リアクション
●今日も今日とて、見るだけのお買い物
たゆんたゆんな胸になってしまったアレン・フェリクス(あれん・ふぇりくす)の下着を買いに、咲夜 由宇(さくや・ゆう)は一緒に空京に来ていた。
「はぁ…こんなだっけ?」
由宇は呟いた。
普段と同じ道なのに、こんな状況になると、もうなんだか全部が違う風景に見えたりして、ちょっとどきどきしながら歩いていた。
きらめく夏の日差し。
行きかう女の子たち。
今、自分は男の子なのだ。
自分が男の子で生まれて育ったら、あんな子達に心をときめかせるのだろうか。
由宇は横を見た。
ブラを買うまでノーブラでいるしかないアレンは、居心地が悪そうにしている。
今までの服しかないため、無理やりから着ているせいである。あとは、由宇の恨めしいような視線のせいであった。
(早く元に戻りたいなぁ……)
アレンは思った。
服売り場に着いた由宇たちは、まずアレンの下着を買った。せっかくの機会ということで、由宇は自分の着れそうな男物の下着や服を見て回ってみた。
折角のチャンスと試着してみる。
でも、いつもの如く、お金がないので試着だけで我慢した。
途中、同じ境遇の少女に出会った。
本日は、そのような者が多かった。由宇はこっそりと胸の大きさを覗き、相手の胸の大きさにショックを受けて落ち込んだ。
はるかに自分より大きく、自分よりもセクシーだったのである。
これが…元は男の子。
余計にショックを隠せなかった。