百合園女学院へ

薔薇の学舎

校長室

波羅蜜多実業高等学校へ

アーリー・サマー・ニルヴァーナ

リアクション公開中!

アーリー・サマー・ニルヴァーナ

リアクション

6)


中継基地にて。
白波 理沙(しらなみ・りさ)は、
吉井 真理子(よしい・まりこ)を誘い、
パートナーの早乙女 姫乃(さおとめ・ひめの)
ノア・リヴァル(のあ・りう゛ぁる)ともに、
女の子同士でわいわい観光を楽しもうと計画していた。

「こちらには音楽や演劇が楽しめる施設があるそうなのでそちらも楽しみたいですね」
ノアがそういうので、
一行は、オペラハウス・アヴニールへとやってきた。
ちょうど、短時間のミュージカルをやっており、
楽しく観劇をすることになる。

「ああ、よかった!
やっぱり、ヒロインが、自分で幸せをつかみ取るところがいいわよね!」
「そうね、ちゃんとハッピーエンドになってよかったわね」
「音楽も素晴らしかったです」
「そうですね、歌姫さんの衣装も綺麗でした」
理沙と真理子、ノア、姫乃は、口々に感想を言い合う。

「じゃあ、次は、お洋服を見に行きましょうか。
気になってるお店があるの!」
「いいわね。いきましょう!」
理沙に連れられ、真理子たちは、ショッピングに出かける。

一通り見て回った後、
理沙は、ふと、ノアのことを気遣う。
「大丈夫? つかれてない?
どこかで休もうか?」
ノアが、自分よりも体力的に劣ることを気にしての発言だった。
「理沙、そんなに気にしなくても
疲れたらちゃんと言いますから大丈夫ですよ。
でも、心配してくれてありがとう」
ノアは、笑顔で答える。
「そっか。でも、真理子もいるし、
そろそろのどかわかない?」
「そうね、お茶にしましょうか」
理沙の提案に、真理子もうなずき、一行は、カフェに入ることにした。

ゆっくりとお茶を飲みながら、
理沙は、ゲルバッキーのその後のことを訊ねる。

「あいつはほんとに記憶を失っちゃったみたいで、
今のところ、おとなしくしてるわ。
ちゃんと空京の清掃活動もさせてるし。
……まあ、相変わらずすごくウザいけど」
吉井さんは、面倒そうに言う。

「あーあ、あんな奴のせいで、彼氏もできやしない!」
「そ、そっかあ、大変だね」
毒づく吉井さんを、理沙は気の毒がる。
たしかに、ゲルバッキーがパートナーでは、いろいろ大変だろう。

「あーあ、私も素敵な恋がしたいなあ」
「ほんとに、そういう話ないものかしら」
理沙と吉井さんは、
同時に、はあああ、と、長いため息をついた。

「そういうものなのでしょうか、ノアさん?」
「そうですね、でも、皆、まだまだ若いんですから、大丈夫ですよ。ふふふ」
姫乃に、ノアが微笑を浮かべ、お姉さんっぽく言う。

「でも、あきらめないわよ。
こんなにいい女の私たちに、彼氏ができないなんて、絶対、間違ってるんだから!」
「そのとおりよ!
別に、私たち、容姿的にも性格的にも問題あるわけじゃないし……」
理沙と吉井さんは、硬く手を取り合った。
「さっきのミュージカルのヒロインみたいに、絶対、幸せになってやるんだから!」
「そうよ、今に見てなさい!」
2人は、高らかに決意表明をしたのであった。
……ちょっと、お店の他の人たちの視線が集まったような気がするが。

そして、その後も、女の子たちは、楽しくおしゃべりを続けたのだった。