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蒼空ヒーロー大戦・歌姫アイドルRimix☆

リアクション公開中!

蒼空ヒーロー大戦・歌姫アイドルRimix☆

リアクション



〜 蒼空ヒーロー大戦・2nd Siene 1 前篇 〜
 

開演の音楽と共に、ステージ上の明かりが一斉に煌びやかに光りだす
ショーの始まりに沸き立つ観衆の拍手に包まれる中、MCの佐野 ルーシェリア(さの・るーしぇりあ)がステージに現れた
 
 「みんな、こんにちは〜!」

ルーシェリアの言葉につられ、会場の子供たち(一部大きいお友達)が『こんにちわ〜』と元気に挨拶を返す
だがここで流しては盛り上がらないとばかりに、マイク片手に観衆に呼びかけるMCこと【ルーシェリアお姉さん】
 
 「あれれ?とっても元気だけど、ここにいる皆ならもっとも〜っと大きくて元気な声が出せるとおもいますよぅ?
  それじゃもう一度!せ〜の……こ〜んに〜ちわ〜〜〜〜〜〜〜!!」
 
慣れた誘導で一層元気な声が客席に響き渡る
その声の中に何とか鑑賞に間に合った販売ブースのレナ・メタファンタジア(れな・めたふぁんたじあ)が混ざっていたのはここだけの話
 
 「うん、今度はとっても元気なご挨拶でしたぁ!
  まずは自己紹介!お姉さんは皆をこれから素敵なステージの世界に案内する案内役の一人【ルーシェリアお姉さん】ですぅ!
  それではこれから物語を始める前に、お約束がいくつかありますぅ!
  皆が楽しんで見られるように、しっかりお話を聞いて守ってくださいね〜っ!」

彼女の言葉にあちらこちらから『は〜い』と聞こえる可愛らしい返事が元気良く聞こえる
その様子に、警備係の杜守 三月(ともり・みつき)結崎 綾耶(ゆうざき・あや)は思わず顔を見合わせて笑ってしまう
前回のプロローグを入れた物語導入形式とは違い、今回は早々にMCによる前説と案内による進行なので
導入の【掴み】は、ほぼMCの手腕にかかっていると言ってもいい
その点、元気さを持って見事に観衆の子供たちのテンションを上げているルーシェリアは見事なものである
 
 (きっと、悠里ちゃんが見てるって思うから尚更一生懸命なんでしょうね)
 
娘がいるとこうも変わるものかと、しみじみ噛みしめる綾耶
そんな中【上演中の撮影及び通信機器の電源】【ステージ付近への接近の禁止】等の諸注意事項の説明が終わり
一息ついた【ルーシェリアお姉さん】が改めて元気良く皆に向けて呼びかけた
 
 「ではお待たせしましたですぅ!
  今からこのステージで繰り広げられる世界は、皆さんのいる世界とは別の不思議な世界……その名も『ムジカニア』
  沢山の音楽に溢れて皆が平和に暮らしている世界なのですぅ!
  これからこの世界を治める【光のプリンセス】によるステージが始まるので、お姉さんのお友達がやってくるはず何ですけど」
 
まだ予定の人物が来ていない……といった様子で【ルーシェリアお姉さん】がステージを不安げに見渡しはじめる
その想定外の事態への不安を表現するように、華やかな音楽が次第に小さくなる中……一転して攻撃的な曲が鳴り響く
 
 「え!?何……一体何が起こったんですかぁ!?」
 「きゃぁぁぁぁぁぁ誰か助けてくださぁぁぁぁい!」
 
驚くMCの言葉をかき消すように、悲鳴と共に二人の人物が姿を見せる
その一人の姿に驚きの声を上げて駆け寄る【ルーシェリアお姉さん】
 
 「【柚お姉さん】!どうしたんですかぁ?それに、その一緒の人は一体?」
 「話は後です【ルーシェリアお姉さん】今は悪い人に追われてて……」
 『その悪い人っていうのはぁ……このファーグットの事かい?お嬢さんっ!?』
 
口を開いた杜守 柚(ともり・ゆず)こと【柚お姉さん】の言葉を遮るように、ステージのどこからとも無く声が鳴り響く
観衆含め、多くの者が声の主を探す中、ステージ両袖と中央の台の扉が開き、悪役扮する三人の姿が現れる
そのうちの中央の人物……フルフィ・ファーリーズ(ふるふぃ・ふぁーりーず)が日傘をくるくると回しながら挨拶を始めた
 
