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合コンしようよ

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合コンしようよ
合コンしようよ 合コンしようよ

リアクション

 
「どうかしら、少しは変わりました?」
「えっ!?」
 もやが晴れて、ココ・カンパーニュが姿を現したとき、誰もが自分の目を疑った。
 そこに立っていたのは、黒髪を下ろした妙齢の婦人だったからだ。身長と髪がややのび、顔立ちも少しほっそりとして大人びたものに変わっている。ゴチメイ隊の衣装がちょっと短くて思ったよりもミニスカートになってしまい、ややスコートが見え隠れしているが、それよりも全体の物腰が大人びていて、現在のちょっと豪快というかがさつなココ・カンパーニュとは、ほとんど別人のようだった。
「間違えましたね」
「嘘じゃん」
「どう見ましてもお、失敗ですよお」
「ないない」
 ゴチメイ隊の他のメンバーが、一斉にブルタ・バルチャの失敗だとする。逆に、男性陣は、ポカーンとココ・カンパーニュに見とれていた。
「ああ、5000年前の君にそっくりだね」
 ココ・カンパーニュの姿に、見覚えがあると観客席のアラザルク・ミトゥナが言った。ココ・カンパーニュと契約する前のアルディミアク・ミトゥナは、アムリアナ・シュヴァーラによく似た大人びた淑女だったわけだが、意外にココ・カンパーニュも落ち着けば貴婦人然とした女性に成長するのだろうか。
「これは、磨き甲斐がありますね」
 アルディミアク・ミトゥナとしては、この姿にココ・カンパーニュを鍛えるつもり満々だった。放っておいてもなる未来ではなく、切磋琢磨した上での到達した未来だと感じたらしい。
「これは、将来性を買える!」
 陰で、風森巽とゲブー・オブインが気合いを込めていた。
「それじゃあ、あたしもやってよ。きっと、もっとバインバインのモデルみたいな姿になるんだから」
 リン・ダージが、ブルタ・バルチャに詰め寄った。それならと、もう一度、ブルタ・バルチャがタイムコントロールを操作する。
 リン・ダージの姿が黒いもやにつつまれてから、再び一同の前に現れた。だが、ビフォア・アフターで、まったく変化していない。
「なんでよ! インチキだわ、詐欺よ!!」
 おかしいと、リン・ダージが叫ぶ。
「リンちゃんはあ、アリスですからあ、ほとんど変わらないんじゃあ」
 さもありなんと、チャイ・セイロンが言った。
「それで、手合わせはどうするんだ?」
 こうなると、少しやりにくいなあと、エヴァルト・マルトリッツが切り出した。
「もちろんやりますわ。そうでないと面白くありませんもの」
 ココ・カンパーニュが答える。
「なんだか、もの凄い違和感が……。いいかげん、元に戻してよ」
 おしとやかに見えるココ・カンパーニュに、ゴチメイたちが耐えきれずにブルタ・バルチャに詰め寄った。
「しかたないんだな」
 そう言うと、ブルタ・バルチャが再びタイムコントロールでココ・カンパーニュを若返らせようとした……。だが、それは口実にしか過ぎなかったのだ。安心しきったココ・カンパーニュのゴスロリのドレスを引き裂いて、自分は避けられない攻撃を繰り出す強者であるとアピールしようと企んでいたのである。
「リーダー、危ない!」
 思いっきり悪意を感じて、ゴチメイたちが叫んだ。
「もう、遅いんだな……」
 一瞬早く、ブルタ・バルチャがグラットンハンドを繰り出した。
 不気味な籠手が装束に触れ、ビリビリと引き裂きながら一気に引き下ろす。細かい破片となった布地が周囲に飛び散り、なだらかな背中から、ぷりっとしたお尻にかけてが顕わになった。
「いや〜ん♪」
 手でお尻を隠しながら、紫月唯斗が叫んだ。
 飲み物などの追加注文に即応できるようにそばで身を隠していたのが幸いし、唯一、ブルタ・バルチャよりも先に動けたのだった。そのため、身を挺して、ココ・カンパーニュの盾として身代わりになったのである。
「ぐはあ!」
 なぜか、紫月唯斗ではなく、ブルタ・バルチャを始めとするその場にいた男性陣が多大なダメージを被ってのけぞる。もちろん、ゴチメイたちは、ガン見である。
「ありがとな、助かったぜ」
 いつの間にか元の姿に戻っていたココ・カンパーニュが、紫月唯斗に礼を言った。
「この、展開は……」
「そう、光になれ〜!!」
「はうあ。ちょっと気持ちいい〜
 思いっきりパンチを浴びて、ブルタ・バルチャが空の果てへと吹っ飛んでいった。
「ついでだ、お前らの力量もはからせてもらうぜ」
 言うなり、ココ・カンパーニュが他の男どもに挑んでいった。
「き、聞いてないぞ!? やめてとめてやめるれろ!
 真っ先にゲブー・オブインが吹っ飛ばされて、コア・ハーティオンを巻き込んで転がっていく。
「いいだろう、受けてたつぜ」
 一瞬の間のおかげで身構えることのできたエヴァルト・マルトリッツが身構える。ココ・カンパーニュのパンチをガードしつつ、反撃を繰り出した。
「えっ、エヴァルトがゴチメイと、互角の戦いを!?」
 テーブルの陰から見守っていたアドルフィーネ・ウインドリィがちょっと驚く。だが、次の瞬間、エヴァルト・マルトリッツが宙を舞っていた。
「い……いい、戦い……だったぜ」
 そのまま床に激突して、大の字にのびる。
「ああ、やっぱりねえ」
 なぜか、ほっとするアドルフィーネ・ウインドリィであった。
「残ったのは……」
 ココ・カンパーニュが嬉々として、風森巽の方を見た。
そこまでだ!
 だが、突然、風森巽が待ったをかける。
「これは、悪の組織の陰謀に違いない。戦隊と、変身ヒーローをぶつけ合って、共倒れを狙っているんだ。そうだろう。本来、俺たちは、パラミタヒーロータイムで連続放送の関係じゃないか。ゴチメイ戦隊とツァンダーが戦ったら、よい子たちが泣いてしまう!」
「いや、それは……」
 なんだか無茶苦茶な風森巽の説得に、ちょっと混乱したココ・カンパーニュが拳を止めた。
「もちろん、戦隊は変身ヒーローよりも先の放映だ。我は、いつだって、ココさんの後ろをついていきますよ。ということで、飲み物の追加注文纏めます?」
「それはいいかも」
 なんだか言いくるめられて、ココ・カンパーニュが拳を収めた。