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『C』 ~Crisis of the Contractors~(後編)

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『C』 ~Crisis of the Contractors~(後編)

リアクション

「……はぁ」
 イコン決勝が行われている最中、一人、格納庫のフレスヴェルグの中でため息をつく斎賀 昌毅(さいが・まさき)
「せっかく風紀委員関係なく一般参加でねじ込んだってのに、トーナメントに参加できないとか……」
 パートナーのマイア・コロチナ(まいあ・ころちな)が風紀委員の仕事をしているため、トーナメントに参加できずふてくされているらしかった。
「まぁ良いか……。観戦するには特等席だ」
 ちょうど真正面は試合を行う会場。誰にも邪魔されずに試合を観戦できる場所だった。
 っと、その時。爆発音が響く。
「うおっ! なんだ?」
 試合も後少しのところで中断されている。
「なんかやばそうだな……。マイアがいないから三割程度しか発揮できないが……、なんとかなるだろう」
 嫌な気配を感じ取り、昌毅はフレスヴェルグの起動準備を始めた。

 一方、外では空を飛び回るパワードスーツ隊が暴れまわっていた。
『紫月さん!』
 唯斗へと連絡を入れていた、シフ達の乗るアイオーンが到着する。
『あいつ等はいったい……』
『先ほど、生身部門を行っていた会場で襲撃があったそうです。それの一部がこちらにも』
『なるほど、それでか……。すまない、真司。観客の避難をお願いしていいかい?』
『……そうだな。了解した』
 ゼノガイストはすぐさま、避難誘導を開始。
『おいおい、一体何の騒ぎだ?』
 フレスヴェルグも起動し、魂剛達と合流。
『どうやら襲撃らしいです』
『襲撃!? なにやら物騒になってきたな』
『とにかく止めよう。被害が大きくなる前に』
『了解だ』
 アイオーンとフレスヴェルグがバスターライフルを構え、自在に飛び回るパワードスーツ隊に標準をあわせる。
 その間、魂剛が、二人に飛んでくる弾丸を剣でさばき、守り通す。
『行きますっ!』
『そらっ!』
 アイオーンとフレスヴェルグの弾はパワードスーツ隊のフライトユニットに命中。飛行不可能にする。
「行くぞっ!」
「了解!」
 落ちたパワードスーツ隊に向けて魂剛が突撃し、鬼刀とアンチビームソードの二刀で斬りさく。
「これは無人機……?」
「どうやらそのようだな。ならば、思う存分戦える」
「前方に二体! こっちに飛んでくるよ!」
「分かりました」
 ミネシアの言葉を受け、バスターライフルを再び構えるアイオーン。
「距離10! 9、8、7、6、5……」
「一つ!」
「……3、2、1!」
「二つ!!」
 迫り来る二機を精確に撃ち落した。
「お見事!」
「ふぅ……」
 安堵のため息をつくシフ。アイオーンが撃ち落すなか、フレスヴェルグも頑張って撃ち落していた。
「……ショット!」
 フレスヴェルグの弾はパワードスーツ隊の横を逸れた。
「外れたか……。マイアがいてくれればまた少しは変わるんだろうが……」
『昌毅! 遅くなりました』
 そこにマイアからの通信が入る。
『やっときたか……』
 そして、コクピットへマイアを入れる。
「ごめんなさい、遅くなってしまって」
「仕方ない。風紀委員の仕事、してたんだろ?」
「はい、その代わりに強力な助っ人を呼んできました!」
 マイアがそういうと同時に空を翔け、パワードスーツ隊のフライトユニットを破壊して行く機体――スクリーチャー・オウルの姿があった。
『遅くなって申し訳ないわ。その分、働かせてもらうわよ!』
『助かる。これなら殲滅もはかどりそうだな』
「さぁ、一気に撃ち落すわよ!」
 スクリーチャーは旋回、遠い敵はツインレーザーライフルで、近い敵にはギロチンアームを使い、ガンガン撃ち落していく。
『天貴さん、そこから六時の方向に、三体います。お願いできますか?』
『了解よ、すぐ向かうわ』
 シフからの連絡を受け、すぐさま転進。
「見つけたでござる。二体は、このまま直進、残りの一体は、低空を飛んでいるでござるな」
「了解よ。相手のイコン分析は出来た?」
「無人で動いているのは分かるでござるがそれ以外のデータが見つからないでござる」
「そう……まぁ良いわ。一気に行くわよ!」
 スクリーチャーはツインレーザーライフルで一瞬にして二体撃墜。
「そこよ!」
 低空を飛ぶ残りの一体に対して、自身も低空を飛び、そのままギロチンアームで両断する。
「上出来ね。ドンドン行くわよ!」
「……撃つ!」
 フレスヴェルグの命中率も上がり、確実にパワードスーツを仕留めていく。
「よし、次はどこだ?」
「えっと……っ! 後ろです!」
「なにっ!?」
 飛びならがフレスヴェルグの真後ろへとついたパワードスーツ隊。
『ワタシ達に任せてよ!』
 武器を構え特攻するがフレスヴェルグに到着する前に、アイオーンが撃ち落した。
『すまない助かる』
『いえいえ、このぐらいお安い御用です』
 そのアイオーンの後ろにパワードスーツ隊。
『おい、後ろ……!』
『大丈夫です』
 シフがそういうと同時にパワードスーツ隊が両断される。両断したのは魂剛。
『わらわ達がついておるからな!』
『こちら、スクリーチャー・オウル。敵影なしよ』
『地上は……っと』
 フレスヴェルグが遠くにいたパワードスーツを撃ちぬく。
『今ので最後だな』
『こちらゼノガイスト。観客の避難が完了した。軽傷者はいるが、ほとんどが無傷だ』
『殲滅完了! みんな、お疲れ様!』
『お疲れ様でした』
『おつかれさま』
『おつかれさん』
 こうして、メンバーの活躍によりイコン会場の方は被害を最小限に抑えられた。