 「はじめまして会場の皆さん……そして美しいお嬢さん達
  我が名は【秘密結社ダーキニー】が幹部【ファーグット】……我が主【ドクター・セイメイ】の命により
  【希望の歌姫】を探し、捕まえるためにやってきたわけだってばよ!」
 「【希望の……歌姫】?」
 
【ルーシェリアお姉さん】の言葉に、満足げに頷きながら会話を続けるファーリーズこと【幹部怪人・ファーグッド】
 
 「イエェェェェェス★
  このムジカニアを治める【光のプリンセス】と対を成す【希望の歌】を届ける存在……それが【希望の歌姫】
  我が組織がこの世界を手に入れるためには、その存在を消さなければならないってわけなんじゃん?
  そぉぉぉぉんなわけで、その歌姫を探すべくこの世界の娘さん達を一人残らず連れ去るのが、このファーグッドの使命ってワケ」
 
彼の言葉と共にステージ両袖に立っていた手下役の二人
オーケー・コラル(おーけー・こらる)旅芸人のネタ帳 『偉大で強力な仕掛』(たびげいにんのねたちょう・ぐれーとあんどぱわふるぎみっく)が中央のルーシェリア達に歩み寄る
 
 「とりあえずぅ〜この辺りの娘さんは、そこの翠髪のお嬢さんで確保完了って事になるワケ
  大人しく渡してくれたら……この世界の者ではない、あんた達二人は見逃してあげてもいいんじゃん?」
 
【ファーグット】の言葉にルーシェリア達二人の間にいた瀬織津 ヤクモ(せおりつ・やくも)扮する翠髪の娘が怯えたように小さくなる
それを見てMCの二人は力強く頷くと、挑むように悪役3人に言葉を返し始める
 
 「正義を愛する会場のみんなの代表として、困っている人を放って置くわけには行きませんですぅ!柚お姉さん!」
 「はいっ!
  会場のみんな!この世界にも悪を許さない正義のヒーローがいるんです!皆の声で絶対に来てくれる筈!
  大きな声で呼びましょう!せ〜ので『スーパーヒーロー』です!いきますよっ!……せ〜〜〜〜〜のっ!!」
 
 『『す〜〜〜〜ぱ〜〜〜〜〜ひ〜〜〜〜〜ろぉ〜〜〜〜〜〜〜!』』
 
【柚お姉さん】の呼びかけで、会場の子供たちが元気良くお願いされた言葉を叫ぶ
その声にこたえる様に、一瞬ステージ最上の高台がフラッシュと共に輝き、力強い声がステージにこだました
 
 
 
 『待てっ!悪だくみもそこまでだ!……いくぞっ!』
 「む……ナニモノだってばよ!?」
 
【怪人・ファーグッド】の言葉に答えるように鳴り響く効果音
高台最上段に派手にCO2が噴出し、立ち上る光と共に3人の戦士の姿が現れた
 
 「俺は正義の戦士……ケンリュウガー!」
 「そして魔法少女ジナ!お時間守って只今参上なのです!」
 「じゃ〜ん!きらきらプリンスもいるよっ♪」
 
効果照明が順に輝くのにあわせ、武神 牙竜(たけがみ・がりゅう)扮する【ケンリュウガー】
そしてジーナ・フロイライン(じいな・ふろいらいん)扮する【魔法少女・ジナ】と時枝 望(ときえ・みつる)の【きらきらプリンス】が
名乗り口上と共にそれぞれポーズをきる……その姿に待ってましたとばかりに沸き立つ会場の子供達

ちなみに約一名……正式には【撲殺魔法少女・ジナ】だったのだが、脚本&演出の某二人に頭2文字を却下されたらしい
その不満を解消するかのように【伝説のハリセン】を眼下にかざし、彼女がいの一番に言葉を放つ
 
 「この世界の女の子を一人残らず連れ去るですって?バカも休み休み言いやがれでございますよ!この悪党っ!」
 「これ以上の悪事は俺達が許さない……俺達が相手だ!覚悟しろっ!」
 「というわけで、いっくよ〜♪」
 
それぞれの言葉と共に、高台から勢い良く飛び降りる正義の戦士3人
そのまま【怪人・ファーグッド】に戦いを挑む【ケンリュウガー】を筆頭に戦闘が開始される
舞台中央から、ヤクモ扮する娘を連れて安全圏まで移動したMC二人が元気良く観衆に応援を呼びかける
 
 「さぁ、ケンリュウガー達三人の戦士が来てくれましたよぅ!みんなで元気良く応援をしてあげましょうっ!」
 「せ〜ので!頑張れって声を出してみますよ!せ〜〜〜〜〜のっ!」
 『『がんばれぇぇぇぇぇぇぇ!』』
 
