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イルミンスールの迷宮!?

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イルミンスールの迷宮!?

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8.巨樹

「さあみんな、世界樹イルミンスールをよく見て」

 エリザベートの言葉に、生徒たちが一斉に上を見上げた。

 すると、巨樹は、まるで生き物のようにその背丈を伸ばし始めたのだ。

 成長したのは100メートル!

「これでますますイルミンスール魔法学校も大きくなりますぅ」

 エリザベート校長は、ご満悦のようだ。


 その日の夕方からは、ミッションの成功を祝って、世界樹のもとで打ち上げをした。
 いわゆる、どんちゃん騒ぎである。

 八神 九十九は、世界樹に花が咲かないかと、内心ドキドキと期待したが、残念ながら、花は咲かなかった。

 しかし、その代わりに素敵なごほうびが待っていた。

 100メートル成長した世界樹の葉からは、甘露がしたたり落ちてきたのだ。

 これをみて、峰谷 恵、羽瀬川 セト、天枷 るしあ、リリサイズ・エプシマティオは「わぁっ」と感激の声を上げた。

 そこへ、リスのラタトスクがやってきて、講釈をはじめた。

「世界樹イルミンスールは、元気になると、おいしい甘露を出すんだよ。
ぜひ飲んでごらん」

 そこで、みんなコップを用意して、葉からしたたり落ちる甘露を飲んでみた。
 これがまた、ほっぺたが落ちるほど美味い!

「おいし〜い!」

 愛沢 ミサは、持ち前の美声で味を表現した。

 ちなみに、この味は何にたとえたらいいか迷うが、しいていえば、白桃ジュースに近いといえよう。


 メイドのナナ・ノルデンは、お疲れの校長エリザに甘いお菓子でお茶を出しつつ、今回の報告を行った。
 さすがはメイド、ミッションクリア後も、自分の出番があれば奉仕を忘れないのだ。

 思いがけない巨樹からのごほうびがあったので、あらためて「甘露」で乾杯をすることにした。
 音頭を取るのは御宮 万宗。

「今こそ謳いましょう! 世界一の世界樹、偉大なるイルミンスールに栄光あれ! かんぱ〜い!」

 全員「乾杯!」

 こうして、無事に世界樹イルミンスールは救われ、魔法学校は、ますますの発展を遂げるのであった。

 終わり

担当マスターより

▼担当マスター

千葉 美月

▼マスターコメント

 みなさん、こんにちは!
 今回、千葉 美月さんの代理でマスターを担当させていただきました、ヴァイオリン弾きです。

 実は、マスターを務めるのは今回が初めてなのです。

 80人以上にものぼるキャラクターに、それぞれ役割をふっていく部分は、大変ではありましたが、とてもやりがいのある仕事でした。

 このリアクション小説が、みなさんにご満足いただけるかどうか心配なところですが、いかがでしたでしょうか?

 多くのキャラクターが「世界樹の根を傷つけないように行動する」という配慮をされていたあたり、みなさんの環境に対する意識の高さがうかがえました。
 そのあたりに重点を置いて、ストーリーに反映させていただきました。

 また、寄生虫のボスの名前はどうしようかな? と考えたのですが、北欧神話に出てくる世界樹「ユグドラシル」の根をかじっているモンスターから「ニーズヘッグ」を採りました。
 リスのラタトスクも同様です。

 全体として、大変でしたが、執筆していてとても楽しかったというのが筆者の感想です。

 今後とも、みなさんと別のシナリオでお話できればと思います。

 それではまた。

 ヴァイオリン弾き