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現れた名も無き旅団

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■出立前のロズに会って


 ルカルカ・ルー(るかるか・るー)は親しくしているエリザベートにダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)が手作りの極上プリンを土産に遊びに来た。プリンの味は『調理』を有するダリル作なので美味である。
 本日の事情を知るなり
「あっ、ルカ達が戻るまでプリン残しておいてねっ」
「……すぐに戻って来る」
 プリンをエリザベートに託してルカルカとダリルは校長室を早々に出て行ってしまった。

 イルミンスール魔法学校、 廊下。

「……しかし今日の二人が問題無く薬を作っているとか却って不気味だな。何か凶事の前触れか……というか安定した仕事ぶりを不安に感じてしまうなんて……」
 事情を聞いたは酒杜 陽一(さかもり・よういち)は双子がいたら文句を垂れそうな事をつぶき、すっかり双子の悪戯を認めている自分に苦笑しながら歩いていた。
「……双子の事はともかくロズの様子を見に行こうか。あれからどうしたのかも知りたいし」
 陽一はロズを捜し歩いていた。彼が負った仕事も気になるが、それよりも手紙書きイベントの際に彼の相談に乗った者としてあれからどうしているかの方が知りたい。
「そう言えば、探求会に何やら薬作りを依頼したとか……(妖怪の山であれだけの凶行に及んだにも関わらず、友愛会との協定で人道遵守の条項の盛り込みを拒否したというし。そんな者達に一体何を頼んだのやら。またてん達にした様な事をやったら絶対に許してはおけない。元凶の黒亜は今拘束されているから心配は無いかもしれないが)」
 陽一は調薬探求会が今回の事に絡んでいる事を知るなり特別なレシピの事件を思い出し不愉快になっていた。ちなみに現在黒亜は調薬が出来ないよう施設に収監されている。

 しばらく廊下を歩いた後。
「あれは、ロズか。見た目が変わったな……打ち明けたのかもしれないな」
 陽一は先客と話すロズを発見し、声をかけに行った。