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リアクション
「――ッ!?」
と、エンヘドゥが胸元を押さえてその場に膝をつく。
「エンヘドゥさん、大丈夫ですか!?」
そんなエンヘドゥを心配し、杜守柚がそう声をかける。
「だっ、大丈夫」
「ダメですよ、嘘ついちゃ」
自分も苦しかったが、ティー・ティーは笑顔を浮かべてエンヘドゥにそういう。
そして、そんなティーの服の裾を握って歌っていたイコナ・ユア・クックブックがいまにも泣きそうな顔でつぶやく。
「エンヘドゥお姉さま。あまり無理をしないで……」
「でも、皆さんが頑張っているのにわたくしだけが休むわけには――」
「エンヘドゥさん。我たちのことをもっと信じて頼ってほしいのだ」
薫の言葉を聞いて、エンヘドゥは周りを囲む人たちの顔を見回した。
そんなエンヘドゥの側に涼介・フォレスト(りょうすけ・ふぉれすと)が近寄り、傷つき、疲労している彼女に命の息吹を感じさせる。
「その通りだ。あなたはひとりで戦っているわけじゃない」
「そうよ、だから無茶はしないで」
と、水原 ゆかり(みずはら・ゆかり)もエンヘドゥに近寄り、ヒールをかけながらそういった。
「皆さん、ありがとう」
「どういたしまて。でも本当に無茶はしないでね」
ゆかりの言葉にエンヘドゥは小さくうなずく。
そんな彼女を見て、涼介は小さなため息をついて苦笑いを浮かべた。
「まあ、医学を身につけている者から言わせてもらうと、あなたはもう十分無茶をしているけどね」
「うぅっ……ごめんなさい」
涼介にチクリとやられて、肩をすぼませるエンヘドゥ。
そんな彼女を見て、歌い手やそれを癒す者たちは穏やかな笑みを浮かべた。
「んッ!」
と、周囲を囲んでいた炎を氷術で鎮めていた杜守 三月(ともり・みつき)が、炎の先から迫る殺気に気づいて征服英霊のサーベルを即座に構えた。
するとその直後、鍬次郎の従者であるヤンキーとグラディエーター、武官が一斉に襲い掛かってきていた。
「エンヘドゥや柚には手を出させないぞ!」
三月は素早くサーベルを振るって、その敵たちを斬りつける。
見事なサーベル捌きに敵たちは次々と倒れた。
「ふふふっ」
だが、そんな三月の死角から葛葉の姿が現れる。
そして手にしたマグマブレードで三月を斬り倒すと、すぐさま印を結びエンヘドゥたちへに向かって火遁の術を放った。
「やらせないわ!」
しかし、エンヘドゥを護衛していたゆかりのパートナーマリエッタ・シュヴァール(まりえった・しゅばーる)が、フォースフィールドを展開して炎を凌ぐ。
そこへ起き上がった三月のサーベルが葛葉へと伸びてきた。
「くッ!」
疾風迅雷の動きでなんとか後退り、その攻撃を避けた葛葉。
だがさらに、そんな刹那に向かって何発もの銃弾が襲い掛かった。
「なにッ!?」
それに気づいた刹那は声をあげ、床を蹴ってさらに後ろへと飛び退る。
そしてエンヘドゥたちからかなり離れた位置へと着地した刹那は、思わず銃弾が飛んできた方向に顔を向けた。
だが、先ほどまでそこにいたはずの国頭 武尊(くにがみ・たける)の姿はもうそこにはない。
彼は光学迷彩で姿を隠し、狙撃場所から移動。相手に所在を掴ませないように行動しながら、エンヘドゥたちを守っていた。
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