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忘新年会ライフ

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忘新年会ライフ

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「トロールは、理知達が仕留めたみたいだ。俺達もやるぜ!!」
「了解、翔くん!」
 空中を飛ぶ翔のジェファルコンと美羽のグラディウスが合図と共に二手に別れ、イーグルへ突っ込んでいく。
「スマートガンを使え!」
 アリサの指示に翔がジェフェルコンの腰からライフルを取り出し、構える。
「これで威力が足りるのか?」
「獣は自分の身が危ういと感じたらすぐに撤退する」
「わかった……ん? アイツ、方向を変えたぞ?」
 ジェフェルコンがスマートガンを連射しようとした時、イーグルは急旋回していく。
「ど、どういう事?」
 ミサイルポッドの発射スイッチに指を置いたまま美羽も呟く。
「何か……探しているみたいですね」
 ベアトリーチェが言うと、美羽が振り向く。
「探すって何を?」
「さぁ……?」
 やがてイーグルはその場を数度旋回した後、蒼木屋と反対の方角へ鳴きながら飛び去る。
 地上で絶影に乗った唯斗がそれを見つめていた。
「……あいつ、身体が爆散とかしてなければ料理して食えないかなぁ」
 怪訝な顔でエクスが唯斗を見やる、
「エクスならうまく料理してくれそうだしな」
「あ? わらわに巨獣を料理させるだと?」
「そうだ。もう一回来たらちょっと試してみよう」
「……ある程度料理できる部分が残ってないと……て、やってみんと分からんぞ?」
「有れば試すことは出来るんだろう?」
「肉食系の鳥肉が美味いかどうかは知らんが……まぁ、あればやってやろう」
「それは楽しみ……だ……」
 唯斗の目に映る暗闇の中の月が一瞬で隠れていく。
「雲か? 今日の風は強風ではないと思っていたが……」
「唯斗!! 巨獣だ!!」
 エクスがモニターを見て叫ぶ。
「馬鹿を言え、イーグルといえど……」
「最大巨獣だ!!」
「……最大」
 轟音が響き、草原の木々がゴムのように横向きにしなる中、絶影が枯れ草のように宙に舞う。

「さっきの撤退は、『ウワーン、パパに言いつけてやる!』といったものでしたね」
「適格な解説ありがとう、ベアトリーチェ! 次はこの状況からの脱出方法を教えて欲しいな?」
「多分……ありません」
「アハハ……そっかー、無いんだねー」
「ええ、フフフ……」
美羽とベアトリーチェが顔を見つめ合い笑う。
「美羽、呑気に言ってるんじゃないぜ!! 唯斗! いつまで寝てる気だ! 起きろ!!」
ジェファルコンで威力の低いスマートガンから二挺のレーザーライフルに切り替えた翔が叫ぶ。
「そなたもさっきまで寝ていただろうに……っと!?」
ジェファルコンがイーグルの突進攻撃を避け、グラディウスと背中合わせの状態になる。
「翔くん。まさか、8羽も来るとは思わなかったね」
「挙句に囲まれてるし、唯斗は親イーグルの一撃でまだ寝てる……まいったな」
「理知に応援を頼むしか……」
「駄目だ。理知が店を離れたら、俺達を突破されたが最後だぜ」
「だよね……じゃ、私と翔くんで4羽ずつ担当するしかないね」
美羽と翔達の周りを舞うイーグルは8羽、その遙か上空を戦況を観察するように飛ぶ更に巨大な最大巨獣のイーグルが1羽……。状況は圧倒的不利になっていた。
「では、店の近く。理知さんの有効射撃範囲内でバックアップを受けながら戦う、というのはどうでしょうか?」
コンソールを操作するベアトリーチェが言う。
「さっきの絶影をふっ飛ばした衝撃波を見てなかったのか、ベアトリーチェ? イコンであの吹き飛び方だ。店なんて一瞬で終わるぜ?」
「あの技は強力ですが、仲間を巻き添えにする危険性があります。だから、今も使って来ないんでしょう?」
「……一理あるな」
「イーグルって頭いいんだね」
「……それで行こう! 美羽! 陽動しつつ墜とせるイーグルは落とすぜ!」
「了解!!」
「理知も敵が有効範囲に入ったら、迷わず狙ってくれ!」
「うん、翔くん!」
ジェファルコンとグラディウスがイーグル達に攻撃を再開する。