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合コンしようよ

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合コンしようよ
合コンしようよ 合コンしようよ

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    ★    ★    ★
 
「よくもまあ、リーダーを言いくるめたものですね」
「まったくだ」
「いやあ、たまさかです」
 ペコ・フラワリーとジャワ・ディンブラに言われて、風森巽がちょっと謙遜した。
 ココ・カンパーニュの方は、吹っ飛ばした他の男たちを引っぱり起こしてまたいろいろと会話を続けている。
「そうだ、後で、ゴチメイの皆さんのメアドを教えてくださいますか?」
 風森巽が、そうペコ・フラワリーたちに言った。
 
    ★    ★    ★
 
「よう、ここあいてるかい?」
 一ステージ終えたリョージュ・ムテンが、やっと落ち着いたゴチメイたちのテーブルにやってきて、マサラ・アッサムに声をかけた。
「あいてるよ。どぞ、どぞ」
 自由に座ってくれと、マサラ・アッサムが椅子を勧める。
 そこへ、柊恭也もやってきた。
「俺もいいかな」
「にぎやかなのは好きさ」
 拒まれなかったので、リョージュ・ムテンとともにマサラ・アッサムを挟むようにして座る。
「ああ、人が多いといろいろあって面白いからなあ。トラブルもまた、結構な話の種だ」
 柊恭也が言う。
「いろいろと厄介事に首を突っ込んでそうだねえ」
 組んだ両手の飢えに細い顎を乗せながら、マサラ・アッサムが軽く目を細めた。
「トラブルだって、やっぱり楽しまなきゃな。俺なら、どんな冒険にもお伴するぜ」
 リョージュ・ムテンが、自分の方が旅のお供には最適だと口をはさんできた。
 バチバチと柊恭也とリョージュ・ムテンがマサラ・アッサムの頭上で視線を激しく戦わせる。
「まあまあ、ちょっと落ち着いて……」
 少しまんざらでもなさそうな顔のマサラ・アッサムだが、さすがにこう間近で火花を散らされるのもいただけない。もっとも、柊恭也もリョージュ・ムテンも、軽い友達づきあいとしての意識が強いので、どろどろしたという感じはまったくなかった。
「ここ、よろしいですかな?」
 そこへ、新たにホレーショ・ネルソンがやってきた。
「若者たちよ、御婦人が困っていらっしゃるじゃないか。少し自重したまえ」
 年嵩の大人の余裕で、ホレーショ・ネルソンが柊恭也とリョージュ・ムテンをたしなめた。さすがに、場の雰囲気を悪くする気はないと、柊恭也とリョージュ・ムテンが少し大人しくなる。
「まあ、ともかく。いろいろと面白い遊びは知っているんで、一緒につきあえると思うぜ。いずれにしたって、楽しまなくっちゃな」
「それに関しては同意だな」
 柊恭也の言葉に、リョージュ・ムテンがうんうんとうなずいた。
「まあ、コントラクターとして、俺たちは厄介事に巻き込まれがちだが、それは遊びではあるまい? 真の遊技とは、もっと優雅なものだと思いますがな。例えば、駆け引きを楽しむテーブルゲーム。酒などを楽しみつつ、知的な計算を楽しむビリヤード。激しくコートを走り回って相対するテニス。一瞬のショットに全神経を集中させ、いくつものホールを巡るゴルフ。そして、御婦人の手をとり、呼吸を合わせる愉しみを味わうダンスなど。どうですかな、一曲?」
 ホレーショ・ネルソンが、立ちあがるとマサラ・アッサムに手をさしのべた。
「できるかなあ」
「リードトさせていただくので、御心配なく。なあに、好きに踊ればいいのですよ。自分が愉しむためのものなのですから」
「じゃあ、BGMはつけてやるぜ」
 そう言って、リョージュ・ムテンがギターを取り出した。
「じゃあ、一曲お願いするよ、おじさま」
 そう言って、マサラ・アッサムがホレーショ・ネルソンに手をとられて立ちあがった。
 
    ★    ★    ★
 
「おひまですかあ?」
「ええ、おひまですわあ」
 戦部小次郎に声をかけられて、チャイ・セイロンが愛想よく答えた。
「よろしければ、お話をしましょう。教導団所属の戦部小次郎と言います」
「これはあ、御丁寧にどおもお」
 戦部小次郎に自己紹介されて、チャイ・セイロンがぺこりとお辞儀をした。その拍子に、たっゆんな胸の谷間が戦部小次郎の視線の真正面に来る。
「こ、これは……」
 おっぱい星人としては、凝視しなければ失礼にあたる。
「じーっ……」
「ちょっといいかな」
 そこへ、ララ・サーズデイが割って入ってきた。
「どうかな、一曲」
 踊っているマサラ・アッサムとホレーショ・ネルソンの方を示して、ララ・サーズデイがチャイ・セイロンを誘った。
「ちょっと待ってくれ、今は、私が話して……」
「いいですわよお。あなたとはまた後でねえ。少し待っててくださあい」
 そう言うと、チャイ・セイロンは、ララ・サーズデイと一緒に踊りの輪に入っていった。
「にしても、リリは何をやっているのだ? まったく、お互い、上の者には苦労していそうだなあ」
 今度は、フレロビ・マイトナーの所に行って、「なんで乾燥アワビの代金まで、リリが払うのだ!」と息巻いているリリ・スノーウォーカーを遠巻きに見ながらララ・サーズデイが言った。当然、フレロビ・マイトナーの答えは、「そんなことあたしが知るわけないでしょ」なわけだが。
「それもまた楽しいですわよお」
 エステのマッサージで変な所を触ったのか、ゲブー・オブインをあらためてボコっているココ・カンパーニュを見て微笑みながら、チャイ・セイロンが答えた。