リアクション
◇ ◇ ◇ 刀真たちの作戦がまとまる頃。 別の場所でお菓子を引いてしまい、引きつった笑いを浮かべているセレンフィリティ・シャーレット(せれんふぃりてぃ・しゃーれっと)と呆れているセレアナ・ミアキス(せれあな・みあきす)がいた。 「流石にお菓子を鍋の中に入れるわけにもいかないし……とにかく、お菓子じゃお鍋なんてできないわ!」 「セレンなら普通に鍋に入れると思うけど」 「入れないわよ! こうなったら見つけた人、片っ端から襲撃するしかないわね」 セレンフィリティはスポンジ製の槍をセレアナに渡し、自分はスポンジ弾が入っている銃の確認をすると、気合を入れると森を突き進んでいく。 セレアナはため息をひとつついてから後を追う。 ……… ……… ……… 樹の陰に身を潜めているセレンフィリティを見つけたセレアナ。 セレンフィリティの視線の先には1つの麻袋を挟んで向かい合っている橘 舞(たちばな・まい)とブリジット・パウエル(ぶりじっと・ぱうえる)がいる。 「どうするのよ、これ……」 「なに言ってるの、これはヴァイシャリー産の最高級よ。蛋白な中にほどよい甘さもあって、鍋に合うはずなんだから、絶対死守しなきゃダメなんだから」 「最高級と言ってもこれは、ちょっと」 戸惑う舞にブリジットは、麻袋に入っている肉がいかに美味なのかを語る。 そこへやや乗り気がイマイチのセレアナが現れ、スポンジの槍でシーリングランスを繰り出してくる。 突然の襲撃になんの対応も出来ずに技を防がれてしまう舞とブリジット。 「これでも喰らいなさい!」 セレンフィリティの声が聴こえたかと思うと、どこからともなく放電実験の電撃が飛んでくる。 「「きゃーーーー!!」」 感電する舞とブリジット。木の陰から出てきたセレンフィリティは落ちている麻袋を漁る。 「ふふん。油断大的ってね。さぁて中身は何かな?」 麻袋から出てきたのはカエル。しばし固まるセレンフィリティ。正気に戻ると麻袋ごとべしっと投げ捨ててその場から逃げていった。 「いやーーーー! カエルーー!!」 「あ、待ってよ、セレン」 逃げていったセレンフィリティを追って麻袋は拾わずにこの場から去るセレアナ。 感電の麻痺から復活した舞とブリジットは起き上がり、投げ捨てられた麻袋を拾いあげる。なんとなしに視線が合う二人。 「えっと、助かったのかな?」 「一応、多分」 「そ、そっか」 無言が続き、ざわざわと風が吹いてくる。どちらかと言わずに移動を始めた。 ◇ ◇ ◇ チームを組む為に仲間を探している長原 淳二(ながはら・じゅんじ)。笹奈 紅鵡(ささな・こうむ)と出会う。 「あの、もしかして一人ですか?」 「そうだよ、あなたも一人?」 「はい。今、仲間を探しているところなんです」 お互い仲間を探している者同士、意気投合し共に行動することになった。 なんの食材を集めようかと相談し、とりあえず肉類を狙う事で話はまとまる。 「あ、あそこにいる人」 「えぇ、一人ですね」 紅鵡が眼で合図を淳二にする先には釣りをしている四条 輪廻(しじょう・りんね)の背が見える。 紅鵡はカモフラージュしながらスポンジ弾を発射させた。輪廻の足元付近に全弾命中する。 食いついていた魚に逃げられる。 輪廻の背に銃を突きつける紅鵡。 「動かないで」 「手に入れた食材を渡して下さい」 「……バカかお前らは、鍋なんだから大勢で食ったほうが楽しいに決まっているだろうが」 「だから?」 「俺と共に鍋を作ろうではないか、ということだ。ここに魚もある。これ以上新鮮な材料もないだろう。まぁ、味のほうは知らんけどな」 偉そうに上から目線で紅鵡と淳二を誘ってくる輪廻。紅鵡と淳二はそれを呑み、三人で行動を共にすることなった。 |
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