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桜井静香の冒険~出航~

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桜井静香の冒険~出航~

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第7章 到着の朝

 早朝。
 まだ暖まる前の涼風が、デッキに立つ貴婦人の髪をなぶって、通り過ぎていく。目の前には小さく黒い点が見えている。点は時間と共に点は大きく、次第に緑色の色彩を帯び始めていた。
「おはようございます」
 彼女が声に振り向くと、身支度を終えたフェルナンが立っていた。
「おはようございます。良い朝ですわね」
「昨夜はよくお眠りになれましたか?」
「ええ、久しぶりに都市を離れて、のんびりと過ごせましたわ」
「それは良かった。ところで、その仮面を付けたままでは、窮屈でいらっしゃいませんか?」
「まぶしいのが少々苦手ですの」
 扇で口元を隠して、彼女は言った。
 フェルナンはその横に立って、視線を目の前の目的地──無人島へと向ける。
「お一人ですか? お連れの方は?」
「パートナーのことでしたら、今は側におりませんわよ。あなたもそうであるように、いつでもどこでも一緒、という関係とは限らないのではなくて?」
「でしたら、今回の件は見逃していただけるということで宜しいですね」
「それとこれとは別ですわよ」
 声をたてたおかげで、扇の裏で貴婦人が笑ったのが、彼にも分かった。
「けれど、そうですわね……面白ければ、見逃して差し上げてもよろしくてよ」
「ご期待に添えるかどうかは分かりかねますね。私も彼女も生徒達も、いつまでも貴方の前でばかり踊ってはいないと思いますよ。観客のつもりでおいでであれば、エスコートいたしましょう。壁の花にしておくには惜しい」
「あら、ありがとう。ですけど、踊るに相応しい相手は自分で選びますわ」
 再び、風が吹き抜ける。
 目の前の点だったものは、島のかたちを現し始めていた。

担当マスターより

▼担当マスター

有沢楓花

▼マスターコメント

 「桜井静香の冒険〜出航〜」へのご参加、ありがとうございました。
 皆さん、それぞれの方法でバカンスを楽しんでいらっしゃいましたが、
 本来ならオークションで落とされた着ぐるみ等につきまして、アイテム付与を行いたいところですが……システム上、現在は差し上げることができません。申し訳ございません。 

 さて、今回アクションでご意見をいただいていますが、世界に関わります設定へのご意見・ご要望につきましては、恐れ入りますが運営までお願いいたします。
 また、シナリオ展開へのご希望につきましても、マスターとしての公平さを欠いてしまいますため、直接反映させることができかねますので、ご了承下さい。
 マスターはアクションを頂いていますが、皆様全員のアクションと状況を合わせまして、「リアクション」を書いています。ぜひアクションを通じて行動してみてください。それも蒼フロの楽しみかと思います。
 勿論、アクション欄を割いてまでいただいている私信等につきましては、嬉しく読ませていただいております。

 予告ですが、当シナリオは無人島到着後、桜井静香の冒険その2へと続きます。
 ストーリー上は続きものとなっておりますが、毎回話は区切られます。途中からのご参加も歓迎しております。
 宜しければ、また次回でお会いいたしましょう。