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リアクション
■■■シナリオガイドよりも詳細な前回までのあらすじ■■■
イルミンスール魔法学校の校長室で、アーデルハイト・ワルプルギス(あーでるはいと・わるぷるぎす)が殺された。
アーデルハイトに最近雇われ始めた老眼鏡執事のセバスチャンは、狼狽して、
イルミンスール魔法学校校長エリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)に報告した。
「ア、アーデルハイト様が……し、死んでいます!!
し、しかも、2人も!!」
セバスチャンの言葉通り、胸と背中に銃痕のあるアーデルハイトの死体が2体転がっていた。
しかし、エリザベートは、いつもどおりののんびりした口調で、
「なーんだ、たししたことじゃないのですぅ。
超ババ様に何かあったら、パートナーのわたしもただではすまないのですぅ」
と、一蹴した。
そのとき、校長室の扉が勢いよく開け放たれ、アーデルハイト本人が入ってきた。
「私を殺すとは……しかも、2回も殺すとは許せん! 絶対捕まえて処刑するのじゃ!!」
「ええ!? アーデルハイト様!?」
「こんなこともあろうかと、予備の身体を用意していたから良かったものの、
その場で復活したら、至近距離からまた撃たれたのじゃ!!」
アーデルハイトが派手に殺されても平然と復活するという噂は本当だったのである。
もちろん、不死の存在とはいえ、
魔女がその場で復活するなどということは、通常では決してありえない。
強大な魔力を持つ、特別な存在である、アーデルハイトだからこそなしえている、
アーデルハイトの特殊能力である。
「よい子も悪い子も真似しちゃだめなんだぜ! ファイヤー!」
「エリザベートは『たししたことじゃないのですぅ』とか、
噛んでるんだか、素なんだかわからないことを言っているざんすが、
アーデルハイトだから、いくらぶっ殺されても平気でいられるってことざんす!
魔女だからって、同じことやろうとしたら、とんでもないことになるざんす!
蛇足かもしれないけど、一応、言っておくざんすよ!」
魔法学校の熱血男子生徒、ジャック・サンマーと、
ザンスカールの森の精、ざんすかは、
事件を前にやる気を見せる。
「超ババ様、いったい誰に恨みを買ったんですかぁ?」
「そんな覚えはない!
犯人の姿は見えなかったが、
『あたいのチャンを……チャンを返せ!!』と、言っておった。
どうやら父親について恨みがあるらしいが……。
私にはまったく身に覚えがないのじゃ!!」
エリザベートの問いに、アーデルハイトは不愉快そうに断言する。
セバスチャンを犯人扱いしてぶっ飛ばそうとするざんすかの暴走を、
ジャックがかばってラリアットを受けたりしている間に、
またしてもアーデルハイトは殺された。
何者かが、至近距離で発砲したのである。
「2度ならず3度までも……絶対に許さんぞ!!」
またしても復活したアーデルハイトが叫ぶ。
かくして、学生達が事件解決のために集まった。
校長室で現場検証したり、
推理合戦をしたり、
アーデルハイトの護衛をしたり、
アーデルハイトの死体を欲しがったり、
アーデルハイトを殺してみたり、
悪いことしたせいでぶっ飛ばされたり、
吊るされたり、
お星様になったり、
ジャタの森の精、じゃたを呼び出したり、
アイドルグループ「イルにゃんスール」を結成している間にも、
真犯人にアーデルハイトは殺されまくり、
合計300回くらい死んだが、復活した。
アーデルハイト以外の人物を殺せずにいたため、追い詰められ、
タコの墨によって光学迷彩を破られ、姿を現したのは、
真犯人の暗殺者、黒髪ボブの10歳くらいの少女、
朝臣 そるじゃ子(あさしん・そるじゃこ)であった。
そるじゃ子は、パートナーである「チャン」、クマの姿のゆる族セバス・チャンが
アーデルハイトに殺されたと思っていた。
「ゆる族のセバス・チャンは、
血みどろの世界で生きるあたいの唯一のやすらぎと親代わり的な存在になったんだ!!
せっかく組織を足抜けして、シャンバラで平和に暮らしていたのに、
アーデルハイトが魔法でチャンを殺したんだ!
あの魔女と正面からやりあったんじゃ命がいくつあっても足りない。
そのとき、絶望したあたいの前に鏖殺寺院の奴が現れて、
「魔女殺しのリボルバー」を授けてくれた。
「魔女殺しのリボルバー」の「恨み弾丸」は魔女に致死ダメージを与えられる。
願ってもない話だったよ。
あいつらは強大な力を持つアーデルハイトを殺したい。
あたいは個人的に敵がうちたかった。
だから殺そうとしたんだ!
