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【空京万博】取り戻せ! アムリアナの花嫁衣装!

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【空京万博】取り戻せ! アムリアナの花嫁衣装!
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リアクション

■□■4■□■ 探索と鏖殺寺院の追撃

アイシャと雅羅、学生たちは探索を続ける。

「アイシャ様、女王としての勘で何かわかるかもしれないですから、
何か感じたら言ってくださいねぇ」
清泉 北都(いずみ・ほくと)が、アイシャに言う。
また、北都は、禁猟区をかけたハンカチをアイシャに渡してある。
「ええ、何か感じたら伝えますね」
アイシャは微笑む。
(今まで話したことなかったけど、アイシャ様も普通の女の子だよねぇ)
北都は思う。
クナイ・アヤシ(くない・あやし)は、庇護者の構えを取り、
アイシャだけでなく、雅羅や一緒に行動する者たちを守れるようにしていた。
「ありがとう」
「ロイヤルガードでなくても、
シャンバラに生きる者として女王様を護る事は当たり前の事ですから」
アイシャに礼を言われ、クナイが一礼する。

北都は、銃型HCを使って、遺跡のマッピングを行い、
同様のことをしている学生たちとも情報共有を図っていた。
なななやイングリットたちのグループとも情報共有できているために、
探索はスムーズに行うことができている。

「俺のパートナーたちが、
『何が何でも花嫁衣裳を取り戻せ!』って、うるさくってな……」
橘 恭司(たちばな・きょうじ)が、げっそりした顔で言う。
遺跡に来るまでの間、
自宅待機のパートナーたちに連絡したところ、ずっとその話をされ続け、
半ば洗脳されてしまったのだ。

「さっきも発動していたが、罠があるようだからな。
気をつけて進もう。
足場の悪い場所ではロープを使った方がいいな」
恭司は、20メートルのロープを持ってきている。

「!」
そのとき、北都の犬耳がぴんと立つ。
超感覚で警戒をしていたのだ。
「来るよ!」
「今度こそ捕まえてやるー!」
鏖殺寺院が、またも襲ってきたのだった。

「面倒事はッ」
「あ?」
北都の姿が目の前から消え、鏖殺寺院メンバーの一人が間の抜けた声をもらす。
「嫌いなんだけどねえ!」
次の瞬間、北都が銃の柄を持って、則天去私を鳩尾に叩き込んでいた。
(アイシャ様の手前、なるべく殺生は控えたいよね)
「おとなしく退いてください!」
クナイも、サイドワインダーを使いつつ、SP切れに気をつけながら戦う。

「こっちだ、アイシャ!」
恭司が、鏖殺寺院メンバーに蹴りを入れて転ばせ、
アイシャを後ろに下がらせる。

「まったく、考古学的にも貴重な遺跡なんだぞ!」
神崎 優(かんざき・ゆう)が、ぼやきつつも、野分を振るう。
「真面目に遺跡探索をしようと思っていたんだが……。
なるべく壊さないでくれよ!」
優は、健闘 勇刃(けんとう・ゆうじん)と一緒に遺跡探索を行い、
主に探索を担当しようと思っていたのだが、
戦闘に巻き込まれてしまったのだ。
「爆空蒼炎斬!」
勇刃が、白兵武器で鍛えた技術に、
歴戦の必殺術でパワーアップさせた
女王の剣を振るう。
「鏖殺寺院どもめ、
何を企んでいるがわからないが、
悪いことをしようとするなら、この俺が許さねえぞ!
俺の前では、貴様らは既に死んでいるも同然だ!」
ヒーローを自認する勇刃が、見得を切る。

「大丈夫?」
神崎 零(かんざき・れい)が、
先日結婚したばかりのパートナーに声をかける。
「ああ、かすり傷だ。ありがとうな」
零が、ヒールで、優を治療する。

「ウオオオオオオオオオオオオ!」
上半身を銀狼の姿に変身させた、
神代 聖夜(かみしろ・せいや)が咆哮する。
「ひるむな! 女王を狙え!」
鏖殺寺院のリーダー格が、そう命じるが。
「そうはいかないな」
「そのような非道、許すわけにいきません!」
聖夜と陰陽の書 刹那(いんようのしょ・せつな)が立ちふさがり、
刹那はバニッシュを放つ。
「なるべく遺跡を壊したりしたくありませんからね」
刹那がつぶやく。

