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リアクション

めい探偵による締めの挨拶

ブリジット・パウエル(ぶりじっと・ぱうえる) 金 仙姫(きむ・そに) 黒崎 天音(くろさき・あまね)



一晩中続いた宴もたけなわをとうに過ぎ、そろそろ退席するものもではじめた頃、檀上にあがり、マイクを手にしたのは、腕に代表の腕章をつけた、青いドレス、金髪の少女だった。
自信に満ちた表情で大広間全体を眺め、いったん、息を吸い込んだ後、

「みなさん。お疲れ様でした。
知っている人のほうが多いと思うけど、私はブリジット・パウエル。
百合園女学院推理研究会の代表にして、名探偵よ。
そこ。いま笑ったのは誰。
仙姫ね。
いやね。口になにかはいってるじゃない。
まったくしょうがないわね。
最後のあいさつくらいちゃんと聞きなさいよ。

結果として無事ノーマンを逮捕できたわけだけど、これは、今回の事件に限らず、墨死館からはじまった私たち契約者とあいつとの一連の戦いの成果だと思うの。
みんな、そうよね」

ブリジットが問いかけると会場からまばらな拍手がおき、やがてそれが全体にひろがって、しばらくすると、大広間が拍手の音でいっぱいになった。

「墨死館。かわい家。空京大学。マジェスティック。ストーンガーデン。
私たちはあいつと戦い続けてきたわ。

あのー、いま、よっ会長! って声をかけてくれた人がいたけど、私は代表で、会長(怪鳥)ではないですから。怪獣好きのメンバーがいる推理研では、そこのところははっきりわけてもらっているの。
お願いしますね。

私たちがいるここパラミタでは多くの戦乱があって、戦場の英雄さんたちもたくさんいると思う。
世界を揺るがす大戦争にくらべたら、私たちのしてきたことをちっぽけな、つまらない探偵ごっこだって言う人もいるでしょう。
でもね、私たちはみんなの力で、地球で、このパラミタでも犯罪王と呼ばれてきたあいつのたくらみを打ち破ることができたの。
これで、すっきりした人もたくさんいるはずよ。
たった1人でも心から喜んでくれる人がいたのなら、これでも、つまらないお遊びかしら」

びしっ。

ブリジットは右腕を斜め上にのばし、人差し指で中空をさした。

「事件は解決し、宴も終わりをむかえて、また新しい事件が私たちを待っているわ。
とりあえず、今日のしめくくりとして、ここいる全員で、あの言葉を言いたいの。
わかるかしら。
事件の終りに記されるあの言葉」

異議の声はあがらない。
ブリジットは満足げにほほ笑んだ。

「それじゃ、いくわよ。
これにて真実の館の事件は解決。
証明終了。
せーのー。
きゅぅ」

「バンザイー。めい探偵ブリジット先生、バンザイー。バンザイー」

思ってもみなかった大合唱に、ブリジットは、肩を落とす。

「そうじゃないでしょ。あのね、私がみんなで言いたいのは」

ブリジットがやり直しを求めようとしても、バンザイーの連呼はやまない。
場内はちょっとした興奮状態だ。
ブリジットはあきれて檀上をおりてしまった。

そして、この三日間、ほぼアンベール男爵の隣にいた、ルディに幽霊に間違えられた“ママンそっくりな女”が檀上にあがった。
三日間、人前で一度も声を発せず、ずっと事態を傍観していたママンが、マイクに唇を近づける。
喧噪の中、誰にも聞こえない声でつぶやく。

「Q.E.D.」

ママン、女装した黒崎天音は、クスリと笑うと壇を降りた。

Q.E.D.(ぶーとれぐ 真実の館 証明終了)

担当マスターより

▼担当マスター

かわい家

▼マスターコメント

このたびは一年をこえる遅延となってしまい、PLのみなさまには多大なご迷惑とご心配をおかけいたしました。
申しわけありませんでした。
マスターとして私は、いつもいつも、こんなふうで人として非常に問題があると思います。
今回にいたっては、私自身、本気で途中であきらめかけたのですが、PLのみなさまの日頃の励まし、いままでいただいてきた応援のお言葉と、運営のかたがたのご理解もあって、どうにか公開までたどりつくことができました。

知りたくないかたも多いかと思いますが、状況をご説明させていただきますと、まず私たちは、主人と私の二人でかわい家と名乗らせていただいております。
私事でまことに恐縮なのですが、一昨年の暮れ、主人が独立起業いたしましてして、私も主人の事業を手伝うようになりました。

ここで起業や経営にまつわるトラブルやあれやこれやを書いても、愚痴になるだけだと思いますので、一つ一つは書くのはやめておきます。

ただ、自分たちで事業をやって、私たち以外のスタッフもいてという状況は、私にとっては想像以上に大変でした。
でも、これも逃げるわけにはいかないので、今後も主人やスタッフ、関係者のみなさんとやっていくしかありません。
事業自体はまだはじまったばかりですが、今後、軌道にのってゆくと思います。

結局、私は事業がすごく忙しくても、書いていました。
これまでお世話になったPLのみなさんの声というか、気持ちにすごく助けてもらって、甘えさせていただいたという感じです。
こうなったら、なんとしても終わりまで書こうと決めて、PLみなさんとみなさんのPCたちに背中をおしてもらって、本当に書きあげることができました。
これも蒼フロのミステリ好きのPLのみなさんのおかげです。
いつも、甘えてばかりですいません。

正直に書いてしまうと、こうしてリアクションを公開できて、いま、私は救われた気持ちです。

名探偵ばんざい。ミステリばんざい。です。
ホームズはいるし、名探偵は信じる人を裏切りません。

このままだとずっと謝り続けて終わりのマスターコメントになってしまいそうなので、リアクションのことを書きますね。
お読みになられた通り、今回で「蒼空のフロンティア」でのかわい家のシナリオは終了です。

時系列的には、このシナリオの後に、先日、公開されたグラシナのくるとの登場シーンになります。

それから、リアクションの中でかわい維新のおしゃべりで気分を悪くされたかたがいたら、すいません。
おわかりだと思いますが、維新もくるともノーマンも=私ではありませんので、その点をご理解いただければ幸いです。
私は、リアクションを読み返して、維新ちゃんって失礼だな、と感じました。

いま、この文章を書いていて、気持ちはいっぱいあるのですが、うまく言葉にできないです。

個別コメントはありませんが、リアクションにみなさまへの想いはこめたつもりです。

最後に、これからのことを書きます。

かわい家は、これからもフロンティアワークスさんでMSとしてお仕事をさせていただく予定です。
具体的なことは、まだなにも決まっておりませんが、もし、新しいシナリオでまたお会いすることができたら、うれしいです。

4年半、12本を通して参加してくださったPLのみなさま、ありがとうございました。
全部ではなくても、1本でも2本でも参加してくださったかたも、ありがとうございました。

PLのみなさまとミステリできて、本当に楽しい時間をすごすせました。
転校してきて、クラスにお友達がいないと思ってたら、いた! みたいな感じでした。
なれなれしくてごめんなさい。

それでは、失礼いたします。かわい家でした。

平成26年9月24日(水) 感謝をこめて

▼マスター個別コメント