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第三章 VSパラミタオオダコ 2

「パンダ隊も最後の一押し、いくよ!」

 たまらず海面へと戻ってきたオオダコを見下ろしながら、パンダ隊隊長の白波 理沙(しらなみ・りさ)が隊員たちへと呼びかけた。
 小型飛空艇を駆る理沙は、パートナーのチェルシー・ニール(ちぇるしー・にーる)とともにオオダコの周りを飛び回る。敵は触手を伸ばし、面倒くさそうに叩き落とそうとするが、

「させませんわ!」

 すんでのところでチェルシーがファイアストームと氷術を使い分け、打ち払っていく。

「さらに、ここで蒼空学園のアイドル、美羽ちゃん参上!」

 超ミニのスカートをひるがえしながら、颯爽と登場したのは小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)

「美羽。サポートの方は任せてください」

 ベアトリーチェ・アイブリンガー(べあとりーちぇ・あいぶりんがー)が呼びかけると、美羽はおもむろに強化型光条兵器ブライトマシンガンを取り出すと

「おっけ〜! それじゃあ、いっちゃうよ〜!」

 言うが早いか、美羽は周囲へ向けて無差別に銃弾の雨を降らせる。
 だが光の弾丸はパラミタオオダコの身体のみを貫き、周囲の味方やイルカには素通りしていった。

「タコだかイルカだかわからないけど、私より目立つなんて許さないんだからね!」

 光条兵器を乱射する美羽の船へと、オオダコは触手を伸ばす。
 だがその手は、いっせいに放射された弾幕によって散り散りになった。

「美羽さんたちの邪魔はさせないっす!」

 小型飛空挺を繰りながら現れたのは広瀬 刹那(ひろせ・せつな)だった。

「ハッピー☆シスターズが長女、ハッピー☆ウィッチ! 参上!」

 そして、船上からウィノナ・ライプニッツ(うぃのな・らいぷにっつ)がオオダコに向かって魔術をふるう。
 数々の炎や氷がオオダコへと直撃し、弱らせていく。
 オオダコも反撃しようと、触手を伸ばすのだが、

「ハッピー☆シスターズ次女、ハッピー☆メイド参上ですーっ!」

 広瀬 ファイリア(ひろせ・ふぁいりあ)のモップの前に、軽くあしらわれてしまうのだった。

「イルカちゃんもそれを見に来たみんなも、せっかく楽しんでいるのに、それを壊しちゃうなんて許せませんですよっ!」

 ファイリアの気迫に、たまらず海中へと逃げようとしたオオダコだったが、それを阻止するようにタコの周囲の海が凍った。

「逃がしません」

 それは緋柱 陽子(ひばしら・ようこ)が放った氷術。

「透乃ちゃん、今です!」
「おっけー!」

 陽子のサポートを受けて、霧雨 透乃(きりさめ・とうの)が乗っていた小型ボートから飛び降りた。
 軽身功を発動して海面を疾駆し、オオダコへと迫る。オオダコが海中から触手を伸ばしてきたが、殺気を看破してこと如くを避けていく。

「しっずめー!」

 そして、懇親の力を込めた拳を、タコの眉間にたたきつけたのだった。

「さって、一緒にハチの巣になりたくなかったら、ちょいとどいててー!」

 毒島 大佐(ぶすじま・たいさ)の大きな呼びかけに、皆が一度距離をとる。それを見計らって、大佐は光条兵器を放っていく。

「本日の天候は晴れ一時雹でーす」

 それと一緒に、パートナーの水神 クタアト(すいじん・くたあと)も、元気に上空から巨大な氷の塊をぶつけていく。

「さらに、波浪警報も出ているのでご注意下さ−い」
「おい、クタアト。表にしては大きすぎるし、津波の原因はクタアト自身ではないか?」
「細かい事は気にするな!」

 やられにやられたタコが、逃げようと距離をとる。
 だが、そこには不適に笑うルカルカ・ルー(るかるか・るー)たちが待っていた。

「ようこそ、私達の戦場に」

 にやりと言うが早いか、隣でダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)が火炎瓶を投擲した。
 その間にルカルカは箒に乗って上空へと上昇、オオダコの上へと移動する。

「氷っ炎っ雷っ、どんどんいくよー」

 ルカルカから放たれる魔力が、ビシビシとタコの身体をえぐっていく。
 ダリルにから貰ったSP剤を食べつつ降下すると、

「これで、仕上げだよ!」

 光条剣を振りかざし、オオダコへとトドメの一撃を突きつけたのだった。