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リアクション
「うおおおおおッ!!」
と、リカイン・フェルマータ(りかいん・ふぇるまーた)の咆哮が轟く。
刹那が目を見開いて前を向くと、彼女の姿がすぐそこまで迫っていた。
「カッ!」
それを見た刹那は口を大きく開き、体内で飼っている多数の毒蜂たちを飛び出させた。
だが、熱狂の中にあるリカインは、毒蜂の攻撃を受けても止まることはない。
彼女は咆哮により力を発揮したレゾナント・アームズの力を得て、イコンをも吹き飛ばすほどの強烈な一撃を刹那へとお見舞いする。
リカインの豪腕に殴り飛ばされた刹那は、勢いよく聖堂の壁にぶち当たり、粉塵と共に瓦礫に埋もれた。
「みなさん、警戒してください! まだ敵がいます!」
と、エンヘドゥの周囲を守る葛城吹雪が、何者かの殺気に気づいてそういった。
「僕も感じる。けど、姿が見えない!?」
リアトリス・ブルーウォーターは超感覚で生やした大きな白いしっぽをぴんと立てながら、敵の殺気を感じてそうつぶやく。
と、クスクスと笑う声がリアトリスの犬耳に聞こえてきた。
(ハツネはお姉ちゃんと遊びたいの♪)
刹那たちがエンヘドゥたちを守る契約者たちと戦っている間に、光学迷彩でその姿を隠して忍び寄った斎藤ハツネ。
彼女はダガータランチュラを懐から取り出し、歌い手たちを狙う。
「見え見えよ、そこ!」
だが、ホークアイで周囲を探っていたリネン・エルフトが、ハツネの光学迷彩を見破ってタービュランスを放った。
突然発生した乱気流にハツネは上空へと吹き飛ばされる。
だが、空中で回転して態勢を整えたハツネは何事もなく着地すると、再び床を蹴ってエンヘドゥたちの元へ走り出す。
しかし、そんなハツネの前に契約者たちが立ち塞がった。
「カナンの友との盟約にかけて、エンヘドゥはやらせない!」
リネンはカナンの剣の切っ先をハツネに向けてそういった。
「邪魔だからどいて欲しいの」
「力尽くでやってごらんなさい」
そんなリネンの言葉を合図にしたように、契約者たちは武器を一斉に構える。
それを見たハツネは、クスクスと笑い出した。
そしてそんなハツネを中心に地鳴りが起こり始める。
「邪魔の人たちはみんな壊してあげるの♪」
――クスクス。クスクスクスクス……。
不気味な笑い声が聖堂内に響き渡り、ハツネの強力な念力があたり一面に荒れ狂う。
そしてハツネ自身も制御出来ないサイコキネシスのカタクリズムは、立ち塞がっていた契約者たちを吹き飛ばした。
「リネン!」
と、吹き飛んだリネンを受け止めるふたつの影。
それは敵を片付けてこのフロアに辿りついていたヘイリー・ウェイク(へいりー・うぇいく)とフェイミィ・オルトリンデ(ふぇいみぃ・おるとりんで)だった。
「待たせたわね、騎兵隊の到着よ」
ヘイリーはそういって、リネンにウィンクをして見せる。
「ふたりとも、遅いわよ」
「――なあ、あれが千年王なのか?」
フェイミィはそういって、奈落の鉄鎖の呪縛から逃れて雄叫びを上げた千年王へと視線を向けた。
リネンはそんなフェイミィの言葉にうなずいて答えた。
「英雄があんな姿で……なんとかならねぇのかよ!?」
「なんとかしようとしてるわよ。みんな必死にね」
「――邪魔なの♪」
と、ハツネの行動を妨害していた飛装兵やオルトリンデ少女遊撃隊が、カタクリズムで吹き飛ばされた。
「あっ、空賊団のみんなが!?」
「ヘイリー、私たちで止めるわよ。フェイミィもいいわね?」
「ああ、まかせとけ!」
リネンの合図で宙へと舞い上がるシャーウッドの森空賊団。
彼女たちは一糸乱れぬ動きで宙を翔けると、ハツネに向かっていく。
「これ以上はやらせない……勝負!」
リネンがそう叫ぶと、3人は散開しハツネに攻撃を開始する。
「それッ!」
まずはヘイリーがアロー・オブ・ザ・ウェイクを上に構えて弓矢を連続で撃ち放つ。
トゥルー・グリットの技術を持った彼女が放った無数の弓矢は、精確に相手の周囲に降り注ぎ、矢の嵐の中にハツネを釘付けにした。
そんな弓矢の降り注ぐ中をバーストダッシュで翔けるのはフェイミィ。
イナンナの加護を受ける彼女は、弓矢を巧みにかわしながらも、ハツネへと向かうスピードを緩めない。
そして敵に接近すると、手にした長大な柄の大斧・天馬のバルディッシュを振り回して地上へと叩きつけた。
すると大地がひび割れ、そこから怒りの煙火が爆発するように噴き上がる。
ハツネの体はその衝撃に吹き飛ばされて、空高く舞い上がった。
「リネン!」
「――わかってるわ、フェイミィ!」
空中で待っていたリネンはそういうと、空賊として自身が持っている戦闘技能を発揮し、エアリアルレイヴの連続攻撃でハツネに追い討ちをかける。
「これがシャーウッドの森空賊団のコンビネーションよ!」
リネンの攻撃を上手く防御のできなかったハツネは、地上へと勢いよく叩き落された。
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