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リアクション
■
「鬼さん、こちらぁ〜。ほい、ほい、ほいっとぉっ!」
トントントンッ。
明日香は自由に部屋の中を飛び回る。
一方のペルソナは、やはり運動不足の所為か?
もはや足下がおぼつかない。
「お〜の〜れえ〜。小娘! か、覚悟、しろお〜っ!」
ヘロヘロの足取りで追い掛けて行く。
「今ですぅ〜!」
明日香は全員に号令をかける。
呆れ顔で眺めていたメニエスの表情が一変したのは、次の瞬間だった。
陽太が「星輝銃」を放った。
ペルソナがとっさにかわした所に、美羽が「強化型光条兵器ブライトマシンガン」を構える。
「本人の体に、直接当たっちゃえっ!」
けれどその弾は確かにペルソナに当たったはずだが、彼は平然としている。
「だからあ〜、魔法対策は完璧だって! さっき言ったでしょ?」
「何で! 史上最強って、自称じゃなかったのお!?」
「けれど、まだ手はあるわ!」
躍り出てきたのは、四方天 唯乃(しほうてん・ゆいの)だ。
「護国の聖域」を素早く使う。
狼の耳と尾が生えているのは、「超感覚」を使った所為だろう。
「魔法が駄目なら、体術あるのみよ!」
そして得意の「武術」で魔術を追い詰めて行く。
「俺も加勢するぜ!」
「隼人!」
窓から隼人が飛び込んできた。
「2人がかりなら! だから、片割れは……」
「大丈夫です! 隼人」
陽太が言った。
美羽が彼の前に立つ。
「彼女は私達に任せて!」
「ふん、あたしに勝てるのかしら? 蒼空学園のアイドルさん」
2人を見据えて、メニエスは不敵に嘲笑う。
だがその表情には余裕がない。
(多勢に無勢だわ! 頭がものを言うわね)
ちらっと蝋人形達に目を向ける。
(大事な人質共だけど……)
■
戦いは長引いた。
「これで、最後だ!」
千歳が綾刀で叩き込む。
鳩尾に当たって、ペルソナは咳き込む。
だが、同時に千歳も崩れ落ちた。
「えーん、ダーリン頑張ってえー!」
という、リッチェンスの声も力にはならないようだ。
「おにーちゃんもねえ、もう駄目なの?」
ノーンが陽太の鼻先を竪琴でツンツンする。
陽太も荒い息で、片膝をたてるが立ち上がれない。
見れば、朔、紗月、隼人もその場にうずくまっている。
「蝋人形化の影響って奴? もしかして」
「皆、しっかりするのだっ!」
デーゲンハルトは「ヒール」で元気づける。
「あとひと息であろう!」
「俺も少しは手伝うかな?」
皐月は「ファイアプロテクト」と「アイスプロテクト」で、全員の魔法防御力を上げる。
「ついでにこれでも試すか?」
「驚きの歌」をペルソナに向けて歌う。
「な、何だ? この歌は?」
酷く驚いたペルソナは、忙しなく周囲をキョロキョロ。
(自称)史上最強の魔術師に、隙が生まれた。
「俺が囮になりますから。月夜、頼みます!」
短い打ち合わせの後、スウェーを自身にかけて刀真は敵の前に躍り出た。
ソニックブレードで、斬りつける。
が、味方の回復中にペルソナも自身の回復に努めていたらしい。
先程よりは足取りも軽く、刀真の軌跡を追いかける。
「『解呪薬』を下さい……駄目? じゃあ死ね」
ザンッ。
ペルソナの足元を狙う。
サラリと逃げる。
「あー、私にも手伝わせて下さいですぅっ!」
明日香がハンドガンを撃ち込み、ペルソナにヘタな踊りを踊らせる。
足が絡んで、そのまま家具に倒れ込む。
「今だわ!」
漆髪 月夜(うるしがみ・つくよ)は迷わなかった。
レッグホルスターに納めているハンドガンを抜き撃った。
だがその照準は、メニエスの「その身を蝕む妄執」で狂わされる。
月夜が見たのは、自分のハンドガンで己の利き足を射ぬかれる幻想だ。
「月夜さん、くそっ!」
「陽太、焦っちゃ駄目!」
美羽は強化型光条兵器ブライトマシンガンを構えるが、メニエスの攻撃は容赦ない。
それどころか「ブリザード」、「アシッドミスト」と全員に襲い掛かり、ペルソナを援護する。
「こうなったら『先の先』、先手必勝だ!」
エルは、誰よりも攻撃を早くかけることを優先する。
その分危うくなる防御力を「心頭滅却」と「エンデュア」でカバーする。
「これで、どうだあ!」
メニエスが構えるより早く、左の拳から腹部目掛けて「遠当て」を。
右の拳から本命の「遠当て」を、ペルソナの顔面に向けて放つ。
腹部のダメージこそなかったようだが、「顔面」はそれで十分だった。
「ということは、あのきったないマントが怪しいぜ!」
「軽身功」で壁を走る。
メニエスの「雷術」も追いつかない。
ノックアウト寸前のペルソナは、フラフラになりながらも相手を追い掛ける。
エルはその軌跡を見極めると、天井を蹴って反動で勢いをつける。
「雷光の鬼気」を纏った蹴りを放った。
ペルソナは倒れない。
だが美羽と陽太に足止めされて、メニエスもペルソナを援護できない。
「くう、こうなったら!」
ペルソナは「アシッドミスト」を使う。
不意の反撃に、エルは面食らう。
これを機にペルソナは、肩で荒い呼吸をしつつも「アシッドミスト」を立て続けに使用し、形勢の逆転を図る。
「これじゃ、紗月ちゃんの体力が持たないです!」
一瞬でカタをつけるしかない!
美央は決心した。
「紗月ちゃん、お願いします。魔術師さん! こっちを見て!」
美央は光術で眩しく発行させて、ペルソナの注意を引く。
ん? とペルソナは攻撃の手を止める。
その隙に「精霊の知識」をペルソナに使う。
「し、しまったあっ!」
と叫んでも後の祭り。
彼の魔法防御力は低下してしまった。
「おのれ、小娘えええええ〜〜〜〜〜〜〜っ!」
ペルソナは攻撃の姿勢に入る。
(でも、そんなことはお見通しです!)
美央は「ファランクス」を使った。
「タワーシールド」と「忘却の槍」で、受けきるつもりだ。
だが――。
「何言ってんですかっ! こっちのことはお忘れですぅ〜?」
「そうですよ、赤羽さん。君ひとりに大役を押し付けたりはしません」
明日香と刀真が武器を構えて、ペルソナを挑発する。
その隙に、「先の先」と「超感覚」で一気に間合いを詰めた紗月が、鉄拳制裁の体勢に入っていた。
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