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リアクション
「4回戦、海京かるた会 セレンフィリティさん対タシガンかるた会 北都さん。前に出て下さい」
札を取るごとに不安とは正反対の、妙な高揚感と焦燥感がない交ぜになった奇妙な感情にとらわれていくセレンフィリティ。
「もうすぐ逢えるの……逢わないといけないわ。捧げるモノはどこ……どこどこどこどこどこドコドコドコ」
眼が血走り始めると、服を脱ぎ水着姿で、機晶爆弾をぶちまけ始める。
「セレン! もうやめて!」
セレンフィリティの発狂具合にセレアナは矢も盾もたまらず、思わず飛び出し、そのままセレンフィリティの投げた機晶爆弾に巻き込まれてしまう。
「あったワ……」
巻き込まれたセレアナに手を伸ばすセレンフィリティ。
セレアナに触れる前に救護班の手で運ばれていった。
「5回戦、イルミンスールかるた会 詩穂さん対海京かるた会 エースさん。前に出て下さい」
何枚かの札にインビジブルトラップを仕掛けた詩穂。
―――バチリッ
「痛っ」
札を触るか触らないかの所でエースに、冬場に車のドアを開けようとして静電気が指先に走るような感覚が走る。
引っ込めた手と入れ替わるようにゴッドスピードで詩穂がその札を奪う。
何度か詩穂のインビジブルトラップが発動し、詩穂がこの試合を獲る。
「……君の花弁が素敵だよ」
負けたエースは虚空に向かってなにやら口説いている。
口ぶりからして花のようだ。
「色も虹色でとても綺麗だね。おや、泣かないでおくれ。キミに涙は似合わないよ」
エースの目には異形の人食い花も愛おしい植物にしか見えない為、口説くかのように褒めたたえ続ける。
「6回戦、イルミンスールかるた会 涼介さん対イルミンスールかるた会 シャノンさん。前に出て下さい」
6回戦目は同所属同士の戦いとなる。
札にかかる魔道書の有狂成分をものともしないシャノン。
「クトゥルフ神話学を専攻してないのに、この堂々たる振舞い……」
「頭の回転速度を上げるためにも、少し補給……」
涼介はシャノンの凄さに感心する。
シャノンは大好きなハンバーガーを片手に札を奪っていく。
「すごいな、あなたは。ハンバーガーが回転速度を上げる秘訣だったのには驚いたが……それよりも札の狂気を抑えむ正気度は賞賛せずにはいられない。おめでとう」
そう言って涼介はサイコロを振る。
「……イア! イア! イア! グルフ=ヤ、ツァトァグァ! われ涼介は、汝を呼び出し、命を与える。おおツァトァグァ、ンカイとヨスの統治者にして王よ。束縛と古代の力の言葉にてーーー」
涼介はツァトァグァの召喚呪文を唱え始める。
「あら、禁忌の書が震えて……兄さま、その呪文はツァトァグァ召喚の呪文。わたくしに書かれている一節ですわ。今それを唱えたら大変なことになります〜!」
救護室にいたエイボンの書は慌てて、涼介を止めに救護室を後にした。
「7回戦、海京かるた会 ソフィアさん対イルミンスールかるた会 ヤジロさん。前に出て下さい」
野生の勘と歴戦の立ち回りでヤジロが攻めていくが、集中力が続かない。
反対に機晶姫のソフィアはコンピュータ処理で疲れ知らず。
「やはりわたくしの方が有利に立ちまわれますわね。動きが緩慢になってきましてよ?」
「ま、まだまだ! 校長も張り切ってるのにココで終われるかっ」
気合を入れ直し、ヤジロは守りを考えず攻めに徹するがソフィアには敵わなかった。
「わたくしの勝利ですわ!」
勝利をより確かなモノにするためにサイコロを振るが、サイコロの神は微笑まなかった。
ソフィアはツボを押されて爆発する幻覚を見る。
「ピーピー! エラー発生。エラー発生。た、たダちにバグをか、かかかかかいいひひひひ」
機体から黒煙が立ち上る。
「ぐg あさああ あわびゅ……ssaawegaらっ、らいれっ!!!!!!! wzmieo……ほげえ!!」
―――ボガンッ!!!
ソフィアは破裂して故障して動かなくなった。
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