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リアクション
霧はカタチを成していく〜呼び声の波紋〜
霧はさらに濃くなり、どこかでナニカのおぼろげな気配が漂う中、準決勝、第四試合が始まった。
北都と詩穂の第四試合初戦。
今までの持てる策を全て使って攻めていく志穂。
ゴッドスピードと超感覚で自らの取得率を上げ、インビジブルトラップと風術で相手の妨害をしていた詩穂。
4戦連続で使い続けてきたゴッドスピードに、詩穂の体力が底を尽きかける。
「こ、ここまできたんだもん。ま……負けらんないの」
「(思ったよりも効果が続いたねぇ。でも、ここまでだね)」
ゴッドスピードの効果が切れるのを狙っていた北都。
ここぞとばかりに攻めていく。
北都の快進撃は続き、発狂判定では未だ使わずにいた『女の子の体のヒミツ』を借りることで決勝への切符を手に入れた。
「僕を知る人なら、僕がいやらしい気持ちで借りたんじゃないって分かってくれるだろうからね。実際そんなに興味ないし」
堂々と『女の子の体のヒミツ』を借りた北都。
詩穂は『女の子の体のヒミツ』もルルイエテキストも使い果たし、迫りくる狂気を防ぐ手立てを失っていた。
「ふ、ふふふふふふ。見て、こんなカード36枚持っているよ……」
ダブりがない百人一首なのに、そんなことを言いながら集めた札を見せびらかし始めた。
「2回戦。海京かるた会 クマラさん対イルミンスールかるた会 エリザベートさん。この試合の勝者が北都さんと最後の決戦をすることになります」
クマラを倒せば、海京かるた会に安徳に勝つことが出来ると意気込むエリザベート。
反対に第二試合で負けたエースよりももっとたくさん楽しいことをしたいとクマラは思っていた。
「美味しそーなお・か・し!」
札を取っていたクマラが突如そう叫び、札を踏み荒らしてばんざーいとしつつ虚空に突進していく。
「幻想郷のお菓子にゃ〜ん!!」
錯乱して突進していった先は空中。
幻想のお菓子に手を伸ばしながら、クマラは落下していった。
「さぁてぇ、これでサイの目が10以下なら私の勝ちですぅ」
―――ころり
「やったですぅ! にっくきおじゃまる子に勝ったですぅ〜」
エリザベートは狂気に耐え、海京かるた会に安徳に勝ったことに驚喜する。
「くふふ……さぁ山脈の中へ行くですぅ。……もっと大きくなって……大きくなって」
喜んでいるが少々様子がおかしいエリザベート。口にするのは怪しい言葉ばかりであった。
それでも、声をかけられればちゃんと答えるエリザベート。
狂気に当てられてるだけだと、試合続行を言い渡される。
そしてついに決勝第五試合……。
霧が濃くなり、周りが白く、黒くなった空間でエリザベート対北都の試合が始まった。
「わたのはら やそじまかけ こぎいでぬと」
―――パシン!
「ひとにはつげよ うみひとのつりぶね。……インスマウスを わたるふなびと かじをたえ」
―――スパンッ
「ゆくへもしらぬ あくまのがんしょうのみちかな。……きょうきさんみゃくの みねよりおつる みなのかわ」
―――シュパ
「きょうきぞつもりて しんえんとなりぬる。……」
「ねぇ、なんか人が減ってない?」
「まさか。霧で見えないだけでしょう」
「そうかな……だって何かの気配がするよ」
「気配がするのなら、人が消えているわけではないということですよ」
「でも……」
試合を見ていた観客のあちこちから減っていっている話が漏れてくる。
それと同時に霧の中に何か居るのでは? といった憶測が飛び交い始める。
「みて!」
誰かがそう叫ぶ。
「てけり・りと なくやしもよるの さむしろに」
―――バシ!
「ねんえきじょうせいぶつ しょごすなりけ・り」
札を弾いたのは……清泉 北都。
「勝者 清泉 北都さん! よって優勝かるた会は、タシガンかるた会です! おめでとうございます!!」
◇ ◇ ◇
タシガンかるた会の優勝を祝う中、会場にいる全員がふと妙な影を感じる。
テケリ・リ……
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担当マスターより
▼担当マスター
東安曇
▼マスターコメント
■2012/10/19
一部、「女の子の 体のヒミツ」を借りる、と宣言していたにも関わらず、
こちらのアクションが反映されていない方がいらっしゃいました。
つきましては、リアクションの判定について変更は御座いませんが、
該当する方に「『女の子の体のヒミツ』を借りた」という称号をお贈りさせていただきました。
この度は誠に申し訳御座いません。
深くお詫び申し上げます。
******************
大変お待たせしてしまい、誠に申し訳御座いません。
「対決、狂気かるた!」のリアクションをお送りいたします。
初めまして、この度東安曇マスターの『狂気カルタ』の代筆をさせて頂きました冬神雪羅です。
クトゥルフ神話はもともと興味あるジャンルでしたので、代筆を引き受けたのですがそこまで深く知識を持っていない自分には少々大変でした(笑)
……参加人数も思った以上にありましたので。
代筆は自分が持っていない目線を使う必要があるので、良い経験をさせて頂きました。
この場を借りてお礼を申し上げます。
それでは、またの機会がありましたら、今度は冬神雪羅のシナリオに参加してくださると嬉しい限りです。
それでは失礼します。