薔薇の学舎へ

波羅蜜多実業高等学校

校長室

葦原明倫館へ

闇世界の廃校舎(第2回/全3回)

リアクション公開中!

闇世界の廃校舎(第2回/全3回)

リアクション


第11章 向かう先はただの闇か・・・ナラカか

-AM5:00-

「謎は解けましたか?」
 ようやくゴーストから離れ、刀真とルイスが美術室に戻ってきた。
「解けたでござるよ」
「それはよかったです。・・・で、その手に持っているのは何ですか?」
「人の首のようでござるな」
「―・・・本物ね」
 片手で髪を掴んで見せるゲッコーが持つ生首に、月夜は顔を顰めて言う。
「ほ・・・本物なんですか!?」
 生首を素手で掴んでいた真人たちは、目を丸くして驚愕の声を上げる。
「作り者ではないようだな」
 ボソッという龍壱に対し、イーオンは生首から手を放す。
「これとあのチェーンソーのゴーストたちを一緒に燃やせばいいのか?」
 床に転げ落ちたのを速人が拾い上げた。
 美術室を出ようとすると、ドスンドスンッと足音を立てて何者からが近づいてくる。
「ゴーストの大群が来たぞ!」
 ヴァルフレードたちが部屋の中へ駆け込みドアを閉めた瞬間、ゴーストがガタガタッと戸を開けようとする。
 侵入してこないようにドアを押さえていると、隙間からチェーンソーを刺し込んできた。
「このままだといつ侵入してくるかわかりませんね」
 ドアを押さえながらルイスは頭の中で対策を考える。
「ひょっとして台座に入っていた首が欲しいだけなんじゃないですか?」
「そうだといいんだがな・・・くうっ!」
 避けるのが遅れていたらチェーンソーで足元を斬り裂かれていた。
 ドアから手を離してしまい、ゴーストたちが侵入してきてしまった。
「仕方ない・・・これを持って校庭へ出よう!」
 黎たちはゴーストたちの首を持って、美術室から駆け出ていく。



「はぁ・・・はぁ・・・・・・今日1日でどれくらい走ったんでしょうか」
 校庭に辿りついた刀真は息を切らせていた。
「この人たちには触れさせない!」
 生存者たちを守るため、襲いかかろうとするゴーストに向かってアリアは雷術を放つ。
「追ってきたでござるー!」
 生首の髪を掴みながらゲッコーが駆け寄る。
「ついて来たのはそれで全部でしょうか・・・」
「あぁたぶんな」
 数を確認する真人に、速人が答えるように言う。
「これを返してやればいいのか?」
「来ないでほしいでござるー!」
 ゲッコーがゴーストに向かって生首を投げつけると、それらはピタと足を止めた。
「どうやらそうみたいだな」
「早く渡しましょう!」
 残りの首を真人がゴーストの方へ放り投げると、彼らはそれを拾い校舎内に入っていく。
 後をついていくと、亡者たちは暗闇の中に姿を消していった。
「ナラカへ行ったのでしょうか?」
「さぁな・・・少なくともこの校舎にはもう現れないだろう」
 速人たちはどこかへ去っていく死者を見送った。



