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最後に残った――


「残念ヤッたな……先生」
 ブラウは鬼崎を哀れんだ。シオンにねじ伏せられて、縄を巻かれた彼はもう動くことはできない。念のためにと、彼の両手両足の腱が智宏によって切られてた。それくらいしないといけない危険性を彼は持っている。
「まあでもあんたの処遇は茉莉がコリマ校長に言って軽くてくれるってさ」
 由美香が茉莉の意向を伝えた。鬼崎は望んでいない様子だ。
「なあ、もう一つききたいんだけどさ〜」
「何だ?」要の問いに答える気があるらしい。鬼崎が耳を傾けた。
 その耳に要が何かをささやいた。強化人間の秘密とコリマの秘密で知っていることはないかと。しかし、鬼崎の首は横に振られた。
「ブラウ……」
 鬼崎が雷神の名を呟く。「何や?」とブラウは返す。
「あの事件、本当の犯人は誰かお前は知っているか……?」
「……、すまん。ワイら全員あの時の記憶があらへん……。ワイらの起こした事件やから先生と先生の友人にはほんまに、すまんかったと思っとる」
 ブラウは自らが犯人ではないかもしれないのに、その額を地面まで当てた。
 鬼崎は安らいだ声で「そうか」と呟いた。