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『C』 ~Crisis of the Contractors~(後編)

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『C』 ~Crisis of the Contractors~(後編)

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 そして……


 人材発掘プログラムから一ヶ月が過ぎた。
「あれからもう、一ヶ月か……」
 雪比良 せつな(ゆきひら・せつな)は東地区を巡回しながら、ふと考えた。
 未来から来たという、名前のない少年。人類の脅威『C』、その発生を防ぐための戦い。そして、人材発掘プログラムと、襲撃者。
 ナナシはもういない。
 時々、あの出来事は夢だったのではないかと思う。
「…………」
 携行している、水色の鞘の刀へと視線を送る。それがあることが、あの一週間が現実であったことを示している。

 氷月雪花

 それが、氷刀:アイスエッジとして渡されたこの武器の、今の名前だ。
 あの時、無意識に呟いたその言葉を銘として刻んだのである。

「あたしは……何者なの?」

 その問いに答える者はいない。
 あの日、自分がなぜあんな力を振るうことができたのか。なぜ、この学院に来る前――物心ついた頃から、氷を操る異能が使えたのか。
 いずれ分かる時が来るのだろうか。
 だが、今の彼女にできることは、

「あたしは、強くなる。もう何も、失わないために」
 
 さざ波の音が、耳に響く。
 決意を言葉にすることで、せつなは自分を奮い立たせた。
「それじゃあ、行くね」
 たった一週間ではあるが、紛れもなくパートナーだった者にそう告げ、せつなは浜辺を後にした。


END

担当マスターより

▼担当マスター

瓜生和希

▼マスターコメント

皆様こんにちは! 瓜生和希です。
まさか、誕生日をまたぐことになろうとは……。結局、誕生日も一日中で頑張っておりました。

それはともかく、これにて『C』 〜Crisis of the Contractors〜の物語はこれにて終了となります!
前編、後編、共に担当させていただきましたが、楽しんでいただけたでしょうか? 後半はシリアスな展開を意識して頑張って書いてみましたがいかがでしょう? シリアス(?)になっていないことを祈っております……。
初のイコン。その他、色々と難しい事に、四苦八苦しながらも書かせていただきました。前編のとき二日徹夜したのは今では良い思い出です……。

それと、今回も一部都合や調整によりアクションの一部が反映されてない方がおります。申し訳ありません。
そして、トーナメントですが、ところどろこ凄まじく短く終わっていると思いますが、これは、普通に全部の内容を書いてしまうとトーナメント上位者の出番がかなり多くなってしまうということになってしまうための処置となっております。
「初戦でほとんど描写されずに負けた!」とか「トーナメントほとんど出番なかった!」という方は、別の場所で登場させていただいております。予選会や謎のパワードスーツ隊襲撃などなど……。

それでは、前編、後編お付き合いしてくださった皆様! その他諸々の方々、ありがとうございました!
また会えたらお会いしましょう!

▼マスター個別コメント