リアクション
終
後日。シグー集落、首長の家にて。
詳細な探索を重ねた結果、サレイン、シグーを含めた複数の集落において、数千年前にはイヌ型イコンの製造を行っていた事が反映した。
各集落でイコンのパーツを分担して製造し、遺跡となった開発プラントで製造を行っていたという。
どうしてイヌ型イコンが必要になったのか。
当時は、魔法の通用しない魔物がザナドゥより頻繁に現われていて、それを圧倒的なパワーでねじ伏せる必要があったからです。
世の識者はジャタの森の住人にイコンの技術を伝導し、自らの生活を守るように仕向けたのです。
イヌ型イコンは複雑な操作を必要とせず、3つのオーブによって運用が可能でした。
紅のオーブをイコンにセットすると、モニターに映り込んだ動く物体を攻撃する事ができます。
蒼のオーブなら、モニターの映り込んだ動く物体からの回避行動を望めます。
翠のオーブで、何事が起こってもその場で待機しつづける待機行動を実現できます。
このため、イコンが徘徊する新月の夜になると集落の人びとは家の中へ閉じこもって朝が来るのをじっと待たなければならないのです。
イコンのモニターに蠢く物として察知されると、誤って襲われる危険があったからです。
また、各集落の尖塔には特別な狼煙を上げる機能が備わっており、シグー集落の狼煙をイコンが感知すると、ザナドゥから召喚された魔物を特定して排除するための集団行動を起こし、サレイン集落の狼煙では、遺跡にイコンを一斉に収容することができたといいます。
遺跡ではイコンへのエネルギー給電はもちろんのこと、補修や改良なども行えたようです。
湖の畔で機能を停止したイヌ型イコンは唯一の稼働機種であったが、内蔵されたエネルギーをすべて使い切ってしまったために機能を停止してしまったようです。
現シャンバラの技術では、エネルギーの給電方法が分からないため運用はできないとの見解が出ました。
また、遺跡内部にある補修や給電施設も老朽化により損壊してまったく使い物にならないそうです。
サレイン集落、シグー集落の人たちは、現在も祭事を通じて闇狩の伝統を受け継いでいるのです。
御焚き上げの際に作っている紙作りのイヌは、イコンのパーツを作っていた時の名残なのだという。
状況を見届けた馬場 正子は、ザナドゥから魔物を呼び寄せるサークルを特定し、近いうちにそのすべてを封印することを宣言したのである。
おわり
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冒険「闇狩の末裔たち」のリアクションテキストを、お届けいたします。
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