校長室
【サルヴィン川花火大会】花火師募集!?
リアクション公開中!
終章 そして…… 花火大会も終わり、作った線香花火を手に静かで暗いところを歩いていたレオン・ラーセレナ(れおん・らーせれな)は、すすり泣くような声を聞き、歩みを止めた。 辺りを見回して見ると、そこにはパートナーの紅月の姿がある。 「おや、紅月じゃあないですか。何を泣いてるんです?」 訊ねるレオンの声に、気付いて視線を上げはするものの、答える様子はなく、また、泣くのを止める様子もなかった。 「ねぇ、私の可愛い紅月がそんなに泣いてたら、私も悲しいですよ」 平常であれば、怒られるだろう、そんな言葉を紡いでみても彼は怒りもせず、やはり泣いているばかりだ。 「珍しい……今日は怒らないんですね。泣いてばかり。もう、帰りましょう。帰ってから話を聞きますよ」 レオンは彼の肩を抱くと、帰路へと導く。 紅月は顔を伏せたまま、レオンと共に、帰って行った。 「改めて、お誕生日おめでとうですぅ」 明日香はエメネアへとそう声をかけ、持って来ていたプレゼントを渡した。 「あ、開けてもいいですかーー!?」 そのプレゼントを受け取ったエメネアは、心を躍らせながら、明日香に訊ねる。彼女が小さく頷くのを見ると、早速包みを開けた。 出てきたのはランドセルだ。 その中に、折りたたまれたいくつかのエコバッグやウェストポーチ、ポシェットなどが入っている。 「バーゲンに行く時のお供として是非に」 「ありがとうございますーー!!」 様々なバッグを見て、エメネアは喜んだ。 その様子に明日香も自然と笑みが零れる。 「花火果て 散り散り行きし 袖別る」 会場からの去り際に、詩穂はまた一句、口の端に乗せた。 (出遭ったこと、そして今日のことはきっとみんなの想い出に残るよ、……ね) 思い思いの帰路に着く皆の様子を眺めながら、ふとそんなことを思うのであった。
▼担当マスター
朝緋あきら
▼マスターコメント
朝緋あきらです。 此度は、花火玉作成や花火大会への参加ありがとうございました。 そして、お返しするのが遅くなって、すみませんでした……。 皆さんの楽しめた様子が描けていれば、幸いです。 また、お会いすることがありましたら、よろしくお願いしますね。