空京

校長室

帰ってきた絆

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帰ってきた絆

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突撃! イーダフェルト2号内部! 5

追い詰められたゆる族型起動歩兵は、
全力で反撃に転じていた。

「ナノダーコロスー!」

「うわあ、あんなになるなんて。
かわいいのに……。
でも、早く何とかしないと!」
風馬 弾(ふうま・だん)は、
ポムクルさんたちの鬼気迫る様子に驚きつつも、
一気に斬りかかる。
「やあああああああっ」

「止まってください!」
ノエル・ニムラヴス(のえる・にむらゔす)も、
パートナーの弾を支援して、バニッシュで攻撃する。

「ナノダッ!?」
「さあ、今のうちに!」
弾の作った隙に。

「ありがとう。俺が道を切り開く!」
酒杜 陽一(さかもり・よういち)は、
ソード・オブ・リコをかざし、ゆる族型起動歩兵を斬り捨てた。

「俺は、この戦いが終わったら理子さんと結婚するんだ!
これ以上、おまえたちの好きにはさせない!」

陽一は、高根沢 理子(たかねざわ・りこ)と、
2025年になったら結婚式を挙げる予定である。
西シャンバラ女王の理子との結婚式はとても大きなイベントであり、
今から大勢の人が準備してくれているのだ。

「ナノダー、リアジュウシネー!」
「ナノダー、リアジュウコロスー!」

悪のポムクルさんが、陽一の宣言に、
煽られて集まってくる。

「俺は愛する理子さんと地球を守ってみせる!」

(かっこいいなあ、僕もいつか、あんなこと言えるようになりたいな)
「ん、どうしたのですか?」
「な、なんでもないよ!」
愛する人のことを思った弾を見て、ノエルが笑みを浮かべる。
「弾さんも、大声で告白してみますか?
勇気が出るかもしれませんよ」
「な、なに言ってるんだよ!
僕たちは皆を送り出さないと!」
弾は慌てて、そっぽを向き、戦闘に集中した。

一方、陽一の周囲に、
悪のポムクルさん操るゆる族型起動歩兵が集まっていた。

「ナノダーリアジュウコロスー」
「おとなしくしてもらうぞ!」
陽一は剣で攻撃を受け流し、一気に全力でポムクルさんを押し返す。
「うおおおおおおおおおおおおおおっ!」

フリーレ・ヴァイスリート(ふりーれ・ばいすりーと)は、
陽一の支援で、ブリザードを吹き荒らさせる。
(陽一と共に戦うのは恐らくこれが最後。
今回も、見届けさせてもらうぞ)

フリーレは決意を固めていたが、
いつも通りに、パートナーの背中を守る。

そんなフリーレを、ペットや従者たちが支援してくれる。


「私も、ハワイでいつかは静香さんと挙式をするのですよ!!」
ロザリンド・セリナ(ろざりんど・せりな)が叫び、
聖騎士の駿馬にまたがって、
黎明槍デイブレイクで壁をぶち破ってきた。

「ハワイと言えば結婚式や新婚旅行の定番!
常夏の島で開放的な気分になって、
ビーチできゃっきゃうふふしたりするんです!
そして、夜は静香さんと……
きゃー、皆さんの前で言っちゃいました!
恥ずかしいー!」

桜井 静香(さくらい・しずか)との結婚式に思いをはせつつ、
ロザリンドは槍を振り回した。

「ナノダーナンナノダー!?」

ゆる族型起動歩兵はわけもわからずぶっ飛ばされている。

「うちも、イケメンと出会うために、
ハワイは全力で守らせてもらうで!
ビーチはイケメンとの貴重な出会いスポット!
そんな場所を壊されるわけにはいかへん!」
テレサ・エーメンス(てれさ・えーめんす)も、
鬼気迫る勢いで、ゆる族型ポムクルさんを攻撃する。

「聞いたことがあるんや!
殲滅した敵の数だけ、イケメンに出会えると!
うちのためにイケニエになってもらうで!」

「ナノダーギャー!?」
ゆる族型起動歩兵は、爆炎に包まれた。

「愛はか弱い乙女に力を与えてくれるんです!
こっちが近道ですよ、ランスバレスト!」
ロザリンドは、再び壁をぶち破った。

「響、聞いたか?
俺様達も、ハワイでキャッキャウフフだぜ!」
アイザック・スコット(あいざっく・すこっと)も、ノリノリで
ファイアストームをぶちかまし、
ゆる族型起動歩兵を吹き飛ばす。

