波羅蜜多実業高等学校

リアクション

　クロセル達が漁師鍋にカエル肉が入った鍋をつついている。

「さすが、鍋奉行の俺が指示してたおかげで美味しく出来ましたね！」
「鍋将軍の私もいたからだしぃ」
「なにを言います！　俺のお陰です！！」
「違うし、私だって！！」
「作ったのミーナなんだけど……」

　どちらが偉いのかでエスカレートしていく。
　舞が制止をかけようとするが、ブリジットが放っておくように言うので舞は放置する事にした。

「うーん。意外とカエル肉って美味しいんだ」
「そうよ。程良く甘みもあって良いでしょ？」
「うん。入っているのを知らなければ普通に食べれるね」

　以外と美味しいカエル肉に驚いている舞。

「あ、ミーナ約束があるから行って来るね」

ミーナは、お椀に作った鍋をよそって小次郎の元へ行く。

　一人で鍋をつついている小次郎。
　ちょこちょことお椀を持ったミーナがやってくる。

「ねー、約束の鍋持ってきたよ」
「ありがとうございます。こちらはこんな感じの鍋ですよ」

　お互いにお互いの鍋を食べる二人。

「うわー、アンコウってこんなに美味しいんだ！」
「トド肉とか珍しいですね。うまく匂いも消しているみたいですし、美味しくできましたね」
「ありがと」

　お互いに感想を言い合っているとティファニーたちがやってくる。

「ここの鍋を食べに来たヨ」
「先程は興味深いものを見せていただきました」

　小次郎は三人分をよそい分ける。

「うーん！　アンコウ鍋最高ダネ」
「美味しいでござるな」
「ほんと、美味しいですね」

　あっという間に小次郎が分けた鍋を食べ終わってしまう。
　佐保に話したくてうずうずしていたミーナは食べ終わったのを見ると、自分の場所へ引っ張っていく。

「真田先輩！　ミーナが作った鍋も食べて食べて」

　嬉しそうに佐保へ作った鍋を分けるミーナ。

「どうどう？　美味しい？」
「カエルにナマコ、トド肉でござるか……」
「うーん、なかなかの味ダネ」

　佐保の感想を言う前に自分でよそって食べたティファニーの感想が聞こえてくる。

「ちょっと、ミーナは真田先輩に聞いたのに！」
「このような奇怪なモノも鍋のひとつなのですね」

　房姫も少なめによそった自分の分をつついている。

　全員の鍋の試食を終えたティファニーたち。

「うん。みんな独創的な鍋を作ったネ」
「意外な組み合わせでおもしろかったでござるな。……このまま何事もなく終われれば尚更良いのですが」
「え？　なにかおっしゃりました？」

　佐保の呟きが聴こえた房姫が聞き返すが、佐保は言葉を濁してティファニーを不安げに見詰めた。