「花嫁衣裳を盗むなんて、許しませんよ!」
天鐘 咲夜(あまがね・さきや)も、バニッシュで、鏖殺寺院を攻撃する。
「確かこの前ジューンブライドの結婚式があったわね。
まさかその後にこんなことが起きるなんてね。
結婚する予定の人達は幻滅するでしょうね」
枸橘 茨(からたち・いばら)も、クールに言いつつ、
奈落の鉄鎖で動きを封じた敵を、
紅の魔眼で強化したその身を蝕む妄執で攻撃する。
「う……やはりこの力はまだ使いこなせないわ……」
茨はつぶやく。
「行きますわよ!」
さらに、セレア・ファリンクス(せれあ・ふぁりんくす)の叫びによって、
鏖殺寺院は翻弄される。

【蒼学遺跡探索班】のチームワークで、鏖殺寺院は倒されていった。

氷室 カイ(ひむろ・かい)は、
雅羅の護衛に回る。
「安心しろ。後輩の面倒を見るのも先輩の役目だからな」
「ありがとう」
同じ蒼空学園の雅羅を心配して、カイたちは駆けつけたのだ。

「さあ、俺が相手だ!」
カイは、緋陽正宗と、蒼月正宗を手に、派手に動いてみせる。
雅羅たちから注意をそらすためだった。

「雅羅さんたちを鏖殺寺院なんかには渡さないわ、絶対に!」
雨宮 渚(あまみや・なぎさ)も、弾幕を張り、みんなのフォローに回る。

渚は、昔、いろいろなことがあったらしい雅羅が、
蒼空学園には慣れたかどうかなど気にかけていた。
渚は雅羅のことを全力で守るつもりだった。

「騎士の誇りを掛けてアイシャ様は護ってみせます」
サー・ベディヴィア(さー・べでぃびあ)は、
アイシャの傍で壁となり、
鏖殺寺院を近づけさせないようにする。
円卓の騎士の一人であるベディヴィアにとって、
シャンバラ女王を守ることは、当然のことだった。

「せっかくの大きなイベントの開催、
邪魔されるわけにはいかないですぅ!」
ルーシェリア・クレセント(るーしぇりあ・くれせんと)も、
槍やサイコキネシスで、距離を確保しつつ戦う。
(それに災難が降りかかったり、色々なものに襲われるのは、
私の修行にもなりますからちょうどいいですぅ)
ルーシェリアは、そう思いながら、
後ろにいるアイシャと雅羅のことを思いやった。

★☆★

激しい戦いが繰り広げられ、次々と鏖殺寺院を倒す一行だが。
「数が多すぎる!
このままじゃアイシャが危険だわ!」
小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)は、雅羅の方をじっと見た。
「な、なに、美羽先輩」
「ここは、雅羅を鏖殺寺院に差し出せば、
危機を逃れられるわ!
不幸体質の雅羅がアイシャから離れたら、
アイシャに不幸が及ばなくなるし……
雅羅を鏖殺寺院に差し出したら、
鏖殺寺院が雅羅の不幸体質に巻き込まれて一石二鳥!」
「ちょ、何言ってるの!?」
「これもアイシャを守るためだよ、雅羅!
後でちゃんと助けに行くから!」
「う、うーん……」
雅羅は、アイシャの方をちらりと見て、美羽に言う。
「……本当にちゃんと助けに来てくれるんですよね」
「もちろん!」

「今のうちです!」
ベアトリーチェ・アイブリンガー(べあとりーちぇ・あいぶりんがー)が、
列車型強化光条兵器ラスタートレインを、鏖殺寺院に突っ込ませる。

「ぎゃあああああああああ!?」

「ちょ、美羽先輩!? なんで縛るの!?」
「この方が人質っぽいでしょ?
じゃあ、雅羅、あとはよろしくね!」
「よろしくって言われても!」
ラスタートレインで隙ができた間に、
美羽は雅羅を置いて、
アイシャを連れて、一行は逃げていってしまった。

「……不憫な奴め」
「同情されたくないんだけど!?」

こうして、雅羅は、鏖殺寺院に捕まったのであった。

★☆★

「のわー!? 落とし穴だー!」
「ぎゃああああああああああああ!? イコンが襲ってきたあ!」
「うわああああ、岩が転がってきた―!」

★☆★

コハク・ソーロッド(こはく・そーろっど)が、
鈴なりティーカップパンダの幸せに守られつつ、
雅羅を迎えに行く。
「雅羅、大丈夫?
まあ、鏖殺寺院の人のほうが酷い目に遭ってるみたいだけど……」
「もっと早く迎えにきてよ!」
雅羅は無傷だったが、
災難に巻き込まれた鏖殺寺院はボロボロになっていた。

こうして、コハクは鏖殺寺院を捕まえ、雅羅を救出したのであった。