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第8章 名残時3





ダブルルームの一室でセイニィの帰りを待つシャーロット。


「ただいま〜」
「セイニィ! お帰りなさい」
「ありがとね、シャーロック。 前に選んでくれたこの浴衣。
 あたしには結構似合ってるみたい」
「当然ですよ。 私はあの時そう思ったから褒めたんです」


そして温泉で体を癒した2人はベットに入りちょっとしたガールズトーク。
盆踊りなんてしたのは初めてだったとセイニィも喜んでいた。


「セイニィ。 今日はどうでした? 楽しかったですか?」
「もちろんよ。 誘ってもらえて本当に良かったわ」
「今日のセイニィは素敵な笑顔をいっぱい見せてくれました」
「……えっ?」
「義務感ではなく大切なティセラ、パッフェルの幸せな未来の為だったり、
 自分自身が幸せになってもいいんだって。 そう思えたりしませんか?」
「……義務感は感じてるわ。 でも……自分が幸せになるのも、受け入れてもいいのかもね」
「そう言ってもらえれば、私は嬉しいです」





               ◇ ◇ ◇





身を寄せ合って眠る2人。
だが、セイニィは未だ眠れずにいた。


「≪だから……もし聞かれたら……その時はきちんと答えないと…
  でも…あたしはどっちが…………決めないと、いけないよね。 2人のにも、自分のためにも≫」