会場の応援が響き渡る中
被った【動物の面】のイメージ相応しく野生的な動きで攻撃を繰り出す【ファーグッド】の攻撃をかわす【ケンリュウガー】
……実はいつもはパートナーである龍ヶ崎 灯(りゅうがさき・あかり)の魔鎧を纏った姿が真の【ケンリュウガー】なのだが
今、牙竜が纏っているのは精巧に作られた【ただの衣装】に過ぎない
理由は後の展開を見て……といったところなのだが、いつもの魔鎧装着時と引けをとらない動きとアクションは
本当に緻密にファーリーズと打ち合わせた成果であり、絶対に動きの質は落としたくないという彼の一念の成果である
 
そんな序盤からのトップギアな殺陣に続くように、正義VS悪の手下二人という4人の戦闘も続く
【手下】というキャラ作りに相応しく、戦闘中も無言を貫くコラルと魔道書の二人……だがコンビネーションに劣りは無く
戦闘員的役割に相応しく、巧みなフォーメーションとリズムで【魔法少女ジナ】と【きらきらプリンス】に攻撃を繰り出す
だが、ジナたちの動きも個性は対照的ながら、それぞれを補完するように入れ替わり防御と攻撃を繰り出していく
それに【ケンリュウガー】のカッコ良さと違う可愛さが、今回の華やかさ目当ての女の子の観衆に受けがいいようだ
 
 「【ムーンスクリーン!】……今だよ☆」
 「フィニッシュなのでございますよ!うなれマジックハリセン!」
 
月を模した【きらきらプリンス】のシールドの影から、ハリセンを振りかざしながら飛び出す【魔法少女ジナ】
どういう効果か、光と共に一回り大きくなったハリセンが【手下一号・二号】に炸裂する
それとタイミングを合わせるように【ケンリュウガー】も必殺スキルの態勢をとる
 
 「決めるぜ!【疾風突き】はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 「ぐああああああああ!!……お、おのれ〜……退却ぅ〜!」
 
必殺の攻撃を受けた【ファーグット】
そのまま苦悶と共に退却の合図を出し、【手下一号&二号】ともども退場していく
残った【ケンリュウガー】達に会場からの拍手が送られる中【柚お姉さん】が彼等に感謝の台詞を述べた
 
 「ありがとう!【ケンリュウガー】そして【ジナちゃん】【きらきらプリンス様】
  でも……あの【秘密結社ダーキニー】って一体……それに、私達が呼んだとはいえ、何で皆さん揃ってここに?」
 『それは私の口から説明するわ』
 
彼女の問いに、どこからともなく聞こえる声
舞台上の全員が周囲を見渡す中、上手の舞台袖からルカルカ・ルー(るかるか・るー)が現れる
 
 「【キャプテン・ルカルカ】……来てたのか」
 
【ケンリュウガー】の言葉に頷くルカルカこと【キャプテン・ルカルカ】
そのまま、彼等の傍に言葉と共に歩み寄っていく
 
 「彼等は私が呼んだの……今この世界『ムジカニア』はかつてない危機に晒されているわ
  さっきの奴等がいる悪の組織【秘密結社ダーキニー】はこの世界を絶望の力と共に支配しようとしている
  その為に思いついたのが『この世界から歌と音楽をなくす事』だったの」
 
彼女の言葉にヤクモ扮する娘も頷き、ルカルカの言葉に続いた
 
 「あの人達は真っ先に、この世界を統治する【光のプリンセス】を捕まえたのです
  彼女の歌の加護が失われた今、彼等を幅む者はいないと聞きます」
 「そう……だから私は様々な世界で戦う戦士をこの世界に呼んだの、悪と戦い【光のプリンセス】を助け出すために
  そして一刻も早く【ダーキニー】より先にこの世界を救う切り札……【希望の歌姫】を見つけ出さないといけない
  今、私の仲間もここに駆けつけて来てくれている所よ」
 「俺達の仲間も、様々な世界からここに向っている……間もなく到着するところだ、共に力を合わせて……」
 
 
 
 『ふっふっふ……残念だけど、そんな事はさせないし出来ないんだもんね〜☆』
 「!?……上かっ!?」
 
【ケンリュウガー】の言葉を遮るようにステージに少女の言葉が鳴り響く
素早く声の主の気配を察知した彼の言葉と共に全員がステージの真上を見上げる
そこには箒にまたがりながら全員を見下ろしている、悪装束に身を包んだアリッサ・ブランド(ありっさ・ぶらんど)が笑っていた
 
