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―アリスインゲート1―後編

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―アリスインゲート1―後編

リアクション

「おばあさん、ここでいいですか?」
「ありがとね……こんなトコロまで……」
「いえいえ、ではお気をつけて」
 {SFL9998859#リオン・ヴォルカン}は背中におぶった老婆をその場に下ろし、杖をもたせた。老婆は会釈して去っていく。
 困っていたお年寄りを家の近くまで連れて来てあげたのだが、
「さて、キャンプに戻りま……」
 何分、老婆の言う通りに道を進んでいたのでここが何処だか、方向音痴の彼にはわからないのだった。
 というか、老婆も老婆でなぜこんなところから難民キャンプ地まで出向いていたのか、どうやって来たのか疑問ではあるが、それは置いておくとして、ここはちょうどESCのビルの立つ道の前だった。
 言いかけた口を閉じて周りを見渡し、状況を確認する。
「困りましたね。どっちから来たのかわからなくなりました」
 老婆と辿った道をなぞり戻ればいいというのに、それは出来ない。方向音痴にそんな能力は備わっておりません。
 そんな彼に誰かが話しかける。
「どうなさいましたか?」
 少年がまさに道に迷う仕草をするリオンに話しかけます。
「道に迷ってしまいまして。せめてここがどこか判れば迎えを呼ぶことができるんですが」
 「迷子になったら動くな」と北都に言われているので、ここで彼を待つつもりだ。
「そうなんですか。なら大丈夫ですね」
 少年は納得し、ここの土地名を教えてくれます。
「このビルはエレハイム・サイエンス社のビルです。有名な企業なので、調べればすぐに場所がわかるはずなので、迎えの方にもわかるはずです」
「わざわざ教えていただきありがとうございます。早速、迎えを呼んでみます」
「いえいえ、僕がたまたまこの会社に用があっただけですので。でも、正門が閉まって入れませんが」
 少年がこのような大きな会社に用があるのに不思議な顔をするリオン。
 それはそうと、北都に《テレパシー》を送る。
 その時、ESCの敷地ないから轟音と地響きがした。
 二人はそちらを振り向いて、口が大きく開いた。
 そこにはゆうに20mは超えるだろう大きな多脚の機械が地中から這い出るところだった。あまりの起きさに眼を見張る。
 パニクったまま、リオンは北都に《テレパシー》を送った。

リオン:北都大変です!

 以降は、北都との会話に同期する。