-AM6:00-

 トンネルの外に出てた生徒たちは、それぞれの学園へ戻っていった。
 カガチと真は痛む傷を抑えながら歩いていた。
「SPが途中で切れてしまって、ヒールで治しきれませんでしたね。後でちゃんと病院行った方がいいですよ」
「これくらい平気さ」
 心配そうな顔をして言うなぎこに、カガチは気丈な態度をとる。
「私が手術してあげてもいいですよ?」
「あー・・・やっぱりちゃんと病院で診てもらうか」
 病院へ行かないなら自分が治してあげようという幸に、首を左右に振りカガチと真は病院へ行くことにした。
「さ、今日も登校だぞ。俺達の戦いはこれからだ!」
 やる気なさげに政敏が朝日向って言う。
「貴方はいつもやる気ないんですよね」
 カチュアはじっと目で政敏を見ながら突っ込みを入れる。
「やる気がないのが政敏だし『ぐうたら』らしいわね」
 何を今更と、笑いながらリーンが言う。
「おい武尊!せっかくビデオに撮ったのに誰も買わなかったぜ!」
「そういうマニアなら買うと思ったんだがな」
 廃校舎の様子をビデオに撮った又吉が、マニアに売ろうとしたが買い手が見つからなかった。
「どうやらゴーストたちは人体実験で作られた可能性が高いようだね・・・」
「えぇ・・・とても非道な行いです。許せませんよ・・・それが強い怨念となってあの町をあんな状態にしてしまったかもしれません」
「(さて・・・また謎が増えてしまったな・・・)」
 ゴーストたちが人体実験で作られているのではと思ったニコは、町について以外に大量発生する亡者たちの存在について考え込んだ。

担当マスターより

▼担当マスター

按条境一

▼マスターコメント

皆さまお憑かれさまでした、按条境一です。
さてさて、奇妙なゴーストたちの出現は人為的なのかどうか。
まだまだ分からないことがあるようですが、病棟と合わせてシナリオ内でその内容が少し書かれていたりします。
人為的なら何のためなのか、もしもそうなら動機も理解できるでしょうね。
そして・・・疲れると・・・憑かれるの言葉は間違えていません。
何故って?
そこはそれ・・・お気になさらないでください。
今回も、一部の方に称号をお送りさせていただきました。

では、続きまして今回の謎解きの説明をさせていただきます。

騎士は常に王の右側に控えている。
という言葉の意味は、右側にカードがある・・・というのは通常の並びの状態です。

しかし4人の騎士は王の背後を狙っていた。
この言葉の意味は、“大貧民でいう革命”にあたります。
同じ数字のカードを4枚出すと、カードの強さが逆になるのです。

女王も王を疎ましく思う。
という言葉は、以上を踏まえて考えるとキングより強い位置につこうとしている、ということになりますね。
カードの並びは・・・。

北(前)6のカード、北東(右前)7のカード、東(右)8のカード 、南東(右後)9のカード
南(後)10のカード、南西(左後)ジャックのカード、西(左)クイーンのカード
北西(左前)キングのカード

トランプゲームの大貧民で考えると、このようになります。

さて・・・フランケンのおっちゃんたち何か言いたいようなので代わります。

ヘルド
「皆生きているかーい?
―・・・・・・生きているようだ。
んー・・・今回も重症な人がいるようだな。
本来なら病院へ入院して1回休まなきゃいけないんだがな。
それは前回もいえることだが。
あぁそうそう正解者がいないから、酷いマスターがチェーンソーの化け物を次回も徘徊させようと考えていたようだ・・・」

ルフナ
「いやぁ〜皆はんお疲れさんどすー。
沢山の人がうちらを探してくれたようやね、おおきに。
ほんま命知らずのお人ばかりやねぇー。
これ褒め言葉どすぇ」

ラビアン
「まぁ、とりあえず感謝ね♪
マスターが今回送った称号の一部に、変なのがあるわよ。
ちゃんと真面目に考えているのかしら?」

ヘルド
「ちょっとお前たち、なんで勝手に割り込んでいるんだ!」

ラビアン
「何よぉー、細かいことは気にしないー気にしない♪」

ジューレ
「はぁ・・・こんな面倒ごとに二度と関わりたくないな」

ルフナ
「そないなこと言わんと、また行きまひょ」

ジューレ
「お前たちだけで行け・・・オレは行かない。
無理やり起こしたらどうなるか・・・分かっているよな?」

ルフナ
「怖っ、いつものジューレはんに戻りよった!そう睨まんと、ええやないか。
あんさん寝ているか絵描いているかどっちかやないの」

ラビアン
「そうそう、大勢の方が楽しいし♪」

ヘルド
「(駄目だこいつら・・・全然反省してないな。)
ということで・・・縁があったらまたな」