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学園祭に火をつけろ!

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学園祭に火をつけろ! 学園祭に火をつけろ!

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 そこから時間がやや進む事二十分。随分と席が空きはじめたのは恐らく、昼食時が終わったから、だろう。
調理場を担当していた面々は、何とか仕事をこなしきった事を讃えあっている。
「ふぅ! お疲れ様、皆……」
 流石に疲れたのか、ネージュは大きく息を吐きながら一同に言った。
「中々の死闘でしたわ。我らの完全勝利でございますけど」
 やりきった顔でそう言ったのはジーナである。隣では樹が肩で息をしていた。
「くそー……まだ戦闘訓練の方が幾分かマシに思えるぞ……ホント」
「俺たちももう少し早く来れたらな…」
「あの、私……その、お役にたてましたか……?」
「助かったのですよぉ……皆さんがいたから出来た様なものですぅ………」
 到着が遅れた事を悔やんでいる竜斗と、不安げなユリナに対してお辞儀を返す舞衣奈。
「ねぇねぇ、この間違えたカレー、お昼御飯に貰っても良いかなっ」
 リゼルヴィアがネージュに訊ねると、笑顔で彼女は頷き、リゼルヴィアがその皿を持って台から降りた。
「皆さんも、好きな物言ってよ。頑張ったから皆でご飯にしよう!」
「「はーいっ!」」
 何処か、連帯感の様なものが備わったらしく、一同が同時に返事をした。
「では皆さん、皆さんが昼食を取る間位は僕が調理場に立ちましょう」
 帰ってきてからフロアを手伝っていたウォウルが厨房に入りながらそう提案する。
「貴方様が『変質者』でやがりますね!」
「お、おい! ジーナ、みんなが忘れた頃にっ!」
「おや、僕は変質者ですか。いやはやこまりましたね」
「ほら、変質者と呼ばれてヘラヘラしている段階で変質者ですわ!」
「いい加減にしろ、ジーナ。にしても、だ。ヘラ男。あんた料理とかできんのか?」
「わからなかったら聞きに行きますよ。さぁ、皆さん。ご飯を作って休んでください」
 今度はわいわいと、楽しげに話しをしながらそれぞれの昼食を作り始めた一同。改めて、と、互いに讃えながら、賑やかに調理している。


 調理場の面々に休憩を進めたウォウルは、フロアの面々にも同じ内容を伝える。
「しかし――、我らが休憩してしまうと接客する者が居なくなってはしまわないか?」
 ミリーネが不安そうに呟いた。
「こた、まらできうろ! おりょーりはこびゅの、たのしーろ!」
「そこら辺はどうするの?」
 コタローは『まだまだ!』とばかりに意気込み、北都は実質的な質問を投げ掛ける。
「時間的に昼食時は終わりましたし、これからぽつぽつと舞台発表やなにかがはじまりますからねぇ…。先ほど祥子さんの様子を見てきましたが、準備も出来てきたみたいですし、彼女に協力して貰おうかと。午後からの方たちもその内みえるでしょうしね、なんとかなりますよ。多分ねぇ」
「北都殿、リオン殿、結衣奈殿! どうやらお三人は朝から忙しかったと聞く。是非とも休んで欲しいのだが」
「うっ! みいーねおねーしゃといっしょに、こた、がんばうろっ! ほくとおにーしゃと、いおんおにーしゃと、ういなしゃんは、おやしゅみ!」
「ありがとうございます、お二人とも。では北都。私たちは少しお休みを頂くことにしましょう」
「そうだね。此処は二人と祥子さんに任せて、僕たちも休もうか」
「うーん! ボク頑張ったよ! そうだ、休憩の時に祥子おねーちゃんからさっきの甘いお茶もらっちゃおっと!」
 頑張った! と、伸びをした結衣奈が元気に言った。かくして話が纏まったのか、リオンが祥子を呼びに行き、フロアの三人は調理場へと向う。
ふと、北都が立ち止まり、首を傾げて一人呟いた。誰にともなく、誰に聞かれるでもなく。
「あれ、そう言えばウォウルさん。休憩しないのかな」