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わたしの中の秘密の鍵

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わたしの中の秘密の鍵

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【十二 UBF編成】

 後日。
 今回の一連の事件を報告する為に、正子と共に蒼空学園校長室を訪れた加夜は、そこで蒼空学園校長山葉 涼司(やまは・りょうじ)の小難しい表情と出くわす破目になった。
 加夜と正子は、不思議そうな面持ちで互いの顔を見合わせた。
 山葉校長が渋い顔つきを見せているのは、テレビ電話回線を通じて、天御柱学院校長コリマ・ユカギール(こりま・ゆかぎーる)との間に深刻な議題を戦わせていたからである。
(本件は、既に教導団にも打診してある。相手が相手だ。ばらばらに対処していたのでは、成功など覚束ぬ。是非検討して貰いたい)
「……まぁ、いいたいことは大体分かった。後はこっちで、理事会に諮ってみるよ」
 そこで、テレビ電話回線は途切れた。
 山葉校長は大きな吐息を漏らし、革張りの椅子に上体を預けて伸びをしてから、加夜と正子に応対した。
「待たせて済まねぇ。フレームリオーダーの報告書は、確かに受け取った。ご苦労だったな」
 笑顔を浮かべて加夜と正子を労う山葉校長ではあったが、その面の端々には依然として、厳しい色が見え隠れしている。
 先程の、コリマとの通話が原因か――加夜は、思い切って聞いてみることにした。
「あの、涼司くん……答えられたらで良いんだけど、さっきコリマ校長と、何をお話してたの?」
 加夜は駄目で元々という程度で訊いてみたのであるが、意外にも山葉校長は、小さく肩を竦めただけで、別段気分を害した風も無く、淡々と答え始めた。
「いやさ、そのフレームリオーダーに関しての話なんだがな……どうやらコリマのおっさん、あの化け物共に対処する為の部隊を編成するみたいなんだ。ただ、天学だけで済む話じゃねぇから、うちや教導団にも兵力の供出を打診してきた、ってなところだな」
 加夜は、息を呑んだ。
 フレームリオーダーはイコンを擁する全ての学校に対して、脅威となり得る――それが、コリマが下した結論であるというのであれば、加夜自身にとっても全く他人事では済まないのである。
 傍らの正子も、珍しく表情を厳しくして、低く唸った。
「あの化け物共の力を目の当たりにした者としては……矢張りコリマ校長の判断は、正しいと評価せざるを得んな」
 山葉校長が更に説明するところに因れば、既にコリマは、部隊名も具体的に決めているのだという。
 それは、UBF(Unit for Busting Frame Re−Order:対フレームリオーダー特務戦隊)という部隊となるらしい。
 敵が敵だけに、イコンを中心とした部隊編成となるのは間違い無いようだが、どのようにして人選を進めるかについては、今後の協議を通じて決めていく予定なのだという。
「オブジェクティブに、フレームリオーダーか……何でまぁ、こう次から次へと、厄介な連中が出てくるんだろうねぇ」
 山葉校長は、やれやれとかぶりを振った。


『わたしの中の秘密の鍵』  TO BE CONTINUED…………

担当マスターより

▼担当マスター

革酎

▼マスターコメント

 当シナリオ担当の革酎です。
 このたびは、たくさんの素敵なアクションをお送り頂きまして、まことにありがとうございました。

 恐らく余程のことが無い限り、本シナリオが本年のマスター業の仕事納めとなると思われます。
 長いようで短い一年ではありましたが、皆様方からの厚いご贔屓を賜りまして、まことに充実した2011年を過ごさせて頂きました。
 改めまして、今年一年ありがとうございました。来年も宜しくお願い申し上げます。
 尚、私事で大変恐縮ですが、喪中の為、新年のご挨拶は控えさせて頂きます。

 それでは皆様、良いお年を。