校長室
【第二話】激闘! ツァンダ上空
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第七章 ツァンダでの戦闘と同時刻 シャンバラ教導団附属病院 「花束なんて持って、マメよね」 シャンバラ教導団附属病院――イリーナ・阿部中尉が入院している病院の廊下を歩きながら、ニキータ・エリザロフ(にきーた・えりざろふ)は前を歩く世 羅儀(せい・らぎ)に少し笑いながら声をかけた。 「まあ、な。女性の病室をを見舞うんだ。これぐらいは当然だろ」 そう答える羅儀はいつもと違い、今日は軍服ではなく、相棒である叶 白竜(よう・ぱいろん)とともにスーツ姿で行動している。そんな羅儀は今度は逆にニキータへと問いかけた。 「で、そちらさんがいるのはやっぱり白竜の頼みか?」 羅儀からの問いにニキータは即座に頷く。 「ええ。叶中尉からの指令で重要参考人の警護ってことで。まぁそんな言い方しかできないんでしょうけど、心配してるのよねぇ」 答えるニキータに相槌を打つように、羅儀の隣を歩く白竜も口を開く。 「事実、彼女はこちらにとって重要な情報を持っているゆえ、敵に狙われやすい。内通者や敵対する者の存在の可能性がある以上は慎重をきすべきだ」 ――連続する襲撃事件に対し消耗的な戦いを続けて行けば各校の防衛体制は破綻すると思われる。相手の真の目的に少しでも迫り、次に狙われるのはどこか予測したい。そのため今回は前線ではなく秘密裏に調査で行動すべきだ。 そう考えた白竜と彼に賛同する数名は、重要参考人であるイリーナ・阿部中尉と面会するべく、秘密裏にこの病院を訪れていた。 白竜と羅儀、そしてニキータに加え、彼の制服の上着の裾を握ってトコトコと歩いてくる幼女――タマーラ・グレコフ(たまーら・ぐれこふ)の姿もある。ニキータの仲間である残りの二人――三毛猫 タマ(みけねこ・たま)とヒラニプラ商店街の精 ニプラ(ひらにぷらしょうてんがいのせい・にぷら)はヒラニプラ商店街のバイト中の為、今回は同行していなかった。 そして、彼等四人の後方にはトマス・ファーニナル(とます・ふぁーになる)、魯粛 子敬(ろしゅく・しけい)、テノーリオ・メイベア(てのーりお・めいべあ)、ミカエラ・ウォーレンシュタット(みかえら・うぉーれんしゅたっと)の四名――トマス隊も同行している。 ややあって彼等はイリーナの病室に到着する。