 「【悪の魔法少女ダークアリッサちゃん】見参だもんね!
  悪が一度去ったからって暫く現れない……な〜んて思わない方がいいよ?
  あんた達を始末して、そこのお嬢さんをちょいちょいっと奪っちゃうんだから☆」
 「ふん、バカも休み休み言えってんですよ!たった一人でこれだけ相手に何が出来るって言うんですの?」
 
アリッサこと【マジカルアーマー・ダークアリッサちゃん】に敢然と反論の挑発を投げかける【魔法少女ジナ】
(二人の間に微妙な緊張感が存在するのがわかる人にはわかるのだが、とりあえず過去の禍根なのでここはさらっと流す事にする)
 
 「ちっちっち……称賛を何も考えずに、のこのこ現れるアリッサちゃんじゃないんだもんね
  この前のリベンジの為にこの世界に現れたんだから、しっかりギャフンと言わせてあげるんで〜す
  カマ〜ン、我らが最終兵器!ダークヒーローのみなさ〜ん!」
 
【ダークアリッサちゃん】の言葉と共に、ステージ中段にある左右の扉が開き、新たな影が二つ姿を見せる
その姿に顔色を変える【ケンリュウガー】そして【キャプテン・ルカルカ】達
そんな正義側の様子を意に介さず、二つのシルエットが姿を露にし
エヴァルト・マルトリッツ(えう゛ぁると・まるとりっつ)そして匿名 某(とくな・なにがし)の姿をハッキリと観衆にさらけ出す
 
 「お前達は【パラミティール・ネクサー】【ザ・デスティニー】!?」
 『無駄だよ、彼等はお前達と友情を交わした正義の戦士ではない』
 「誰だ!?」
 
【ケンリュウガー】の言葉に答える様に、新たな声の主……が高台高く姿を現す天神山 清明(てんじんやま・せいめい)
 
 「フハハ!我こそは偉大なる【秘密結社オリュンポス】の跡を継ぐ【秘密結社ダーキニー】の総帥【ドクター・セイメイ】
  混沌の世界を作る為【希望の歌姫ヤクモ】を抹殺しに来たのだ!
  そこの戦士達は、我が暗黒の科学で洗脳した悪の戦士……もうお前達の仲間などではない!」
 「そんな〜?なんで歴戦の勇者であるあの人達が?」
 
【きらきらプリンス】ことの言葉に鼻をふふんと鳴らし、言葉を続ける清明こと【ドクター・セイメイ】
 
 「【ザ・ディスティニー】は故郷と肉親を失い【パラミティール・ネクサー】は力に飲み込まれかかっていたからな
  その精神をコントロールし、悪の波動に飲み込ませることなどたやすい事だったのだ!」
 「その通りです!ネクサーは暴走して正気を失ってしまってるだけなんです〜!」
 「【フェルカ】!?……君は無事だったのか」
 
別の舞台袖から姿を現した【ネクサー】のパートナー、コルデリア・フェスカ(こるでりあ・ふぇすか)こと【フェルカ】
彼女が【ケンリュウガー】の問いに頷く
その正義側の緊迫した様子を、余裕綽々で笑う【ドクター・セイメイ】と【ダークアリッサちゃん】
 
 「さぁ、悪ならともかく元は同胞の奴相手にどこまで戦えるのか見せてもらおうか?」 
 「というわけで【ネクサー】と【デスティニー】のお二人さ〜ん……ド派手にやっちゃってくださ〜い☆」
 
【ダークアリッサちゃん】の言葉と共に武器を片手に襲い掛かる洗脳された二人の戦士
しかし、容赦のない攻撃を二人が繰り出すも、仲間を倒すわけにはいかない正義側は防戦の一方である
 
 「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
 「この!暴走した力がこんなに強力だとはっ!」
 
【パラミティール・ネクサー】の攻撃に押される【ケンリュウガー】
【きらきらプリンス】【魔法少女ジナ】も【ザ・デスティニー】の洒落の効かない攻撃にただ防御する一方の様子
MCと【ヤクモ】を守る【キャプテン・ルカルカ】も【ダークアリッサちゃん】の上空からの攻撃に手が出せない中
何とか3人を対比させようと移動を試みる……だがソレこそ目的だったようで【ドクター・セイメイ】の顔が笑顔になる
 
 「今だ!あの娘を奪え!【ギルティ・ドール】」
 『わかったの〜』
 
舞台袖から延びてきた骨状の鎖が【ヤクモ】と【ルーシェリアお姉さん】を拘束し、袖の所まで強引に引っ張り上げる
そこには鎖…もとい【蛇骨】を持った斎藤 ハツネ(さいとう・はつね)こと【ギルティ・ドール】が嬉しそうに立っていた
 