「キャッキャウフフ?
しかし、お正月をハワイですごす人も多いはずだ。
俺も行きたかったが……。
このままハワイに突っ込まれるわけにはいかない!」
瑞江 響(みずえ・ひびき)は、
ゆる族型起動歩兵のかわいさに惑わされないよう、
気を引き締めて、全力で攻撃する。

「終わったら、ハワイに一緒に行こうぜ!
だから、さっさとやっつけちまうぞ!」
アイザックは、
パワーブレスで、響を支援する。

「砂浜が俺様達を待ってるぜー!」
さらに、アイザックはファイアストームとブリザードを交互に繰り出す。

「ああ、一緒にハワイに行こうな、アイザック!」
響は、ゆる族型起動歩兵に接敵し、切り裂いた。

「ポムクルさんは倒しても死なないということだったな。
じゃあ、派手に撃破しても大丈夫だろ!」
久途 侘助(くず・わびすけ)も、
パートナーの香住 火藍(かすみ・からん)と連携して、
ゆる族型起動歩兵を追い詰めていく。

「さあ、鬼ごっこでもはじめるかい?
ふふ、久々に暴れられるな」
侘助の気迫に、ポムクルさんたちがひるむ。
「ナノダー!?」

「侘助さん、ポムクルさん相手だからといって、
一人で突っ走らないでくださいよ!」
侘助に、火藍が釘をさす。
「ああ、もちろんさ。
ここで皆で連携すれば、すぐ最深部に行けるはずだ」
侘助は笑い、ポムクルさんたちを追い始める。

「ポムクルさん……逃げる者は追いません。
しかし、向かって来れば容赦はしませんよ」
火藍がパートナーとともに、ポムクルさんを追い始める。

「ナノダー!?」
「ナノダーオニー!?」

ゆる族型起動歩兵のポムクルさんは、契約者たちに押されていった。

「ポムクルさんがゆる族型起動歩兵を操ってるなんて……。
心苦しいけど、
さっさと倒しちゃうのだ」
天禰 薫(あまね・かおる)は、心苦しいとは言いつつも、
サイドワインダーを撃ちまくり、
天の炎で焼き尽くす。

「小物とは言え数が多いと厄介だな。
こちらも相応の手段で迎え撃たせてもらおう」
熊楠 孝高(くまぐす・よしたか)は、
分身の術や麒麟走りの術でポムクルさんを撹乱し、
ゆる族型起動歩兵を破壊していく。

「ナノダーコロスー」
破壊されたゆる族型起動歩兵からはい出したポムクルさんが、
なおも、薫と孝高に迫るが。
「白もこちゃん、やっちゃって!」
謎の生物・ちーが、ちーちーと鳴きながら、
ポムクルさんに噛みついたり蹴ったりする。

「ナノダー!?」

「あっちはもう大丈夫だな」
孝高は気を引き締めて、
新たなゆる族型起動歩兵を相手取る。
パートナーの薫と戦える高揚感で、力が湧いてくる。


「……」
影月 銀(かげつき・しろがね)は、
孝高の技を見て、決意を新たにした。
(忍者は辞めたが、
日々の鍛練は続けているし、装備の手入れも欠かしていない。
多少感覚は鈍っているにしろ、戦えないことはないだろう)

ゆる族型起動歩兵に静かに接近すると、
ブラインドナイブスで死角から攻撃を仕掛ける。

「ナノダーウギャー!?」

「やったね!
早く地球の危機を救おうね!」
ミシェル・ジェレシード(みしぇる・じぇれしーど)は、
剣の結界やパワーブレスで、銀の援護を行っている。

「ああ、ミシェルの受験のためにもな」
「うん、人助けできて、
受験勉強で煮詰まった頭もリフレッシュできるし、
一石二鳥だよ!
どんな時でも私にできることをやってみせる!」

医学部を受験するため、受験勉強中のミシェルだが、
事件に駆けつけたのだった。

「なるべく下がっていろよ!」
銀は、大事な受験を控えたミシェルを守ろうと、
ゆる族型起動歩兵を近づけさせないようにする。

「ナンナノダー!?」
「ナノダー、コ、コレガ、アイ、ナノダー!?」
「ナノダーリアジュウハコロスー……ギャー!」

愛する人と連携して戦う契約者たちに、
ポムクルさんたちは続々と倒されていった。