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「見つけた!!」
 ユーリは大きな声をあげた。
 その目の前には、司書長が倒れ込んでいた。
「……シャーッ……」
 司書長は、人間の言葉を話さなかった。
 むしろ蛇のような吐息に、ユーリの超感覚はメデゥーサが司書長に乗り移っている危険性を察知する。
「うわわ!?」
 慌てて、後ろにさがると司書長否、メドゥーサはゆっくりと立ち上がった。
 そして、目を開ける。
「目をみたらだめです!」
 石化の書は強く、ユーリに言ってきた。
 ユーリは慌てて、目を離す。
「僕は裏から回るから時間稼ぎをたのむよ、せっちゃん!」
「分かりました」
そう言うと、ユーリは静かに離れていった。
「とは言ってもどうしたものか……」
 石化の書はすかさずサイドワインダーにより左右から矢を放って見るが、メデゥーサはびくともしなかった。
 それどころか、メドゥーサである司書長の髪がショートからロングヘアーへと次第に長く伸び蛇のようにうねうねと動いていた。
 回り込んだ、ユーリにもその姿は見て分かった。
「まだ、覚醒してないのかな……今ならまだ行けるかも?」
 ユーリはメドゥーサへ向かって走り出そうとすると、背後の気配を感じ足を止める。
「せっちゃん!? なんで居る――」
 背後にいたのは紛れもない、石化の書の姿だった。
 だが、そんなことよりもユーリの体では異変が起きていた。
 ユーリは足下から徐々に硬直を感じ取っていた。
「違う……せっちゃんじゃない……偽物!?」
「ユーリ様!」
 本物の石化の書が遠くから声を上げながらユーリに近づく。
「近づいたらだめだよ、せっちゃ――」
 ユーリは声すら出せなくなり、完全に石化してしまう。
 それと同時に、石化の書も体が硬直化していた。
「私の同類!?」
 偽物も、石化の書と同じように石化させる類の本から具現化されたものだった。
 思わぬ出来事だった。
「私まで石化されるとは情けない……いや、そんなことより」
 自分とそっくりな顔立ち、髪型をしている。ただ一点だけ違う偽物の石化の書を見て怪訝そうにした。
「私の胸より小さいなんて……気に入りません」
 それを最後に石化の書は石化してしまった。