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リアクション
第7章 嵐の前の静けさ
-PM13:00-
「さぁて今日も頑張ってやるわよ」
歌菜は溶かした月雫鉱をバケツに入れて運び、足場の上にいるレキに手渡す。
「うーんっ、受け取って」
背伸びしてバケツを持ち上げ、上の方にいるチムチムに渡した。
もっと効率よく作業するために、バケツリレ式に運んでいるのだ。
「ちゃんときれいに塗らないとね♪何か歌いながら作業しようかな」
運んだ月雫鉱をコテにつけ、歌菜は歌を歌いながら丁寧に型枠へ塗る。
「これが終わったらさ、皆で温泉行きたいよね〜」
「いいね温泉、行きたいね」
「美肌効果があるやつとかいいなぁ」
「これが終わったら行く計画立てたいね」
「そうね・・・無事に終わったら!」
封神台を完成させて皆、無事に日常生活へ戻れるように願いを込めて外壁を作る。
「1時間くらい経ったかな?ふぅ・・・少し休憩しようか。朝方に月雫鉱を溶かしたりしてたし」
レキは足場の上に座り30分ほど休憩する。
「私はもうちょっとやってから休もうかな。月雫鉱をこっちにちょうだい」
足場を降りた歌菜はエリシアに頼んで、ゴーレムに柵の中へ材料を運んでもらう。
「どうぞ」
「ありがとう!」
溶かした月雫鉱が入っているバケツを抱えて足場を登る。
「休憩終わりっと」
「はいこれ」
「ありがとうっ」
バケツを受け取ったレキは外壁を作りを再開する。
「よいしょっ、ふぅ・・・」
歌菜も自分の分を運び、コテを使って塗る。
「この高さまでだよね。型紙を外すよ」
上の方の足場に命綱を結び、レキが型紙を外す。
「天辺部分の型を作ってきたわよ」
丈夫な紙で作った型紙を片手に持ち、歌菜は足場を登ってチムチムに手渡す。
「中国様式の模様なのかな?形がちょっと複雑だね」
「これを天辺の周りに飾りつける感じね」
「もうすぐ太陽が沈むね・・・もう5時だよ。早いな・・・」
「じゃあまた明日やろう」
歌菜たちは足場を降りて夕食をとろうと弥十郎のところへ行く。
「ごくろうさま、出来てるよ」
丁寧にあく抜きした森の野草と熊肉のナベを弥十郎が生徒たちに振る舞う。
「レモンみたいなのとかあったから。お好みでどうぞ」
「使ってみます。―・・・いけますね!」
「オレにもくれ」
「どうぞ熱いから気をつけてね」
コウにもよそったナベを渡す。
「このレモンみたいなやつをかければいいんだな?」
箸でつまんで食べる。
「今日もなくなるの早いね」
生徒たちが食べた後の後片付けをする。
6Day
-PM15:50-
「何か襲撃されないね、されないことにはこしたことないけど」
レキは天辺のパーツを作りながら、襲撃して来ない相手に妙な不自然さを感じた。
「もしかしたら出来る直前に来るかもしれないわ」
パーツを組み立てながら歌菜は眉を潜める。
「そうアル」
「来たとしても皆が守ってくれるから大丈夫だと思うけど」
「制御輪の型紙はもう用意しといたアル、早朝に集合するアル!」
「完成したらそれが封神台の周りを浮かぶんだよね」
「失敗しないように気をつけるアル、レキ。草書体じゃない文字にしたら動かないアル」
「うぅっ分かってるよ」
チムチムに念を押されて、ぐぅっと喉を鳴らす。
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