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海で楽しむ遊びと仕事

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第六章 情報を手に入れよう!


 コーレム騒ぎ終了後。
「騒ぎも解決したから約束通りかき氷を食べに海の家に行こう!」
 ローズは約束を守って貰うために双子の所へ。
「やっぱりおごらないといけないのかよ」
「……何か散々だよなぁ」
 双子は溜息混じりにローズ達をじと目で見た。
 そこに
「私も約束したから行くよ!」
「ついでにあたしも」
 美羽と梢も現れた。
 五人に囲まれ、逃げ場を失った双子は渋々【避暑の家 蒼水】へ向かった。

 海の家【避暑の家 蒼水】。

 来店するなりリアトリスに席を案内されメニューを渡された。注文する物はすぐに決まり、リアトリスを呼んだ。
「ご注文をよろしいでしょうか」
 リアトリスが注文を取りにやって来た。
「私いちご練乳」
 ローズ。
「……ブルーハワイ味」
 カンナ。
「僕はメロン味がいいな」
 学人。
「私はイチゴ、メロン、パイン、レモン、ブルーハワイ」
 美羽。
「おい、どれだけ食べるんだよ!」
「溶けるぞ!」
 さすがに美羽の注文の多さにツッコミを入れる双子。
「大丈夫だよ。暑いしたくさん動いた後だから」
 美羽はにこにこ笑いながら平気だと主張する。
「あたしはかき氷にアイスを載せたいなぁ」
 梢はオプションで追加料金を払えばかき氷にアイスを載せられる事を発見していた。
「それ美味しそう。私もどれかにアイス載せて貰おうかな♪」
 聞いた美羽が注文する五つの内いくつかに種類の違うアイスを載せる事に変更した。

「ちょっとは遠慮しろよ!」
「オプション付けるなよ!」
 出費が重なり止めようと文句を言う双子。
 しかし、誰も聞く耳は持たず、そのまま注文された。

 かき氷が次々と運ばれ、
「うーん、運動後の体に染みるよ。ご馳走様!」
「……美味しい」
「涼しくなるね」
 ローズ、カンナ、学人は双子に感謝しつつ氷を頬張った。
「やっぱり夏はかき氷だよね♪ 二人ともご馳走様!」
 美羽は礼を言うなり次々とかき氷を平らげていく。
「氷はふわっとしているしこのアイスもなかなか美味しい。最高の海の家だね」
 梢は氷を崩し、アイスと一緒にゆっくりと味を楽しむ。
「……はぁ」
 双子は同時に大きな溜息を吐き出した。
 そして、会計の時、
「……大変ですね」
 レジのミスティに憐憫の目で見られた。

 奢り終えてローズ達と美羽や梢と別れた後。
 双子は、【避暑の家 蒼水】へ向かう途中の竜斗達に遭遇した。
「二人とも元気が無いね。近くでバーベキューをしているから行ってみたらどうだい?」
 竜斗は、元気の無い双子を気遣い励ました。
「美味しいお菓子もありましたよ。疲れも癒されますはずです」
 ユリナも優しく笑みながら励ました。
「んー、ありがとう」
「そっちは参加しないのか?」
 励ましに礼を言うヒスミと訊ねるキスミ。
「かき氷が食べてからですぅ」
 史織が楽しそうに答えた。
「……その後、海を楽しむ。初めてだから」
 とロザリエッタ。無表情だが、たっぷりと海を楽しんでいたり。
「それじゃ、行くぞ、キスミ」
「おう」
 双子は竜斗達と別れてバーベキューが繰り広げられてる場所へ急いだ。

 到着したが、
「見つけたでありますよ!」
「散々捜したわよ」
 浜辺を隅々まで双子を捜し回っていた吹雪とコルセアが登場。

「捜したって何でだよ」
「もう用事無いだろ」
 なぜだか嫌な予感しかしない双子。
 双子の予感は的中し、
「ゴーレムに壊された屋台の修理を手伝うでありますよ!」
「元はと言えばあなた達が原因なんだから」
 吹雪とコルセアは無残な姿をさらす屋台を示した。
「……」
 押し黙る双子。
 その時、背後から
「……我の屋台を元に戻すまでは自由は無いと思うのだな」
 ぞっとするイングラハムの言葉と共にぬるりとした触手が双子の首筋にまとわりつく。
「おわっ!?」
 双子が振り向くとそこにはイングラハムの姿。先ほどまでナノマシン拡散で姿を見えぬようにしていたのだ。
「行くでありますよ!」
 吹雪の合図で双子は連行され、屋台の修理をさせられた。

 何とか屋台修理を終え、吹雪達と別れた後。
「バーベキュー、楽しいですよ〜」
 ミリオンを連れたオルフェが楽しそうに双子に声をかけてきた。
「結構、賑わってるなぁ」
 ヒスミが楽しそうにうなずいた。
「……先ほどは噂に違わぬ様子でしたね」
 ミリオンが厳しい一言。
「……それは」
 ヒスミは反論出来ず口ごもった。
「前は一緒にいたですが、お話が出来なくて残念でしたよー」
 オルフェは偶然一緒に遭遇した正体不明の魔術師によって過去に囚われる事件の事を思い出した。互いが巻き込まれている事は知っていたが接触する機会は無かったのだ。
「……そう言えば、いたよな」
 キスミはぼんやりと思い出していた。こちらも片割れがピンチでそれどころではなかったのでオルフェリアの事はぼんやり。
「これも何かの機会ですから今度オルフェの手料理を御馳走するですね〜」
 オルフェリアはにこにこと邪気のない笑みを浮かべた。
「……手料理って」
「まさかあのゴーレムにかけた奴とか言うなよ」
 双子は、ゴーレムにぶっかけた料理を思い出し、顔色を変えた。
「大丈夫です! オルフェ、この前他の人に食べさせても卒倒させなかったのです! だからきっと多分次こそは美味しい物が作れそうな気がするのです〜♪」
 オルフェリアは『光条器』のお玉をぶんぶん振り回しながら笑顔。
「いやいや」
「多分って何だよ多分って」
 嫌な予感しかしない双子は当然拒否。双子の予想通りオルフェリアの料理はかなり危険なのだ。
「オルフェリア様が料理をされるなら、我もお手伝いをしなければいけませんね」
 ミリオンが話しに加わった。
「おいおい」
「何でそんな流れになるんだよ」
 慌てて不穏な話の流れを変えようとするが、
「当然、弾丸が料理に入らないようにしておきますよ。空薬莢も外して、ね」
 ミリオンはなおも料理の事について話すのだった。
「ちょっと待て何で料理に弾丸が入るんだよ?」
「どんな料理の仕方をしてるんだ?」
 ミリオンの発言に不穏なものを感じ問いただす双子。
「どんな、とはおかしな事を聞きますね。ただいつも肉を軟らかくする為に銃で撃ち抜いて蜂の巣にしてやるんですが」
 ミリオンは双子の質問に不思議そうな顔で答えた。
「……」
 双子は言葉を失った。二人の予想通りミリオンもまた料理が酷い。ちなみにオルフェリア以上である。
「それではオルフェ、バーベキューに戻るですよ。ミリオンも行くですよ」
「はい。折角ですから楽しみましょうか」
 オルフェリアとミリオンはバーベキューに戻った。
 双子はエオリアからお菓子を貰った後、食べながら気晴らしに散歩をした。