空京

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帰ってきた絆

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帰ってきた絆

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突撃! イーダフェルト2号内部! 3

レジーヌ・ベルナディス(れじーぬ・べるなでぃす)は、
シャンバラ教導団輸送科らしく、
イーダフェルト2号内部の制圧した個所に
簡易拠点を設置して、他の契約者たちの支援にあたっていた。
パートナーのエリーズ・バスティード(えりーず・ばすてぃーど)と一緒に、
弾薬や薬品などを運び込み、
拠点の維持を行う。

ゆる族型起動歩兵の襲撃を防ぐため、エリーズは見張りを行っている。

「レジーヌ、そっちのようすはどう?」
「ええ、皆さんのおかげで、かなり情報が集まってきています」
レジーヌは、銃型HC弐式・Nで、
イーダフェルト2号のマップや、
敵、味方、怪我人の位置などを把握し、味方と共有を行っていた。

「うんうん。
私が守ってあげるから、安心してね」
エリーズはお菓子をほおばりつつ、胸を張って見せる。
「私もお菓子で自分の補給をしながら頑張るから。もぐもぐ」
「期待していますよ」
レジーヌはパートナーに微笑む。

そこに、負傷者が運ばれてくる。

「大丈夫!?」
立川 睦(たちかわ・ちか)が、怪我人に呼びかけ、意識を確認しつつ、
応急手当で、止血を行う。

「うう……」
「しっかりして!
ここまでくれば大丈夫だよ」
睦は、怪我人に意識があるのに安心すると、
はっぱをかけつつ、ヒールをかける。

パートナーの樹神 よもぎ(こだま・よもぎ)も、
手早く応急手当てを進め、
軽傷の怪我人を治療していく。

戦線に復帰する意志や体力が残っているものは、戦場にまた送り出し、
むずかしいと判断した者は、
小型飛空艇に乗せ、脱出口まで送っていく。

「全く、冗談じゃないよね、
なんでこんなことになるのか……
兎も角、私はやれるだけやらないと後悔が残りそうだよ!」
ポムクルさんたちの所業に、
睦は憤っていた。

「おつかれさまです」
「お菓子食べる? 甘いもの元気出るよ!」
レジーヌとエリーズが、睦とよもぎをねぎらう。
「ありがとう。おかげで、すごく助かってるよ」
「はい、怪我人の場所をすぐ報告していただいてますから」
睦とよもぎに、レジーヌはうなずく。
「こちらこそ、救護に専念してくださるおかげで、
皆さんが助かっていますよ」

そんな中、
紅坂 栄斗(こうさか・えいと)ユーラ・ツェイス(ゆーら・つぇいす)は、
ゆる族型起動歩兵を撃破し、
最深部に向かう仲間の露払いを行っていたが。

「いくら死なないっていっても、
本来悪い子達じゃないのに問答無用で叩きのめすのは気が引けるしね」
栄斗は、ゆる族型起動歩兵の動きを止め、
なるべくポムクルさんは助かるようにしていた。

「別に、寝返ったやつなど倒してしまえばよいのにのう」
そんなことより、おせちとお雑煮のことが大事なユーラだったが、
パートナーの支援を行い、魔法でゆる族型起動歩兵の動きを止め、
コックピットの破壊までには至らないように手加減している。

「ナノダーコロスー」
「ナノダーシネー」

「こらこら、そんなこと言わないの!」
栄斗は、コックピットから脱出して
ポカポカ殴ってくるポムクルさんを捕獲して、
補給基地に連れて行った。
「怪我してるんなら治療してあげるから、
なんで悪いことしてるか聞かせてもらうよ」

栄斗はポムクルさんたちの尋問を始めた。
ほとんどのポムクルさんは悪に染まってしまったのか、
「ナノダーコロス」「ナノダーシネー」などの、物騒な言葉しか言わなかったが。

「話したらお菓子くれるのだ?」
どうやら正気(?)らしいポムクルさんが混じっている。
「ハワイに行けるって聞いたから、戦っていたのだ。
でも、皆、なんだか変なのだー。
せっかくハワイに行けて楽しいはずなのに、
怒ってるのだ」
「この子は悪のポムクルさんになってないのか……」
栄斗がつぶやく。
例外的に普通のポムクルさんも交じっているようだった。

悪の力に影響されて、ポムクルさんたちは暴れ始めているらしい。
しかし、このままでは収まりそうにないので、
悪のポムクルさんは倒すしかない。
それに、ポムクルさんなら、死んでも復活するのである。

「普通の人間や契約者は死んだら死んじゃうんだよ!」
睦にお説教され、捕まった普通のポムクルさんは青ざめる。
「そんなに悪いことだとは知らなかったのだー!」
「全く……常識が通用しないんだから……」
改心したポムクルさんは、
罪滅ぼしに補給基地を手伝ってくれることになった。