なのにあいつ、次から次に生き返りやがって!!」
しかし、実は、成体になると脱皮するゆる族の部族出身であった
セバス・チャンは、
ゆる族の部族の掟により、クマの姿は、
『人気のある生徒リンネ・アシュリング(りんね・あしゅりんぐ)の
パートナーのモップス・ベアー(もっぷす・べあー)と被っているのでNG』
ということになったので、
脱皮したのだった。
そのとき、クマの着ぐるみから出られず困っていたところ、
アーデルハイトに魔法で着ぐるみを破壊してもらい、
「老眼鏡執事のセバスチャン」として、
アーデルハイトに仕えていたのである。
老眼鏡執事として生きるため、自分の正体を秘密にしていたこと、
また、自分が殺されたと思ってそるじゃ子が飛び出していったため、
報告が遅れたことをセバスチャンが詫び、そるじゃ子と感動の再会を果たす。
そるじゃ子の所持していた、「魔女殺しのリボルバー」は、
アーデルハイトへの恨みが消えるとともに消滅し、事件解決かと思われたが、
鏖殺寺院の暗殺者集団、「MK5」(魔女を 殺す 五人衆)が、
メンバーであったそるじゃ子失敗を受けて、新たな刺客を差し向けるのであった。
「ウィニイイイイイイイイイイイイイイイイイング!!」
かくして、全身黒い衣装の男が、血走った目をぎらつかせながら、森を突っ切って、
世界樹イルミンスールに向かって来ていた。
「奴の名は、ウィニング・ウィザード・ザ・ニンジャ。
あたいに「魔女殺しのリボルバー」を授けた男さ。
奴の必殺技は、
魔法忍術・設定崩壊ビーム!!
相手に変な設定をつけ、アイデンティティー崩壊を起こして廃人にするのさ」
窓の外を見つめながら、そるじゃ子が、ハードボイルドに言う。
「アーデルハイトをおおおおおおおおおおお、
『本当は巨乳で、いくら食べても太らない体質』
にしてやるぜえええええええええええええええ!!」
「なんじゃと!?
そいつ、いい奴じゃないか!!
ぜひ、そのビームを受けたいものじゃ!!」
「超ババ様、
アイデンティティー崩壊して、廃人になるって言ってるじゃないですかぁ。
実は、貧乳であることを気にしていて、
体型維持のためのエクササイズを必死にやっている、
超ババ様のアイデンティティーを破壊しようとするなんて、
なんて恐ろしい奴ですぅ!!」
アーデルハイトが色めき立ち、エリザベートがツッコミを入れつつ戦慄する。
「本気で殴るぞ、エリザベート。
ともあれ、私を殺したことは許せん!!
そいつを処刑するのじゃ!!」
アーデルハイトが、そるじゃ子をにらみつけて言う。
「もう面倒くさいざんす!! 元はといえばセバスチャンのせいでややこしくなったざんす!!
そるじゃ子もセバスチャンも2人とも殺してしまえばいいざんす!!」
ざんすかも、いつもながらに乱暴な発言をする。
「今はそんなこと言ってる場合じゃないぜ!
なあ、忍者野郎を倒す方法はないのかよ!?」
ジャックがそるじゃ子に訊ねる。
「奴に対抗するには、
「秘技・設定崩壊返し」
を食らわしてやればいいのさ。
鏡で、「魔法使いでしかも忍者」という自分の姿を見せてやることで、
ウィニングは人格崩壊する!!」
「よし、じゃあ、そるじゃ子も一緒に戦おうぜ!
それでアーデルハイト様に許してもらえばいいじゃないか!! ファイヤー!!」
「ああ、チャンを殺されるわけにはいかないからね。
本当は恩人だったアーデルハイトのためにも、あたいも協力を惜しまないつもりだよ」
「私も戦います!
アーデルハイト様をお守りして、今度こそ恩に報います!」
セバスチャンも、決意を表明する。
「いや、ウィニングは倒さなくていいぞ。
このまま奴のビームを……」
しかし、相手は鏖殺寺院、
しかも、凄腕の暗殺者集団、「MK5」の一員なのである。
「イルミンスールの中枢で、これ以上、テロを横行させるのはわたしがゆるしませぇん!
なんとしても、ウィニング・ウィザード・ザ・ニンジャを倒すのですぅ!!」
「いや、だから、倒さなくていいぞ。
私は奴のビームを浴び……」
この事件を解決できるかどうかは、学生達の手にかかっているのである。
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