 「ばっちり捕まえたの、マスター…偉いでしょ?褒めてくれてもいいの」
 「しまった!お姉さん達が!?」
 「余所見をしていていいのかな?やれ悪の戦士ども!」
 
ヤクモ達が拘束されたことによる油断の隙を狙い【ネクサー】達の攻撃が決まり、すかさず必殺技の態勢に入る二人
【パラミティール・ネクサー】の肩部装甲が開きそこに光が収束していき
【ザ・ディスティニー】も【レジェンドストライク】の態勢を取る

 「「おおおおおおおおおおおおおおおっ!!」」
 
二人の咆哮と共に特殊効果で演出された必殺技が炸裂する……轟音とステージを包んだ眩い閃光が晴れた先に
【ケンリュウガー】【魔法少女ジナ】【きらきらプリンス】の3人の姿はなく
呆然とする【キャプテン・ルカルカ】の言葉が空しく響き渡った
 
 「そんな……3人とも倒されるなんて……」
 「はははははははは!手始めに邪魔な3人を消してやったぞ……残るは【キャプテン・ルカルカ】お前一人だがどうする?」
 「……くっ」
 
悪5人に囲まれる【キャプテン・ルカルカ】……しかし、MCを一人庇い、さらに二人も人質に取られ手も足も出ない
絶体絶命のピンチとばかりに客席も緊張に包まれる中、ステージの彼女と悪の間に銃撃(弾着火薬)が炸裂した
とっさに距離を置く悪の隙を狙い、ステージ中央から新たな援軍が姿を現す
 
 「【大『シャーウッドの森』空賊団】只今到着!これ以上勝手にはさせないわ!」
 
援軍の一人【リネン・エルフト(りねん・えるふと)】が高らかに参上の名乗りをあげる中
もう一人の仲間【ヘリワード・ザ・ウェイク(へりわーど・ざうぇいく)】が素早くルカルカ達の傍に駆けつける
 
 「お待たせ、事情はわかってるわこれ以上の被害は出させないから」
 「ありがとう【ヘリワード】」
 
【キャプテン・ルカルカ】と彼女のやりとりを見ながら【ドクター・セイメイ】は悠然と退場の合図を仲間に送る
真っ先に【ヤクモ】たちを連れて退場するハツネこと【ギルティ・ドール】を確認しながら【セイメイ】は高らかに叫んだ
 
 「新手か……だが、目的が果たされた以上、ここで無駄な時間を潰す必要は無いのだ
  必ずや捉えた者から【希望の歌姫】を見つけ出し、この手で【光のプリンセス】ともども始末してくれよう
  命が惜しくなければ、我らがアジトまでやって来るがいい正義の戦士達、その時は最高の歓迎をしてやろう
  ふふふふふふ〜あ〜っはっはっはっはっはっはっは」
 
笑い声と共に去る【ドクター・セイメイ】
【ダークアリッサちゃん】【ザ・デスティニー】【パラミティール・ネクサー】達も続いて退場する
残された【リネン】が無念の言葉を漏らす
 
 「ごめんなさい、辿り着くのが遅かったみたいね」
 「諦めるのはまだ早いわ【リネン】、この世界にまだまだ多くの仲間が駆けつけてくれている
  彼等が少しでも力を出せるように、今の私達は今出来る事をしないといけない……それは」
 「うん、さらわれた人達を助け、洗脳されている仲間を助ける事……だよね」 
 
【ヘイリー】の言葉に同意する【キャプテン・ルカルカ】
その言葉を噛みしめるように3人が頷くと、残された【柚お姉さん】に呼びかける
 
 「お姉さん、私達はこれからさらわれた人……そして【光のプリンス】を助けに行こうと思うの
  何があるかわからないけれど、みんなの応援があれば私達は頑張れる……だから何かあったら協力お願いね」
 「わかりました、気をつけてくださいね!」
 
【柚お姉さん】の言葉に頷く3人……MCが見守る中退場し
光学処理によるホログラムの緞帳カーテンがステージにかかっていく
これから登場するであろうヒーロー達のシルエットを一瞬浮かび上がらせた後【つづく】という文字が浮かび上がる
 
それとともにもう一人のMC……高円寺 海(こうえんじ・かい)のアナウンスが会場に響き渡った 

 
 『これより20分の休憩を行います
  お手洗い・販売等、混雑の無いようにしてお並びください……尚……』
 
諸注意と続く海のアナウンスの中、客席が息を吹き返したようにざわつき、動き出した……開演から45分後の事である