブリが……いやなんでもないです。ちょっぴり涙目で人生反省しております。
こんな趣味丸出しのイロモノにもかかわらず、大勢の方に参加していただき驚きと共に感謝しております。
いつもどおり熱心で気合の入ったアクションをたくさんいただきとても楽しかったです。
レース出場された方、描写が薄くてすいませんでした。話のメインのはずだったのに……。
こういうお話が好きなので、力を入れすぎてどうしても凝ってしまいキリがなくなるのであっさりと流した次第です。アクションが悪かったわけではありません。といいますか、力入れすぎて力尽きたのです……嗚呼。
ダービージョッキーが三人いたりしますがアクションで甲乙つけがたかったので……。
う〜ん、まだまだですね……さらに腕を磨き皆様のご期待に応えられるように日々精進していきたいと思います。

いずれにしろ楽しんでいただければ幸いです。
またどこかでお会いできることを楽しみにお待ちしております。

では皆様ごきげんよう……。