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ゾンビングモール

リアクション

「きゃああああああっ!」
 専門店が並ぶ広い通路では、逃げ惑う一般人がたくさんいた。
「あっ、すみません。でっかいゾンビみませんでしたか〜?」
「うわああっ……って、人間か。えっ、でっかいゾンビ? 力士のゾンビなら見たよ?」
「う〜ん。ありがとですっ」
 広瀬 ファイリア(ひろせ・ふぁいりあ)は元気よく腕を振って、逃げ惑っていた男の人を見送った。
「だめだった?」
 通路の端からロザリアーネ・アイヴァンホー(ろざりあーね・あいばんほー)が、腕を組みながら出てきた。
 その問いかけに、ファイリアは首を縦に振った。
「はやく見つけないと、あたしの理想の未来が……」
 ファイリアは、ロザリアーネにキングゾンビを放っておくと未来が大変なことになると聞いていた。
「あっ……ぞっ、ゾンビさん。キングゾンビさんの居場所は――」
 とっさに後ろに立っていたゾンビにファイリアは聞いた。

 ロザリアーネもそちらを見ると、そこに居たのはゾンビになった地球人。そしてメディゾンビが5体居た。
「わからない。ごめんねー」
 ゾンビである九条 ジェライザ・ローズ(くじょう・じぇらいざろーず)はにこやかに答えた。
「でもっ」
 そして、突然後ろを振り向くと、腰に下がっている二挺拳銃を構え、メディーゾンビを撃っていく。
「わわっ、居たんです!? ファイ、まったく気がつきませんでしたっ」
「とか、言ってる場合じゃないわ!」
 ロザリアーネが【フューチャー・アーティファクト】を使いメディゾンビに追い打ちを掛ける。
 何とか、3体は消滅していった。だが、まだその後ろには多くのローゾンビが待ち構えていた。
「あらら、かこまれた?」
 その反対側、上空にはファイリア達を囲むように別のメディゾンビ達が匂いをかぎつけて集まってきていた。
 九条はそれを確認すると、腰に下げていたアサルトライフルを構えると、メディゾンビ達を狙い撃ちした。
「ファイもお手伝いするですっ!」
 ファイリアは、九条に合わせて【我は射す光の閃刃】を放っていった。
「生き残るためのルールがあるの、聞いてくれる?」
 九条はゾンビ達へ銃弾を放ちつつ、ファイリアに「1、行動の前には準備運動をする 2、弾をけちるな 3、ゾンビをみたらまず逃げる 4,英雄になろうとはしないこと 5、何でも楽しむこと」と、生存するためのルールを伝えた。

「さっ、逃げて! 後は、私がたのしませてもら……倒すから」
「わかりましたっ! ファイ、生存のルールをみんなに絶対伝えますっ!」
 ファイはロザリアーネと共に、その場を走り去った。
「ゾンビ怖かったけど、あの人みたいなゾンビばかりだったら大丈夫そうですっ!」
「……たぶん、まれだとおもうわよ」
 この後、調子をもったファイリアはゾンビに自分から話しかけてみるが、何度も襲われ、ロザリアーネに助けられることになった。