薔薇の学舎へ

波羅蜜多実業高等学校

校長室

葦原明倫館へ

合コンパーティにバトルにお爺さん孝行!?

リアクション公開中!

合コンパーティにバトルにお爺さん孝行!?

リアクション

「赫夜とぉ〜お酒でもどうかと思って〜『パラミタ美少年』って言う良いお酒が手に入ったの〜」
「…そ、それはか、かんべんしてほしいかな…明日パーティだし…」
 にっこりと微笑む祥子に凍り付く赫夜。
「冗談よ。…それにしても、よっぽどトラウマになっているのね」
「あ、当たり前だ。あのあと私は二日酔いどころか三日酔い、四日酔いしたんだぞ」
「飲んだのは赫夜じゃない〜。意外と楽しそうだったわよ? そんなことより、ちょっとお節介かと思ったんだけど、確認したいことがあってパーティの前にお邪魔したってわけ。今時間ある? あ、真珠もよ」
「大丈夫だ。応接室のほうへいこう」
 応接室で真珠と赫夜の向かい合わせに座ると、単刀直入に祥子は話を切り出した。
「ねえ、赫夜と真珠はどうしたいの? どうなりたい?」
「え…? どういう意味でしょうか」
「真珠はお爺様とだけでなく自分の恋もどう思っているの?」
「それは、まだ、よく分かっていなくて…自分がどうすればいいのか、分からないの」
 真珠は目を伏せる。
「私はあなたたちのお爺さまのやり方って、ちょっと強引だと思うわ。でも、これもチャンスの一つよね? お爺様との仲直りは自分からこうだと思いをぶつけて押し通すことも必要なはず…」
「確かに私もそうは考えている。理さんについても、ある意味、決着をつけなければいけないって思ってる」
「赫夜は、自分の好きな人にちゃんと伝えてるの?」
「…そ、それは…でも、私としては気持ちは伝え、つたつたつつつつつつ…」
 赫夜は緊張のあまりか、ろれつが回らなくなっている。
「その調子じゃ進展は全くなさそうね! 想い人がいるならこの人が好きだとはっきり伝えなきゃ! その人への気持ちに正直になることでもあると思うわ! 真珠も溜まりに溜まった物全部洗い流すためにお爺さまに自分の気持ちをぶつけなきゃいけない」
「そう…ですね」
「…で2人は誰のことが?異性として好意愛情全部ひっくるめてね」
「…私には、そういう人はいないです。にゃん丸さんはリリィさんが好きだって分かってるし、そこにずかずか割り込む気はないんです。今はそれよりもお爺さまとどう接するべきなのか、そのことで頭がいっぱい。みんな励ましてくれるから、一生懸命頑張るつもり」
「赫夜はどうなの? たぶん〜あなたの意中の人はぁ〜巫女萌えらしいわよ? いい具合に巫女服があるけどどうする? 着るなら付き合うけど!!」
 一気にたたみかける祥子。
「わ、私は」
「邪魔するぜ!」
 祥子がらんらんと瞳を輝かせてある人物の名前が出てくるのを待っているとき、さっと障子が開いて、鈴木 周(すずき・しゅう)弥涼 総司(いすず・そうじ)が現れた。
「出たわね! こののぞき部が!」
「おっと祥子。そんな汚らわしいものを見るような目は止めてくれよ。俺たちも、祥子と同様、赫夜と真珠を心配してやってきたんだぜ!」
「そのとおり」
 総司もうんうんとうなずく。
 さらにそこに
「俺のことも忘れないでくださいよ」
 如月 正悟(きさらぎ・しょうご)が現れた。
「……よう、元気だったか? お前がいなくて寂しかったぜ。 ずっと、ずっと会いたかったんだぜ。愛してる」
「…何に語りかけているのだ? 周殿…」
「ん? 決まってるじゃねえか! 赫夜の『おっぱい』たちにだよ! いやあ、ますます張りが出て、形もパーフェクトだ! しかもこの香り…風呂上がりか! 素晴らしい! 穢れなき無垢なるおっぱいだ! 真珠! 心配するな、お前のちいぱいも個性があって可愛らしいぜ!」
 じわじわと赫夜の胸に近づく少々鼻息が荒くなっている周の顎を、赫夜の膝がげしっと蹴り上げた。
「フゴ!」
 周の身体は宙を舞い、どうっと音を立てて大きな応接室のすみへと着地する。ぴくぴくっとしばらく痙攣したかと思うと、その後、周は動かなくなった。
「ああ、すまない。周殿。私の膝も周殿の顎に会いたくて仕方がなかったようだ」
「が、がふんがふん…」
「…ま、あの、その、あれだ。オレもあいつのようにならないように、と言いたいところだが、赫夜。あ、あえて勇気を出して言おう」
 総司の口上に祥子は
(またろくでもないことを考えているみたいね…)
 と観察眼を光らせていた。
「オマエあの弓削とかいう野郎と付き合う気はねえんだろ?」
「それだけは断言できる」
「そしてオマエの好きなヤツがその弓削って野郎と戦う事になるかもしれないと…。オマエの好きなヤツが負けちまったらオマエどーすんの? もしかして弓削と付き合ったりとか?」
「そんなことは断じてない!」
 赫夜はその言葉に動揺したようだった。
「そこでこのオレに良い作戦がある! オマエがセクシーな格好をして好きな男を応援する! 純なようだが男なんてバカだからな応援されりゃあ、いつもより力が出るし弓削の野郎は意気消沈するだろうよ」
 とまくし立てる。
「え? 俺も是非、赫夜さんにはオススメしたい案があるんです!! 巫女服!」
「あ、それ私も提案してた!!」
「まじですか!? さすが祥子さん!! 祥子さんなら分かってくれると思ってました!」
「正悟もやるじゃない!」
「しかも巫女服に猫耳! これは効きますよ!」
「キャー! 私も着たい〜!! てか、正悟も猫耳つけちゃいなさいよ!」
「え? 俺もですか?」
「これで巫女応援団結成よ!」
「…お楽しみ中のところ、申し訳ないんだが、ちょっと話についていけない」
 赫夜は真珠とおろおろしている。
「良い案じゃないか…よし、赫夜! セクシーポーズもしっかり叩き込んでやるぜ! これからはオレをコーチと呼びな!」
 総司もノリノリになってくる。
「ええ!?」
 赫夜と真珠は固まってしまう。
「真珠〜今からお前の姉さんはハードな特訓に入る! ピュアなお前には刺激が強すぎる! 悪いがここは去ってもらおう!」
「ね、ねえさま!」